ヴァルキュリヤの名前
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「北欧神話にみられるヴァルキュリヤの名前一覧」の記事における「ヴァルキュリヤの名前」の解説
古ノルド語表記日本語(カナ)表記意味名前の出典Brynhildr ブリュンヒルドル, ブリュンヒルド 「輝く戦い」 『詩語法』 Eir エイル 「平和、慈悲」、あるいは「救済、温情」 『名の諳誦』 Geirahǫð, Geirahöð, Geirahǫd ゲイラホズ, ゲイラヘズ 古ノルド語の geirr (槍) と höð (「戦い」)に結びつけられる。 『グリームニルの言葉』を伝える写本のうちのいくつかで、同じくヴァルキュリヤの名前と思われる「ゲイロルル」(Geirölul) の代わりに登場する(『ギュルヴィたぶらかし』への引用など)。 Geiravǫr, Geiravör ゲイラヴォル 「槍」+「ヴォル (vör)」 『名の諳誦(増補版)』 Geirdriful ゲイルドリヴル 「槍を投げる者」 『名の諳誦(増補版)』 Geirǫnul, Geirönul; Geirrǫnul, Geirrönul; Geirǫmul, Geirömul; Geirǫlul, Geirölul; Geirrǫlul, Geirrölul; Geirǫndull; Geirrǫndul ゲイロヌル; ゲイッロヌル; ゲイロムル; ゲイロルル, ゲイレルル; ゲイッロルル; ゲイロンドゥッル; ゲイッロンドゥル 「槍を持って進むもの」。/ 語義不明; オージンの別名の一つ「ゲイロルニル」(Geirölnir) や、ドヴェルグルの一人の名前「オルニル」(Ölnir) に結びつけられるかもしれない。あるいは「槍を持ち力を溜める者」を意味するかもしれない。異形の一つ「ゲイルロル」(Geirölul) は、ルーン文字による呪言「アル」(alu, ᚨᛚᚢ) に結びつけられるかもしれない。 『グリームニルの言葉』, 『名の諳誦(増補版)』 Geirskǫgul, Geirskögul, Geirscögul; Geirskǫgull ゲイルスコグル, ゲイルスケグル; ゲイルスコグッル 「槍の戦」。/ 「槍」+「スコグル (skögul)」 (スコグルについては以降を参照) 『巫女の予言』, 『名の諳誦(増補版)』, 『ハーコンの言葉』 Gǫll, Göll ゴッル, ゲル 「騒がしきもの」。/ 「騒動」, 「騒音、戦闘」 『グリームニルの言葉』, 『名の諳誦(増補版)』 Gǫndul, Göndul; Gǫndull ゴンドゥル, ゲンドゥル; ゴンドゥッル 「魔力をもつ者」。/ 「杖を振るう者」 『巫女の予言』, 『名の諳誦』 Guðr; Gunnr グズル, グズ; グンル, グン 「戦」。/ 「戦争」, 「戦闘」 『巫女の予言』, 『ギュルヴィたぶらかし』, 『名の諳誦(増補版)』, 『槍の歌』 Herfjǫtur, Herfjötur, Herfiǫtur; Herfjötra ヘルフィヨトゥル, ヘルフョトゥル 「軍勢の縛め」。/ 「主人の足枷」, 「軍隊の足枷」 『グリームニルの言葉』, 『名の諳誦(増補版)』 Herja ヘリヤ, ヘリャ 古ノルド語の herja および古高ドイツ語の herjón (「壊滅させる」の意) に関係している。 『名の諳誦(増補版)』 Hervǫr alvitr, Hervör alvitr, Hervor alvitr ヘルヴォル・アルヴィトル, ヘルヴォル・アルヴィト Hervor 「軍勢の守り手」+ alvitr 「全知」。/ 「アルヴィトル (Alvitr)」は「全知者」あるいは「奇妙な生物」かもしれない 『ヴォルンドルの歌』 Hildr ヒルドル, ヒルド 「戦」。/ 「戦闘」 『巫女の予言』, 『グリームニルの言葉』, 『名の諳誦』, 『槍の歌』 Hjalmþrimul ヒヤルムスリムル, ヒャルムスリムル 「兜の音を立てる者」か「女戦士」かもしれない 『名の諳誦(増補版)』 Hjǫrþrimul, Hjörþrimul, Hjǫrthrimul ヒヨルスリムル, ヒョルスリムル 「剣の女戦士」、これは古ノルド語の hjörr (剣)と þrima (「戦闘、騒音」)に由来する。 『名の諳誦(増補版)』, 『槍の歌』 Hlaðguðr svanhvít フラズグズル・スヴァンフヴィート, フラズグズ・スヴァンフヴィート Hlaðguðr 「王冠で飾られた女戦士」+ svanhvít 「白鳥のように白い」。/ 「フラズグズル (Hlaðguðr)」+「白鳥」+「白」 『ヴォルンドルの歌』 Hlǫkk, Hlökk, Hlǫcc フロック, フレック 「武器をがちゃつかせるもの」。/ 「騒音、戦闘」 『グリームニルの言葉』, 『名の諳誦』 Hrist フリスト 「とどろかすもの」。/ 古ノルド語の hrista 「振動、身震い」に関係しており、したがって「震える者」を意味する。 『グリームニルの言葉』, 『名の諳誦』 Hrund フルンド 「棘」 『名の諳誦』 Kára, Kara カーラ 「荒れ狂う者」(古ノルド語の afkárr 「荒れ果てた」に立脚)、あるいは「巻き毛」「巻き毛の者」かもしれない。 『フンディングル殺しのヘルギの歌 其の二』 Mist ミスト 「霧」。/ 「雲」あるいは「霧」 『グリームニルの言葉』, 『名の諳誦』 Ǫlrún, Ölrún; Ǫlrun オルルーン, エルルーン 「ビールのルーネに通じたもの」。/ 「エールのルーン」かもしれない 『ヴォルンドルの歌』 Ráðgríðr, Ráðgríð ラーズグリーズル, ラーズグリーズ 「計画を壊すもの」。/ 「会議」+「休戦」、あるいは「専横する者」かもしれない 『グリームニルの言葉』, 『名の諳誦(増補版)』 Randgríðr, Randgríð, Randgrid; Randgnid ランドグリーズル, ランドグリーズ 「楯を壊すもの」。/ 「盾」+「休戦」、あるいは「盾」+「破壊者」かもしれない 『グリームニルの言葉』, 『名の諳誦(増補版)』 Reginleif; Reginleifr レギンレイヴ; レギンレイヴル 「神々の残されたもの」。/ 「力の跡」、あるいは「神々の娘」 『グリームニルの言葉』, 『名の諳誦(増補版)』 Róta ロータ, ロタ 古ノルド語の名詞 róta (「雹と嵐」の意)と結びつけられるかもしれない 『ギュルヴィたぶらかし』 Sanngríðr, Sanngriðr, Sangriðr サングリーズル, サングリズル, サングリーズ 「とても乱暴な、とても残酷な」 『槍の歌』 Sigrdrífa シグルドリーヴァ 「勝利を促す者」、あるいは「勝利のために鼓舞する者」 『シグルドリーヴァの言葉』 Sigrún シグルーン 「勝利のルーン」 『フンディングル殺しのヘルギの歌 其の一』, 『フンディングル殺しのヘルギの歌 其の二』 Skalmǫld, Skalmöld スカルモルド 「剣の時」 『名の諳誦(増補版)』 Skeggjǫld, Skeggjöld, Sceggiǫld; Skeggǫld, Skeggöld スケッギヨルド, スケッギョルド; スケッゴルド 「斧の時代」 『グリームニルの言葉』, 『名の諳誦(増補版)』 Skǫgul, Skögul, Scögul; Skǫgull スコグル, スケグル; スコグッル 「戦」。/ 「揺さぶる者」、あるいは「高く聳え立つ」かもしれない 『巫女の予言』, 『グリームニルの言葉』, 『名の諳誦』, 『ハーコンの言葉』 Skuld, Sculd スクルド 「税、債務、義務」。/ 「負債」か「未来」かもしれない 『巫女の予言』, 『ギュルヴィたぶらかし』, 『名の諳誦』 Sváfa, Sváva, Svafa スヴァーヴァ 「人々を眠らせる者、殺す者」? 『ヒョルヴァルズルの息子ヘルギの歌』 Sveið, Sveid スヴェイズ 語義不明; 「振動」あるいは「騒音」かもしれない 『名の諳誦(増補版)』 Svipul; Svipull スヴィプル, スヴィポル; スヴィプッル 「気紛れな」 『名の諳誦(増補版)』, 『槍の歌』 Tanngníðr, Tanngniðr, Tanngnidr タングニズル 「歯ぎしりする者」 『名の諳誦(増補版)』。写本 AM 748 I b 4to での形。一般には randgríðr 「ランドグリーズル」と校訂される。 Þǫgn, Þögn ソグン 「沈黙」 『名の諳誦(増補版)』 Þrima スリマ 「戦闘」 『名の諳誦(増補版)』 Þrúðr スルーズル, スルーズ 「強きもの」。/ 「強さ」、あるいは「力」 『グリームニルの言葉』, 『名の諳誦(増補版)』 なお、リヒャルト・ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』など近現代の作品のみに登場するヴァルキュリヤ(ワルキューレ、ヴァルキリー)については、各作品の記事またはワルキューレなどを参照のこと。
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