ヴァルキュリャとしての性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/01 05:50 UTC 版)
「ブリュンヒルド」の記事における「ヴァルキュリャとしての性質」の解説
北欧の伝説でブリュンヒルドがヴァルキュリャとされていることは、もともとゲルマンと共通の背景があるのか、スカンディナヴィアでのみ後世に発展したのかについては、一致する見解がない。ゲルマンの伝承においてみられるブリュンヒルドの卓越した力は、かつてヴァルキュリャとして扱われていた神話的過去をほのめかしていると考えることはできる。 一方で、『シグルドリーヴァの言葉』でシグルズが目覚めさせたヴァルキュリャはあくまで「シグルドリーヴァ」という名前であって、北欧の伝承にあらわれる「ブリュンヒルド」という名の人物は、伝説の細かい部分をみればヴァルキュリャとはみなされていない。もともとの伝承では、シグルズはヴァルキュリャ(シグルドリーヴァ)と義理の妹(ブリュンヒルド)という2人の別々の女性に関わっていて、それが「中途半端に統合された」可能性がある。スカンディナヴィアにおけるブリュンヒルドの目覚めと、有名な眠れる森の美女のおとぎ話の類似性については、元となる伝承がないということで直接の関係を否定する学者もいる。タウヌス山地に「ブリュンヒルドの寝床(lectulus Brunihildae)」と呼ばれる山があり、ドイツの目覚め話の一つに登場するが、これも実在した女王ブルンヒルドに由来すると考えたほうが妥当である。ブリュンヒルドが見せる超人的な力は、彼女をシグルズと同等の存在とするための物語的方法と考えるほうがよいかもしれない。
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