レーザ写植機とは? わかりやすく解説

レーザ写植機(第4世代電算写植機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 16:04 UTC 版)

電算写植」の記事における「レーザ写植機(第4世代電算写植機)」の解説

文字画像一括して出力するシステム求められていた。そのため写研は、CRT写植機開発のために写研提携したオートロジック社の「APS SCAN」を利用し図版原稿レーザースキャンするスキャナの「SAPGRAPH-L」を1979年発表。また文字画像一括して出力するレーザ出力機」の「SAPLS」を1979年発表レーザ出力機だとドットフォントでは実用に耐えないことから、これまでのようなドットデジタルフォントではなくレーザ出力機でも文字崩れずに出力できる「アウトラインフォント」も開発された。1981年写研アウトラインフォント制作為に、独URW社製のタイポグラフィー制作ソフト「IKARUS」(イカルス)を導入写研1981年当時ゴナ」のファミリー化を進めており、書体デザイナー中村征宏デザインしたゴナU」「ゴナE」をベース光学理によって「ゴナO」を制作発表したところだったが、このイカルスシステムを用いてゴナアウトライン化同時にファミリー化を行うことにする。それまでファミリー書体制作全て人力行っており、一つファミリー書体制作1年かかったが、イカルスシステムを用いることでコンピュータによって中間のウエイト文字自動的に作成でき、ファミリー書体の製作の効率化統一したデザインが可能となった写研は「ゴナL」「ゴナM」などを制作し1983年発表1985年にはさらに「ゴナH」「ゴナOH」などを発表し、「ゴナ」においてそれまで前例のない書体の大ファミリー完成させる。イカルスシステムがアウトラインフォント制作と書体のファミリー制作有用であることが分かったので、写研続いてイカルスシステムを用いた本蘭明朝」と「ナール」のファミリー化およびアウトラインフォント化に着手する1985年以降ファミリー拡充されファミリー形成したゴナ」は、写研電算写植とともに1980年代から1990年代にかけての日本出版業界において多用されることになった写研による「レーザ写植機」の実用機は、1980年代前半より相次いで市販された。当時日本写植業界2位であったモリサワも、1980年に独ライノタイプ社提携して電算写植機に参入し同時期の写研の「SAPTONシステム」と同様のレーザ写植機「ライノトロン・システム」を展開している。 組み上がり確認しながら(WYSIWYG編集組版できるシステム求められていたことから、写研1984年ワークステーションPERQ利用した編集組版レイアウトターミナル「SAIVERT-N」を発売画面への表示アウトラインフォントではなくドットフォント利用しているという制限はあったものの、電算写植システムにおいてほぼWYSIWYG実現された。さらに1989年発売された「SAIVERT-P」は、文字画像一緒に扱えるだけでなくペンタブレット利用した簡単な作図機能有しており、これを利用することで、従来のように写植出力され文字画像切り貼りした後に烏口などで線を引いて版下作るという「フィニッシュワーク」が必要なくなることから、従来手動写植機使われていたチラシ雑誌広告制作においても電算写植システム導入されるようになった。 この「レーザ写植機」が、写研を除く各メーカー電算写植機の最終形態である。レーザ写植機は、1980年代から1990年代にかけて「写真高精細になる」「CRT液晶になる」などの改良が行われた。 「レーザ写植機」で実現された「文字画像統合処理」「アウトラインフォント」などの流れ先にDTP登場するレーザ写植システム使用された「レーザ出力機」は、後にPostScriptに対応させ、初期DTPでもMacからの出力機として流用されることとなる。 史上初の「PostScript対応のレーザ出力機」が、モリサワ提携していたライノタイプ社の「ライノトロン・システム」で用いられていた1985年発売の「ライノトロニック100であった。 この当時使われていた「レーザ出力機」は、PC用として使われているレーザープリンターと同じ原理だが、紙にトナー定着させるではなく印画紙フィルム感光させる点が異なる。旧来の電算写植システム利用された、文字だけを出力できる出力機を「タイプセッタ」と呼ぶのに対し第4世代電算写植システム使用された、文字画像一括して出力できるレーザ出力機を「イメージセッタ」と呼ぶ。もしイメージセッタPostScript対応していた場合電算写植システムDTPどちらでも出力が可能である(つまり、電算写植用に導入したレーザ出力機をDTP流用できる)。電算写植またはDTP制作した組版データを、「イメージセッタ」を使って一旦フィルム出力し、それを元に改め刷版作成するという「CTFComputer to Film方式」は、電算写植からDTPへの過渡期にかけてよく行われていたが、組版データから直接刷版作成するCTPComputer to Plate方式」や、刷版作成せずに組版データプリンター直接印刷するオンデマンド方式」と比較する手間がかかる上に、フィルム起因する品質不良発生する恐れがあるため、DTP標準化伴ってほとんど行われなくなった

※この「レーザ写植機(第4世代電算写植機)」の解説は、「電算写植」の解説の一部です。
「レーザ写植機(第4世代電算写植機)」を含む「電算写植」の記事については、「電算写植」の概要を参照ください。

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