レビ記の4種類の昆虫とは? わかりやすく解説

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レビ記の4種類の昆虫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 06:02 UTC 版)

カシュルート」の記事における「レビ記の4種類の昆虫」の解説

この節ではレビ記で「食べてよい」とされている昆虫について扱う。 原文大意は「羽があり4足で動き群れるもの(昆虫)は不浄だが、足の上接続した脚があり地面跳ねるものは食べてよい。つまりアルベサルアムハルゴルハガブ食べてよい」である。前半跳躍するバッタ目昆虫指していると考えられる現代の解釈では昆虫は6本足だが、4本の足と2本の手(または「足」以外の何か)と考えたのだろう。「足の上接続した脚があり」は「折れ曲がる長い足があり」と理解できるが、Nevoは「4足で歩き、その上さらに、地面跳ねるための(2本の)脚がある」と解釈するべきだとしている (Locusts as Food)。 後半例示とも読めるが、4種類限定しているとも読める例示とすれば基本的にバッタ目昆虫全てカシェルである。David Guzikの注解では「locustイナゴ)、cricketコオロギ)、grasshopperバッタ)などはカシェルである」と広義に取っている。イスラエル文献でも、例えAzureに「あらゆる種類のイナゴ・バッタなどは食べて良い」という記事がある(ただし英訳聖書影響受けているようである)。International Standard Bible Encyclopedia (ISBE)も、基本的にバッタ目全体食べてよいという解釈をしている。実際英語訳では一般にcricketgrasshopperコオロギバッタなど)を含めているし、欽定訳聖書ではbeetle甲虫類)まで含めており(これはさすがに広過ぎる解釈であろう)、現代で言うバッタ科よりかなり広い範囲了解されていた。 一方、Nevoによれば英訳聖書混乱の原因であり、本来はバッタ目多数の種のなかで特定の4種類だけが食べてよいものと理解されていたという。その根拠として彼は、タルムードで「不浄バッタ800種類」と述べられている、としている。つまり、バッタ目のほとんども食べてはいけないのだという。Lisë Sternガイド How to Keep Kosher では、古代ヘブライ語昆虫名の正確な意味は不明なのですべての昆虫食べないほうが良いとしつつ、「ただしどの昆虫カシェルであるか習慣確立しているなら、それに従う」としている。つまり、基本的には、カシェルなのは特定の4種類のみという立場である。 このように4種類限定なのか例示なのかについて(言い換えれば、どの昆虫カシェルであるかについて)、ユダヤ教徒の間にも解釈揺れがある。昆虫食自体が現在では一部地域除いてあまり一般的でないため、この解釈バッタ類のどの種がカシェルでどの種がそうでない決定すること)は必ずしも日常的に切実な問題ではない。 4種類の名称はヘブライ語古語で、確実な同定できない4つの名称が異な昆虫を指すのかすら分からないし(同一種の相変異呼び分ける語かもしれない)、仮に同定できても、地中海東岸地方昆虫であるため和名があるかも不明である。 アルベ 一番目アルベヘブライ語: אַרְבֶּה‎, ラテン文字転写:arbeh)は旧約聖書全体24回も言及されており、災厄蝗害)をもたらすという記述から、いわゆるバッタ大群」を作る昆虫で、当時、その地方においてごくありふれていたもの違いないバッタ科のうち、移動相を持つ種か、またはその種が移動相にある状態を指すと考えられる七十人訳聖書では「羽のないバッタ」と理解され、羽の有無(または長短)を分類基準としていたふしもある。Nevoはこれをバッタ科サバクトビバッタ(Schistocerca gregaria Forsskål, 1775; 英 Desert locust)でまず間違いないとしている。Aharoniも同意のようだ日本語では、新共同訳新改訳が「いなご」、口語訳が「移住いなご」である。(なお、いなご(Catantopidae科)は大群となって蝗害起こす事は無く正確に訳せバッタ科バッタである。) サルアム 二番目サルアム (סָּלְעָם) は、英語ではしばしば「bald locust」と訳される。ISBEによると、タルムードで「滑らかな頭を持っている」とされていたため、そう訳されたのだという。ISBEは漠然と genus Tryxalis (T. unguiculata or T. nasuta) と同定している。 日本語では、新共同訳が「羽ながいなご」、新改訳が「毛のないいなご」、口語訳が「遍歴いなご」である。新改訳英語訳同等で、baldを「はげ頭」のように理解したのだろう。 ハルゴル 三番目ハルゴル (חַרְגֹּל) は英訳ではコオロギだが、アラビア語の「ハルジャル」(バッタ群れ)との関係から、やはりバッタ・イナゴの一種と見られる日本語では、新共同訳口語訳が「大いなご」、新改訳が「こおろぎ」である。 ハガブ 四番目のハガブ (חָגָב) もバッタまたはイナゴの類とされる日本語では、新共同訳口語訳が「小いなご」、新改訳「ばった」である。

※この「レビ記の4種類の昆虫」の解説は、「カシュルート」の解説の一部です。
「レビ記の4種類の昆虫」を含む「カシュルート」の記事については、「カシュルート」の概要を参照ください。

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