ホロコースト捏造陰謀説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 04:29 UTC 版)
「陰謀論の一覧」の記事における「ホロコースト捏造陰謀説」の解説
詳細は「ホロコースト」および「ホロコースト否認」を参照 第二次世界大戦時にナチス・ドイツによって実行されたとするユダヤ人絶滅政策(ホロコースト)の存在が、連合国およびユダヤ人勢力の陰謀により捏造された虚説である、もしくは著しく犠牲者数が誇張されており信憑性がないというもの。日本ではユダヤ・ネオコン陰謀論者の宇野正美や後継者の田中宇が好んで繰り返す。こういった論者が根拠として主張する点は以下のようなものが挙げられる。 公文書、ヘルマン・ゲーリングの私信、ハインリヒ・ヒムラーの演説筆記録など、あらゆる文書を調査しても、ホロコーストの指示に関係する文章が発見されていない。 アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所の「ガス室」と言われている部屋には、毒ガス注入口および排出換気口が存在するものがない。 アウシュヴィッツでは、遺体を処分するための「焼却炉」および、その結果、必ず発生する灰や人骨の存在が確認されない。 ガス室殺害の証拠写真とされているものは、発疹チフスなどの伝染病により大量の死亡者が発生したときの死体写真である。 実際に毒ガスで死亡したとされる遺体を確認した証拠は、チャールズ・ラーソン博士による遺体確認結果のみで物証がない。 収容所に収容されていたユダヤ人の中には、「ガス室」を見たことも、聞いたことも無いと、当初、裁判で証言した人間もいたが、彼らは途中から「人からガス室の話を聞いた」と証言内容を変更している。 殺害施設とされる設備の容積と稼働率から最大限で計算しても、殺害者数600万人という数字には全く及ばない。 アドルフ・ヒトラーのユダヤ人最終解決とは、ユダヤ人のヨーロッパからの完全追放であり、絶滅ではない。 また『アンネの日記』はアンネ・フランクの手になるものではなく、父オットー・フランクによってアンネ没後に創作されたものである、という主張がされている(アンネの日記#日記の真贋に関する論争の歴史)。学会においては公文書を含む膨大な資料と証言から、ホロコーストの存在自体は実証されたというのがコンセンサスであり、歴史学上の論争は開始時期や正確な犠牲者数などの問題が多い。このためホロコースト否認は、ナチズムの復権や反ユダヤ主義といった動機に基づくものであるとされ、「ナチス(政権下におけるドイツ)の犯罪」を「否定もしくは矮小化」する動きを処罰する法律が施行されている国もある。また、人種差別の助長であるとして処罰される国もある。
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