ペットとしてのインコ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 07:55 UTC 版)
「w:Companion parrot」を参照 そのヒトと親しくまじわる愛らしい性質、高い知能、鮮やかな色彩と言葉をまねする能力からインコはペットとして高い人気を得ており、歴史的にもさまざまな文化において飼育されてきた。1世紀の初めの大プリニウス(ガイウス・プリニウス・セクンドゥス)の記録によれば、ヨーロッパ人はホンセイインコ(Rose-ringed Parakeet 、ring-necked parrot とも)と記述の一致する鳥を飼っていた。何千年ものあいだ、かれらはその美しさと話す能力から珍重されてきたが、飼育することの困難さもまた証明されてきた。たとえば筆者 Wolfgang de Grahl は1987年の彼の著作"The Grey Parrot" の中で、真水が有害であると考えて、船積みされたインコにコーヒー以外を飲むことを許さなかった輸入業者がいたこと、そしてその行為が輸送中の生存率を向上させると信じていたことを取り上げている(今日ではコーヒーに含まれるカフェインが鳥に有害であるということが一般にみとめられている)。 ペットのインコは鳥かごや鳥小屋で飼われるだろう。しかし一般にヒトに慣れたインコは、日常的に外に出てスタンドやジムにとまることが許されなければならない。地域によってインコは捕獲された野生種かもしれないし、飼育下の人工繁殖による個体かもしれないが、野生インコの存在しない大部分の地域では人工繁殖による個体である。 ペットとして一般的に飼育されているインコの種類には、コニュア、コンゴウインコ、ボウシインコ、白色オウム、ヨウム、ラブバード、オカメインコ、セキセイインコ、オオハナインコ、シロハラインコ、パラキート、アケボノインコ やハネナガインコなどがある。その気質、騒音の大きさ、物まねの能力、ヒトに触れられることへの好悪、そして世話の方法などは種類によって異なるが、しかしそのインコがどのように育てられたかということが、一般にその個性に大きな影響を与える。 インコはその美しさと高い知能、そしてヒトと親しくまじわる性質のためペットとしての人気が高い。1992年に、新聞USAトゥデイ紙は、アメリカ合衆国だけで1100万羽の鳥がペットとして飼われており、その多くがインコであると発表した 。あらゆる種類のペットバードのなかでも家畜化されているセキセイインコや一般的なパラキート、小型のインコなどがもっともポピュラーである。 インコは優れたコンパニオンアニマルになることができ、その飼い主と近しい愛情深い絆を形作ることができる。しかしながら彼らは決して飼うことの容易なペットではない。その健康的な生活のためには給餌やグルーミング、獣医の診察、訓練、おもちゃを与えることによる環境強化、運動、そしてほかのインコやヒトとの社会的インタラクションなどが必要である。大型の白色オウムやボウシインコ、コンゴウインコといった一部の大型種のインコは80年におよぶ非常に長い寿命をもつことが報告されており、100年を超える年齢の記録もある。ラブバードやサトウチョウ、セキセイインコといった小型のインコは15年から20年程度の短い寿命をもつ。インコの中には非常にやかましい種類もある。ほとんどの大型のインコは破壊的なことがあり、このため常に新しいおもちゃか、木の枝や噛んで遊ぶためのものを供給することが必要である。 大型のペットのインコの中でもその多くが高い人気と長命、そして知能のために、長い生涯のコースの途上で新しい飼い主に引き取られるということが起こる。一般的な問題とはこうである。つまり可愛らしい穏やかな幼鳥として購入された大型種のインコが、複雑で、多くの場合手数のかかる、飼い主よりも長生きする成鳥へと成熟する。これらの問題のために、そしてこういったホームレスのインコを犬やネコのように安楽死させられないという事実から、パロットレスキューやサンクチュアリといった施設がより一般的になってきている。
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