プロモーション活動とツアー
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「カーペンターズ」の記事における「プロモーション活動とツアー」の解説
1969年の最初のアルバム『オファリング』に対するレヴューはあまり芳しいものではなく、カーペンターズのスタートは順調なものではなかったが、2人はバート・バカラックの前座として自分たちのプロモートに励んだ。1974年のラスヴェガスのホテルリヴィエラにおけるコンサートのときに、リチャードはそのいきさつについて説明した。映画『ハロー・ドリー!』封切り後のベネフィット・ディナーの際にバカラックの方から彼らの元を訪れて、後日行われるバカラックのディナー・ショーの前座をやってみないかと誘ったのである。このときにバカラックは自分の曲をどれでもいいからメドレーにして歌ってみろとの要求を出した。カーペンターズは2か月をかけて8曲のメドレーをまとめ上げた。このメドレーは全部で13分近くあったものを5分に短縮した上で1971年のアルバム『カーペンターズ』に収録された。 カーペンターズはコンサート・ツアーやテレビ出演などの過密なスケジュールをこなしていった。彼らが出演したテレビ番組には『エド・サリヴァン・ショー』やジョニー・カーソン司会の『ザ・トゥナイト・ショー』、『キャロル・バーネット・ショー』("The Carol Burnett Show"、1971年および1972年)、『マイク・ダグラス・ショー』("The Mike Douglas Show"、1971年)などがあり、『ジョニー・キャッシュ・ショー』("The Johnny Cash Show"、同じく1971年)では「ふたりの誓い」と「雨の日と月曜日は」を演奏した。BBCのテレビ特番 ("Carpenters:Live at the BBC") では生演奏を披露している。彼らはまた夏の間だけのシリーズ番組"Make Your Own Kind of Music"で主演を務め、アメリカでは毎週火曜日の午後8時にNBCで放送された。1980年のラジオでのインタビューでカレンとリチャードのいずれもが、1970年代初めのテレビとの関わりにおいて自分たちはつけ込まれ利用されていたこと、その後の作品を制作してゆく上での支配権を握られそうになっていたことなどを述べている。 1973年5月には、時のアメリカ大統領リチャード・ニクソンと訪米中の西ドイツ首相ヴィリー・ブラントからの招待を受け、ホワイトハウスで演奏することになった。 カーペンターズは1971年から1975年にかけて数多くのコンサートを行っている。以下の表はリチャードが保存していた旅行記録に基づいたものである。 年コンサート回数TV出演回数1971 145公演 10番組("Make Your Own Kind of Music"など) 1972 174公演 6番組 1973 174公演 3番組 1974 203公演 なし 1975 118公演 + 延期46回 なし 1970年代の中ごろには、度重なるツアーや長期に及ぶレコーディング・セッションが2人を蝕みはじめており、2人の十数年にわたる活動の後半は仕事の上でも個人生活の上でも問題を抱えたものとなっていた。カレンは強迫観念的にダイエットをするようになり、やがて神経性無食欲症になって症状も進行していった。この拒食症が最初に現われたのは、ラスヴェガスでのショーの途中でカレンが倒れた1975年のことである。カレンは消耗しきっており、フィリピンとイギリスおよび日本へのコンサート・ツアーはキャンセルするよう命じられた。リチャードはその時期の6、7日の過密スケジュールのことを後悔しており、現在明らかになったことを当時すでに知っていたら絶対にそのような日程には同意しなかっただろうと語っている。カレンはシングル「オンリー・イエスタデイ」のミュージック・ビデオを撮影したころには(まだ病的ではなかったが)顕著に痩せて見えるようになった。一方リチャードもメタカロン(催眠剤)の中毒に陥っており、1970年代後半には演奏に悪影響を及ぼしはじめ、これらをきっかけとして1978年に2人はライヴ・コンサートへの出演を辞めることとなった。 カーペンターズとして行った日本公演は、1972年、1974年、1976年の3回である。1974年の日本公演では、武道館ではひばり児童合唱団と、京都では地元の合唱団(リチャードが「Kyoto Children's choir」と紹介していた。)と「シング」を日本語で歌った。
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