プロジェクト組織と研究方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/12 01:15 UTC 版)
「文化遺産における知的財産権問題プロジェクト」の記事における「プロジェクト組織と研究方法」の解説
本プロジェクトは3つの部分で構成され、研究・分析・情報交換の主要ツールとして、オンライン・ナレッジベース、コミュニティベース研究、テーマ別ワーキング・グループを使用する 「ナレッジベース」とは、文化遺産の知的財産権問題に関するコンテンツを集めた検索可能なフルテキストのオンライン・アーカイブのことであり、出版物、文献レビュー、グローバルケーススタディ、研究プロトコルおよびその他の関連リソースが含まれている。一般の人びともこのナレッジベースにアクセスして、目録を検索することができる。 IPinCHは、世界各地の先住民コミュニティで15の「コミュニティベースのイニシアティブ」を実施している (Hollowell and Nicholas 2009)。各プロジェクトはIPinCHの資金提供のもと、コミュニティのパートナーと共同で開発される。パートナーは研究課題の設定、研究手法の開発、アウトプットの創出のすべてに関与し、プロジェクトデータを公表する前にレビューを行う。プロジェクトでは次のような幅広い問題に取り組んでいる。 遺物を取り扱うプロトコルの作成; 先住民の知的財産権に関するレビュー・ボードの設置 文化的配慮を要する場所や情報を外部者が取り扱う際のプロトコルの構築 地域運営に関する意思決定や政府の協議プロセスに、伝統的文化の原理や知識を取り入れること 美術館・博物館に所蔵されている先住民の遺物をコミュニティに返還する方法や、それらに関する知識の保存方法を開発すること 文化的に重要な場所の無形価値を保護するために、政府機関と共同で管理計画を策定すること。これらは文化遺産とその知的財産権の保護や教育目的での使用を目指す、持続可能で、文化的に適切であり、地域コミュニティに根ざした取り組みである。いくつかのプロジェクトでは、コミュニティの長老と若者が伝統的知識の収集・目録作成・保存活動に共同で取り組んでいる。 8つのテーマ別に「ワーキング・グループ」を設置し、研究、作文能力開発イニシアティブ、ワークショップを通じて、文化遺産における知的財産権問題の理論的、実務的、倫理的、政策的意味合いを検討する。グループは以下の8つに分かれているが、各グループのテーマは必然的に一部が重なり合っている。 生物考古学、遺伝学および知的財産権 連携、関係構築およびケーススタディ 商品化 文化ツーリズム IPの慣習的利用・土地特有の形態・法形式 デジタル情報システムと文化遺産 知的財産権と研究倫理 コミュニティベースの文化遺産研究 上記グループは、しっかりした根拠と事例に基づく経験的なデータを用いて、文化遺産の知的財産権問題に関する理論・実務・政策・研究について共同で分析し、報告を行うとともに、研究倫理、人権、主権、オープンアクセス、文化の商品化が与える影響を検討する。IPinCHは、特定の知的財産権問題を研究する大学院生とポスドク研究者に研究助成金を支給している。このような問題に関心のある学生、研究者、その他の人びとはIPinCHのアソシエイトになり、ワーキンググループ、プロジェクトの取り組み、イベントに参加することができる。
※この「プロジェクト組織と研究方法」の解説は、「文化遺産における知的財産権問題プロジェクト」の解説の一部です。
「プロジェクト組織と研究方法」を含む「文化遺産における知的財産権問題プロジェクト」の記事については、「文化遺産における知的財産権問題プロジェクト」の概要を参照ください。
- プロジェクト組織と研究方法のページへのリンク