バトゥ・ウルスの成立とは? わかりやすく解説

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バトゥ・ウルスの成立

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 13:53 UTC 版)

バトゥ・ウルス」の記事における「バトゥ・ウルスの成立」の解説

1206年モンゴル帝国創設したチンギス・カン配下領民領地一族功臣分配し、彼らの領有する土地人民(=ウルス)が連合する体制作り上げたチンギス・カン長男ジョチはゲニゲス部のクナン・ノヤン、フーシン部ケテ(フーシダイ)、シジウト部モンケウルアルラト部バイクら4人の千人隊長率い千人隊と、イルティシュ河流域遊牧地として与えられモンゴル高原北西部ジョチ・ウルス形成したジョチ中央アジア遠征が始まると本隊から離れてシル下流域方面キプチャク草原東部制圧し、この一帯を自らの領地加えたジョチ遠征先で父に先立って急逝した時、彼に14名の息子がいたが、その中で有力な後継者候補長男オルダ次男バトゥであった。『集史』「ジョチ・ハン紀」には「オルダは、バトゥ君主たることに同意していた。彼の父の地位への即位集会クリルタイ)を催した」と記され詳細不明なもののオルダから譲られる形でバトゥジョチ後継者となったようである。一方16世紀編纂された『チンギズ・ナーマ』では、オルダバトゥ互いに相手こそ父の後継者相応しいと譲り合い最終的にチンギス・カン裁決仰いでバトゥ選ばれたとするまた、この時にチンギス・カンが「金の入口の白い天幕をサイン・ハン(=バトゥ)のために、銀の入口の青い天幕をエジェン(=オルダ)のために、入口灰色天幕シバンのために建てた」ことが「白帳」「青帳」という呼称の由来になったとする。このような記述史実とはみなしがたいが、後世バトゥ家とオルダ家が断絶しシバンシャイバーニー)家が浮上した歴史象徴的に語る逸話であるとみなされる。 『集史』「ジョチ・ハン紀」は上記記述続けて「ジョチ・ハンの軍隊から半分は彼(オルダ)、半分バトゥ持った。彼は自分軍隊四人の弟のウドゥル、トカ・テムル、シンクル、シンクムと共に左翼となった。彼らは今日まで、左翼諸王呼ばれている」と記しジョチ軍隊半数継承したオルダが4人の弟とともに「[ジョチ・ウルス左翼オルダ・ウルス」を形成したとする。左翼成立構成について研究者の間で異論はないが、問題なのは右翼で、史料上でジョチ・ウルス右翼」について明確に言及する記述存在しない。そのため、ジョチ・ウルス右翼成立構成について研究者の間でも諸説あるが、概ね上述した5人の王子オルダ、ウドゥル、トカ・テムル、シンクル、シンクム)を除くジョチ家王子バトゥ家を中心として一つウルス形成したのが「バトゥ・ウルス=白帳」であると考えられている。 また、バトゥ1230年代から1240年代にかけてヨーロッパ侵攻英語版)の総司令官務め、この遠征得られたチェルケシア・アラン=アス・キプチャク・オロス(ルーシ)・ブルガール大ブルガリア)といったキプチャク草原から東欧到る広大な領土ジョチ・ウルスのものとなったバトゥ・ウルス遊牧地については、最初期ウラル川流域シル川流域一帯にあったとする説もあるが、ルーシ東欧遠征西方広大な領土得て以後サライ中心とするヴォルガ川流域バトゥ・ウルス中心地とされたと見られる。なお、上述したバトゥ継承したジョチ軍隊半数」とは、ジョチチンギス・カンより最初に与えられ4つ千人隊内の半分モンケウルバイク千人隊)であると見られる。そして、バトゥ・ウルス内部でも左右両翼体制取られ千人隊長バイク右翼を、モンケウル左翼それぞれ指揮していたと考えられる

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