バトゥ・ウルス=青帳ハン国の分裂とは? わかりやすく解説

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バトゥ・ウルス=青帳ハン国の分裂

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 13:53 UTC 版)

バトゥ・ウルス」の記事における「バトゥ・ウルス=青帳ハン国の分裂」の解説

トクタミシュ敗亡後、バトゥ・ウルスでは傀儡ハン擁立するエディゲトクタミシュとその息子たち、そしてシバン・ウルスが主導権争い繰り広げる分裂状態逆戻りした。まず勢力拡大したのがマングト出身エディゲで、エディゲ自分の甥にも当たるテムル・クトルク傀儡ハン擁立しバトゥ・ウルス大部分支配下置いた。これに対しトクタミシュとその息子たちリトアニア大公国支援求めて対抗し20年わたってバトゥ・ウルス西部では両者抗争繰り広げられた。しかし、1419年にはエディゲトクタミシュ息子のカーディル・ベルディが相打ちとなる形で没落し、代わって台頭してきたのがトクタミシュ近縁にあたるウルグ・ムハンマドであったウルグ・ムハンマドサライ一帯治めることでジョチ・ウルス正当な支配者してみなされたが、その勢力極めて限定的なものであってクリミア方面カスピ海北岸地域実効的な支配を及ぼすことはできなかった。ウルグ・ムハンマドのように、サライ抑えることでジョチ・ウルス正当な後継者認められながら、著しく支配領域縮小させた勢力のことを当時の中料では「大オルダ」と呼称している。ただし、「大オルダ」の成立滅亡時期、また「大オルダ」 という概念そのものについては研究者によって意見がしばしば異なり定まっていない。 1430年代に入るとウルグ・ムハンマドクチュク・ムハンマド敗れてヴォルガ河上流カザン逃れて自立しウルグ・ムハンマド始祖とするこの勢力後世カザン・ハン国」と呼ばれたまた、ウルグ・ムハンマド息子一人のカースィムはモスクワ大公国支援受けてカシモフ・ハン国」と呼ばれる勢力形成したが、これはモスクワ草原地帯進出するための傀儡国家化した一方クチュク・ムハンマドその子孫継承した大オルダ」の中で、アストラハン中心とする一派後世アストラハン・ハン国」と呼ばれたが、「大オルダ」と「アストラハン・ハン国」の関係(両者がいつから別の勢力見なされるようになったか)は研究者によって諸説ある。 一方、かつてママイ根拠地としていたクリミア地方にはトクタミシュによる右翼平定時にシリンバーリンアルグンキプチャク4部族が移住しており、「トクタミシュ特別な従者」と呼ばれたこれら4部族はクリミア地方において独自の勢力形成した。青帳(左翼)のバラクウルグ・ムハンマド抗争繰り広げられていた頃、争乱避けてリトアニア亡命していたウルグ・ムハンマド従兄弟ギヤースッディーンにハージー・ギレイという男子生まれ、ハージー・ギレイは1441年に「4部族」の一つシリン部の招聯を受けてハン即位した。ハージー・ギレイを始祖とするこの勢力後世クリミア・ハン国呼ばれ、後にオスマン帝国保護下に入ることでバトゥ・ウルス系の勢力の中では最も長く存続することになった。 これら、バトゥ・ウルスから分裂したハン国二度と再統合されることなく最終的にすべてモスクワ=ロシアによって併合されていったバトゥ・ウルス青帳ハン国滅亡時期については諸説あるが、ヨーロッパで伝統的な史観では「大オルダ」のシャイフ・アフマドクリミア・ハン国のメングリ・ギレイに滅ぼされ1502年とされる旧左翼オルダ・ウルス領域居住する集団が「ウズベク」、「カザフ」といった名称で呼ばれたのに対し右翼バトゥ・ウルス領域居住する集団基本的にタタール人」と総称された。「タタール」は「ウズベク」「カザフ」と異なってモスクワ=ロシアへの併合独立国形成することはできなかったが、現在のロシア連邦には「タタールスタン共和国」や「クリミア自治共和国」が属しており、これらがバトゥ・ウルス間接的な後継者であるといえる

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