ナンテンハギとは? わかりやすく解説

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なんてん‐はぎ【南天×萩】

読み方:なんてんはぎ

マメ科多年草原野生え、高さ3060センチ一対小葉からなり互生する夏から秋紅紫色蝶形の花を開く。若葉をあずきとよび、食用にする。

南天萩の画像

南天萩

読み方:ナンテンハギ(nantenhagi)

マメ科多年草薬用植物

学名 Vicia unijuga


ナンテンハギ マメ科

ナンテンハギ
マメ科
収穫時期 食べられる部位 清見町での呼び名
3月5月 若葉

アズキナ


芽 葉 花

味わう

若いはくせがなく、味もまろやかで、上品な風味が昔から愛されてきた。
ゆでて和え物や、おひたし煮物に。

薬効

特にはありません。


DATA
一般に葉の形ナンテンに、花の形がハギ似ていることからナンテンハギと呼ばれているが、飛騨地方では、アズキナの名の方が知られており、畑などで栽培されている家庭珍しくない
荒れ地などに普通に見られる多年草で、木質の太い根を持ち40から50程度株立ちしていることもある。
夏から秋にかけて、根本小さな紫色花を咲かせる
【清見情報
煮るときにアズキを煮る匂いを出すところからアズキナ方言名がある。

ナンテンハギ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/10 04:47 UTC 版)

ナンテンハギ
ナンテンハギ(筑波実験植物園にて)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
: ソラマメ属 Vicia
: ナンテンハギ V. unijuga
学名
Vicia unijuga A.Braun (1853)[1]
英名
Two-Leaved Vetch[2]

ナンテンハギ(南天萩[3]学名: Vicia unijuga)とは、マメ科ソラマメ属多年草である。別名、アズキナ(あすき菜)[3]、フタバハギ[4][3]、タニワタシ[4]ともよばれる。和名の由来は、漢字で南天萩と書き、ナンテンの葉に似ていることから名付けられている[2][5][4]。別名のフタバハギは、小葉が2枚であることから二葉萩の意味である[5][4]中国名漢名)は歪頭菜[4][1]、歪頭葉[2]

分布・生育地

日本の北海道本州四国九州、およびサハリン朝鮮半島中国満州モンゴル東シベリアオーストラリアに分布する[2][5][4][6]。平地から低山地、丘陵地などの日当たりのよい草地や林縁、明るい林の林床、田畑のあぜ、土手などに群生し、ふつうに見られる[2][5][3]

特徴

野生の多年生の草本[2][4]。一つの株から多数の芽を出して、が根元から束になって生えて直立、または斜めに伸び、草丈が30 - 100センチメートル (cm) になり[5]、長く伸びると他の植物にもたれかかるようになる[7]。茎には稜がある[4]。地下には木質の太い根茎があり、そこから数本の茎が出る[2]

は直立した茎に互生し、卵形の小葉が2枚向かい合って1組になる複葉がつく[2][3]。小葉の形はナンテンに似ており、卵形から狭卵形、長さ4 - 7 cm、幅4.5 - 4 cmあり、先は鋭く尖る[2]。複葉の基部に2枚の托葉がある[7]。マメ科植物は葉の先が巻きひげになるものが多いが、ナンテンハギには巻きひげはほとんどない[5][7]

花期は初夏から秋(6 - 10月)で、葉のつけ根から出た花序に、紅紫色から青紫色の蝶形花をややまばらに10個ぐらいつける[2][5][3]。葉腋から出る総状花序は、基部で2つに枝分かれすることが多い[5]。花の長さは12 - 18ミリメートル (mm) [2]は筒状[7]。花には短い柄があり、その基部には長さ1 mmのがあるが、開花時には落ちてしまう[5]

果実豆果(莢)で扁平な狭楕円形、長さ2.5 - 3 cm、幅約6 mm、無毛で、熟すと茶褐色となり、3 - 7の種子が入る[2][5]。種子は球形から横楕円体で径約3 mm、黒褐色[2]。種皮はやや粗面で光沢はない[8]。線形のへそは、腹面の長さとほぼ同長[8]。結実率はあまりよくなく[7]、果実の種子数は不明[8]。成熟すると莢がはじけて、中の種子を勢いよく飛ばして散布する[7]。染色体数 2n = 12[2]

よく似た近縁種にヨツバハギVicia nipponica)がある[3]

利用

若芽や若葉は山菜として食用とする。観賞用に栽培されることもある[2]。主な品種にフジガエソウ (f. angusifolia Makino) がある[8]

中国では若葉や根を三鈴子とよんで、強壮に用いる[2]。また中国では歪頭菜と呼ばれ、根を含めた全草を乾燥させて煎じたものを漢方としている。目眩や疲労を緩和する効果があると言う[9]

食用

3 - 4月ごろの若芽、若葉、花が食用になる。若葉は各地で山菜として親しまれているため地方名がいくつかあり、アズキナやアズキハギと称して食べられている[4][7]。寒冷地では4 - 5月ごろが採取時期になる[3]。灰汁やクセがなく、まろやかな甘味と香味があり、昔から親しまれている[3]。さまざまな料理にも向き、さっと茹でてから水にさらしてお浸しや和え物、煮物、油炒めにするほか、薄く衣を付けて天ぷらにする[3]。佃煮にすると保存がきく。夏から秋の花は、軽く茹でて酢の物やサラダの彩りにする[3]

脚注

  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Vicia unijuga A.Braun ナンテンハギ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月10日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 堀田ほか編 1989, p. 1092.
  3. ^ a b c d e f g h i j k 金田初代 2010, p. 50.
  4. ^ a b c d e f g h i 邑田・米倉編 2012, p. 524.
  5. ^ a b c d e f g h i j 高橋秀雄監修 1990, p. 161.
  6. ^ 宮脇昭ほか編 1994, p. 549.
  7. ^ a b c d e f g ナンテンハギ(南天萩)(マメ科 ソラマメ属)”. 草花図鑑. 野田市. 2023年12月10日閲覧。
  8. ^ a b c d 中山・井之口・南谷 2002, p. 375.
  9. ^ 松村忍 (2015年5月21日). “ナンテンハギ/ナンテンハギ/なんてんはぎ/南天萩”. 庭木図鑑 樹木ペディア. 2023年6月25日閲覧。[出典無効]

参考文献

  • 金田初代、金田洋一郎(写真)『ひと目でわかる! おいしい「山菜・野草」の見分け方・食べ方』PHP研究所、2010年9月24日、50頁。ISBN 978-4-569-79145-6 
  • 高橋秀男 監修『野草大図鑑』北隆館、1990年4月30日。 ISBN 4832600613 
  • 中山至大、井之口希秀、南谷忠志『日本植物種子図鑑』東北大学出版会(仙台)、2002年2月25日。 ISBN 4-925085-29-8 
  • 掘田満ほか 編『世界有用植物事典』平凡社、1989年8月25日。 
  • 宮脇昭ほか編『日本植生便覧 改訂新版』至文堂、1994年10月10日。 ISBN 9784784301478 
  • 邑田仁・米倉浩司 編『APG原色牧野植物大図鑑I 〔ソテツ科~バラ科〕』北隆館、2012年4月25日。 ISBN 978-4-8326-0973-0 

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