エゾミソハギとは? わかりやすく解説

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蝦夷禊萩

読み方:エゾミソハギ(ezomisohagi)

ミソハギ科多年草薬用植物

学名 Lythrum salicaria


ミソハギ

(エゾミソハギ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/25 02:52 UTC 版)

ミソハギクロンキスト体系
ミソハギ
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ類 Rosids
: フトモモ目 Myrtales
: ミソハギ科 Lythraceae
: ミソハギ属 Lythrum
: ミソハギ L. anceps
学名
Lythrum anceps
Makino (1908)
和名
ミソハギ(禊萩)

ミソハギ(禊萩、学名:Lythrum anceps)はミソハギ科多年草

特徴

湿地や田の畔などに生え、また栽培される。日本(北海道から九州)および朝鮮半島に分布。の断面は四角い。は長さ数センチで細長く、対生で交互に直角の方向に出る。実生の若い葉は赤色に紅葉している[1]お盆の頃に紅紫色6弁の小さいを先端部の葉腋に多数つける。

名称・利用

鼠尾草 そびそうという別名があるが、これはアキノタムラソウの誤用漢名でもあるのでまぎらわしい[2]

盆花としてよく使われ、ボンバナ 精霊花 ショウリョウバナなどの名もある。ミソハギの和名の由来はハギに似て(みそぎ)に使ったことから禊萩、または溝に生えることから溝萩によるといわれる。祭事などに用いられるため、その関係の呼び名が豊富で、他にも「盆花」「精霊花」「霊屋草」などとも呼ばれる[3]

「千屈菜(みそはぎ)」は秋の季語である[4]。また、「千屈菜(せんくつさい)」として下痢止めなどの民間薬としてもちいられる[5]

ただし本来「千屈菜」(qianqucai)という漢名は、やはり収れん性止瀉薬として下痢に用いられてきたエゾミソハギ英語版L. salicaria)を指すのであり、現在ではこれはミソハギとは別種とされている[6][7][注 1][注 2]

栽培

浅い水中で、抽水植物としても、陸上の花壇でも問題なく成長する。いずれの場合も必ず日なたで育てる。鉢植えの場合は腰水にするか、池や水槽に沈める。そのため、用土には、水もちのよい泥質の土を使う。水深は鉢の表土の上3~7cmが目安。庭植えの場合は、表土が乾いたら水を与える。

植替えの適期は2月から3月頃で、毎年か1年おきに行う。庭植えの場合は3年に1回掘り上げて、植え直す。

増やしたい場合は、植替えの際に株分けを行う。また、5月から6月に、新芽の先端部分を切り取って、挿し芽を行って増やすこともできる。種で増やす場合、種蒔きの適期は2月から3月頃。あらかじめ湿らせた川砂等に混ぜて冷蔵庫の野菜室に1か月ほど保管してから蒔くと、発芽が揃う。順調に生育すると、種を蒔いた年の8月に開花する[11]

近縁種

近縁のエゾミソハギ (L. salicaria) はミソハギより大型で、葉の基部が茎を抱き、毛が多い。九州以北の各地や、ユーラシア大陸や北アフリカにも広く分布する。欧米でも観賞用に栽培され、ミソハギと同様に盆花にもされる。世界の侵略的外来種ワースト100 (IUCN, 2000) 選定種の一つである。

脚注

注釈

  1. ^ ミソハギの中国語名は「光千屈菜guangqianqucai[7]、あるいは「日本千屈菜[8]
  2. ^ 19世紀末までミソハギもS. salicariaと記載されてい[9]、別種と認識されていなかった。牧野富太郎が1898年に別種S. ancepsと発表している[10]

出典

  1. ^ 亀田龍吉『落ち葉の呼び名事典』世界文化社、2014年10月5日、89頁。ISBN 978-4-418-14424-2 
  2. ^ そび‐そう ‥サウ【鼠尾草】」『精選版 日本国語大辞典』https://kotobank.jp/word/%E9%BC%A0%E5%B0%BE%E8%8D%89-1766607  @kotobank
  3. ^ 瀧井康勝『366日誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、288頁。 ISBN 978-4529020398 
  4. ^ 季語季題よみかた辞典』日外アソシエーツ、1994年7月、24頁https://books.google.com/books?id=5sOxAAAAIAAJ&q=千屈菜 
  5. ^ 日本大辞典刊行会 編『日本國語大辞典』 18巻、小学館、1972年、327頁https://books.google.com/books?id=QB9bAAAAMAAJ&q=千屈菜 
  6. ^ 牧野富太郎我が思ひ出(遺稿): 植物隨筆』北隆館、1958年、30頁https://books.google.com/books?id=juY9AQAAIAAJ&q=anceps 
  7. ^ a b 岡田, 稔 著、和田, 浩志、寺林, 進、近藤, 健児 編『原色牧野和漢薬草大圖鑑』(新訂)北隆館、2002年、327頁https://books.google.com/books?id=iDsQAQAAMAAJ&q=anceps 
  8. ^ 汉朝植物名称词典. 辽宁人民出版社. (1982). p. 518. https://books.google.com/books?id=X4hnAAAAIAAJ&q=anceps 
  9. ^ 松村, 任三本草辞典: 和漢洋対訳』敬業社、1892年、174頁https://books.google.com/books?id=juY9AQAAIAAJ&q=anceps 
  10. ^ 牧野富太郎Plantae Japonenses novae vel minus cognitae』152 、1898年、30頁https://books.google.com/books?id=cQolAQAAMAAJ&pg=PA50 
  11. ^ ミソハギの育て方・栽培方法”. 植物図鑑|みんなの趣味の園芸. NHK出版. 2025年10月11日閲覧。

外部リンク




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