デネの人々とは? わかりやすく解説

デネの人々

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 21:11 UTC 版)

ベーオウルフの登場人物の一覧」の記事における「デネの人々」の解説

アッシュヘレschere) フロースガール王の相談役であり、王と肩を並べて戦った経験を持つ戦士でもある。他人に手を差し伸べることを惜しまない貴族理想像として描かれるが、グレンデル復讐のためにその母親がヘオロットを襲撃し逃走するに連れ去られ、彼女の住処食い殺された(殺された後に遺体持ち去られたとする訳もある)。フロースガール自身が特に目にかけていたアッシュヘレ殺されたことを深く嘆き悲しむ。後にグレンデルの母親住処の傍でアッシュヘレ頭部発見され彼の死は確定的となる。その年齢について、1405行では「若い従士」(mago-þeġna)とするが、2122行では「老顧問」(frōdan fyrn-witan)とする。(1323-1329行、1402-行、1417-行、2122-行) ウェアルフセーオウ(Wealhþeow) フロースガールの妻。夫との間に王子フレースリーチフロースムンド王女フレーアワル儲ける。ベーオウルフは彼女を「民族間の平和の保証たる方」(friðu-sibb folca)(2017行)と呼んでおり、フロースガールとの婚姻政略結婚性質備えていた事が窺える(en:peace-weaver)。あるいは「ウェアルフセーオウ」の名は「外国奴隷」とも解釈できる人工的な印象の名であり、略奪婚であったのかもしれない。その出身について写本ではヘルミング一門の出(620行)とされており、異説もあるもののウュルヴィング族の支配者層血筋考えられるフロースガールとの関係は良好であったが、ベーオウルフグレンデルからヘオロットを解放したのち、この館が焼け落ちた頃には両者の関係冷えてたようだ。(612-641行、664行、1162-1232行、1215行、2172-2175行) ウルフガール(Wulfgar) ウェンデル人の長。フロースガール王の廷臣でもあり、その博識ぶりで名高いウンフェルス(Unferð) フロースガール廷臣写本においては彼の名は一貫してHunferðと記述されているが、Unferðと校訂するのが主流である。 エッジウェラ(Ecgwela) 詳細不明デネの王。ヘレモード先祖。(1710行) エッジラーフ(Ecglaf) ウンフェルス父親。(499行、590行、980行、1465行、1808行) オネラの妻 写本62行目にはデネ王家所縁女性がスウェーオンのオネラへと嫁いだ思われる記述があるが、彼女の名は欠落している。フローズルフ母親であるユルゼ(Yrs(e))とするのが多数派であるが、ウルスラとする者もある。 シュルド(Scyld) シェーフの子シュルドベーオウ父親幼子の頃、シュルド多く捧げ物と共にただ一人船に乗せて流されデネの地に漂着する。彼を発見したデネの人々に守り立てられたシュルドはこの地で覇を称え、後の王家の祖となる。彼が崩御した際には、遺言通り彼の遺体財宝載せた船が海へと流された(舟葬)。(4-26行) 『アングロサクソン年代記』にはシュルド系譜残されている。これによればシェーフはノアの子であり、シュルドはシェーフの七代目の子孫でベーオウという息子持った一方、エゼルウェルド(英語版)の『年代記』 (Chronicorum libri quatuor) やマームズベリのウィリアムの『歴代イングランド王事績英語版)』はシュルドの親をシェーフとしている点では『ベーオウルフ』と同様であるが、漂着した過去を持つ王をシュルドではなくシェーフとしている点で異なる。 ハールガ(Halga) フロースガールの弟でありフローズルフの父。『ベーオウルフ』内での言及少ないが、北欧伝承ではフロースガールよりも活躍しており、『エッダ』の『フンディングを殺せヘルギの歌』ではデネ族の代表的人物として扱われている。 フレーアワル(Freawaru) フロースガール王とウェアルフセーオウ女王娘。ヘアゾベアルド(英語版)人の王インゲルドの妻。 フレースリーチ(Hreðric) フロースガールウェアルフセーオウ長男フロースムンドフレーアワルの兄。フローズルフ従兄弟にあたる。『ベーオウルフ』ではフレースリーチは名が触れられるだけであり特別な役割を果たすことはない。(1189行、1836行) 『デンマーク人の事績』によればフレースリーチ相当するレーリクスはフローズルフ相当するロルウォに殺されている。 フロースガール(Hroðgar) デネの王でありウェアルフセーオウの夫。 『ロルフ・クラキのサガ』や『デンマーク人の事績』ではフローアルル、ローエという名で呼ばれている。 フロースムンド(Hroðmund) フロースガールウェアルフセーオウ次男フレースリーチの弟でありフレーアワルの兄。『ベーオウルフ』ではフロースムンドは名が触れられるだけであり特別な役割を果たすことはない。(1189行) フローズルフ フロースガールの甥。北欧伝承ではロルフ・クラキ、ロルウォといった名で呼ばれている。 ヘアルフデネ(Healfdene) フロースガール父親であり先の王。 『スキョルドゥンガサガ』のアルングリーム・ヨーンスソン(英語版)による要約 Rerum Danicarum Fragmenta によるとヘアルフデネ母親はスウェーオン王の娘であり、「半デネ」というヘアルフデネの名の由来説明することが可能である。 ヘアロウェアルド(Heoroweard) ヘオロガール息子でありフロースガールの甥にあたる。北欧伝承におけるヒョルワルド。父であるデネの王ヘオロガール崩御した際、ヘアロウェアルドは僅か10歳であった。従って王位王弟であるフロースガール継承することとなったまた、フロースガールグレンデルとその母親退治褒賞としてベーオウルフヘオロガール遺品である鎧を下賜してしまった。(2155-2162行) 叙事詩『ベーオウルフ』においては彼への言及少ないが、ヘアロウェアルドとその従兄弟であるフローズルフ戦いは有名であり、当時『ベーオウルフ』聴衆にとってはヘアロウェアルドの名を聞いただけで後のフローズルフ殺し連想されるほどであったとする説もある。『ロルフ・クラキのサガ英語版)』では、フローズルフ相当するロルフ・クラキはヒョルワルドに殺されるが、ヒョルワルドもまたロルフ部下であるウィツゴに騙し討ちされる。 ヘオロガール(Heorogar) フロースガール王の兄であり、先王でもあった。ヘアロウェアルドの父。(61行、467行、2158行) ヘレモード(Heremod) 初期デーン人の王。ヘレモード追放されて生じた王の不在期間にシュルド流れ着いたのだと考えられる『ベーオウルフ』では彼とシュルドの間には血統はないが、マームズベリのウィリアムの『歴代イングランド王事績』ではシュルド祖父『アングロサクソン年代記』『エッダ』序詞、『系譜』(Langfeðgatal)ではシュルド父親とされる『デンマーク人の事績』登場するスキョルドゥスの父親である暴君ローテルスは『ベーオウルフ』におけるヘレモード描写類似点が多い。Scondia illustrataにおいてもディン人の王ローテルスが暴政のあまり追放されている。。 ベーオウ(Beow) シュルドの子でありデーン人初期の王写本には彼の名はベーオウルフ記されており、叙事詩主人公同名別人ということになるが、史実照らし合わせ結果ベーオウ誤記であるとする説が主流である。 ユルメンラーフ(Yrmenlaf) アッシュヘレの弟。(1324行)

※この「デネの人々」の解説は、「ベーオウルフの登場人物の一覧」の解説の一部です。
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