タレントに対する性的行為についての報道と裁判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 14:15 UTC 版)
「ジャニー喜多川」の記事における「タレントに対する性的行為についての報道と裁判」の解説
「ジャニーが同性愛者であり、事務所に所属する男性タレントに対して猥褻な行為を行っている」との噂は、1960年代から散発的に報道されていた。 元フォーリーブスの北公次による『光GENJIへ』シリーズ(データハウス、1988年) 元ジューク・ボックスの小谷純とやなせかおるによる『さらば!!光GENJIへ』(データハウス、1989年) 元ジャニーズの中谷良による『ジャニーズの逆襲』(データハウス、1989年) 平本淳也による『ジャニーズのすべて―少年愛の館』(鹿砦社、1996年) 豊川誕による『ひとりぼっちの旅立ち - 元ジャニーズ・アイドル 豊川誕半生記』(鹿砦社、1997年3月) 元光GENJI候補の木山将吾(山崎正人)による『SMAPへ - そして、すべてのジャニーズタレントへ』(鹿砦社、2005年) など、事務所に所属したタレントらにより事務所の内情を取り上げたいわゆる「暴露本」が出版された。1988年(昭和63年)- 1989年(昭和64年/平成元年)に『噂の眞相』がこの問題を数回取り上げた。なお、自民党衆議院議員(当時)・阪上善秀(元・兵庫県宝塚市長)が2000年(平成12年)4月13日にこの問題を衆議院で取り上げている。 2021年には新事実が発覚。ジャニーズJr.だった人物が1月2日にインタビューに答えた内容としては、、ジャニー氏とジャニーズJr.の何人かが性的な関係をもっており、自ら望んでジャニー氏と肉体関係を持つJr.もおり、背景にはジャニー氏がタレントのデビューに関して強い決定権を持っていた権力構造があると証言している。その人物は2011年に入所しており、計算上は2010年代にも行われていたということになる。 週刊文春への民事訴訟 1999年(平成11年)、『週刊文春』がジャニーズ事務所に関する特集記事、「ホモセクハラ追及キャンペーン」を掲載し、喜多川が所属タレントに対して同性愛行為を行い、事務所では未成年所属タレントの喫煙などがあると報道した。これらの記事は衆議院の特別委員会でも取り上げられ、これに対しジャニー側は記事が名誉毀損であるとして、文春に対し1億円あまりの損害賠償を要求する民事訴訟を起こした。 2002年(平成14年)3月27日の一審判決では東京地裁は文春側に880万円の損害賠償を命じた。文春側はこれを不服として東京高裁に控訴した。2003年(平成15年)7月15日の二審判決では、「ジャニーが少年らに対しセクハラ行為をしたとの証人少年A、同少年Bの各証言(出廷し証言)はこれを信用することができ、これらの証拠によりジャニーが、少年達が逆らえばステージの立ち位置が悪くなったりデビューできなくなるという抗拒不能な状態にあるのに乗じ、セクハラ行為をしているとの本件記事は、その重要な部分について真実であることの証明があったものというべきである」としてジャニーによる所属タレントへの同性愛行為を認定した(矢崎秀一裁判長)。このため、同性愛部分の勝訴は取り消され、損害賠償額は120万円に減額された。ジャニー側は損害賠償額を不服として最高裁に上告したが、2004年(平成16年)2月24日に棄却され(藤田宙靖裁判長)、120万円の損害賠償とジャニーによる所属タレントへの同性愛行為の認定が確定した。 『ニューヨーク・タイムズ』、『オブザーバー』などの世界各国のメディアでも取り上げられ、この問題をタブー視するなどして報道しない日本のマスメディアの姿勢を指摘した。 死後の報道 ジャニー喜多川の死去後、海外メディアはジャニー喜多川の訃報を報じる一方で、性虐待についても触れている。イギリスのメディア「BBCニュース」は過去、事務所に所属していた少年たちから性的虐待の告発が繰り返されたと掲載。また、日本のTV等の大手メディアではタブー視され報じられないことについても掲載。フランスの「AFP」は事務所に集まった少年たちを虐待していたという疑惑も浮上したと報じている。アメリカの「ニューヨーク・タイムズ」では少年たちへの性虐待を認めた東京高裁判決にも触れている。 日本では週刊文春が2019年7月25日号で「本誌しか書けない稀代のプロデューサーの光と影 ジャニー喜多川審美眼と「性的虐待」」と題し新証言を報じている。嵐のメンバーと同年代の元ジャニーズJr.が、ジャニー喜多川の誘いに抵抗したらステージの隅に追いやられたこと、ファーストキッスはジャニー喜多川だったことなどをインタビューで答えている。 2021年1月2日には元7 MEN 侍のメンバーだった前田航気が海外向けエンタメニュースサイト「ARAMA!JAPAN」でのインタビューでジャニー喜多川が最晩年まで同性愛行為を続けていたことを証言しており、中にはジャニー喜多川と自ら性交渉するJr.メンバーが複数人いたことも明かしている。
※この「タレントに対する性的行為についての報道と裁判」の解説は、「ジャニー喜多川」の解説の一部です。
「タレントに対する性的行為についての報道と裁判」を含む「ジャニー喜多川」の記事については、「ジャニー喜多川」の概要を参照ください。
- タレントに対する性的行為についての報道と裁判のページへのリンク