スタンドアロン版ゲームの形成(2017〜2018年)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 08:42 UTC 版)
「バトルロイヤルゲーム」の記事における「スタンドアロン版ゲームの形成(2017〜2018年)」の解説
バトルロイヤルジャンルの形成要素は2017年以前に確立していたが、このジャンルは『PUBG』とその後の『フォートナイト バトルロイヤル』の2つの主要作品によって定義づけられ2017年から2018年を通して成長していった。両作は短期間に数千万人のプレイヤーを獲得し、商業的な成功を収めた。ハンドルネーム「PlayerUnknown(英語版)」(ブレンダン・グリーン)が開発した『PlayerUnknown's Battlegrounds (PUBG)』はARMA 2/DayZ用の「Battle Royale mod」(2013年リリース)をベースとしている。このmodは2000年の日本の映画『バトル・ロワイアル』から発想を得たものである。映画では多くの生徒が島に連れて行かれ、最後の1人になるまで互いに戦わされるというストーリーで、Modの名前の由来となった。グリーンは自身の作品をハンガー・ゲームに影響を受けた他のModと差別化するため、中央の倉庫に武器を配置せず、マップ周辺にランダムに配置するよう設計した。DayZチームが彼らのゲームを独立した作品として公開することを決めた時、グリーンは『ARMA 3』用にこのモードをアップデートした。グリーンはそのフォーマットを『H1Z1: King of the Kill』のコンサルタントとして採用し続け、その後、韓国のビデオゲーム開発企業であるBlueholeでバトルロイヤルジャンルの彼のビジョンを体現したPUBGのクリエイティブデベロッパーに就任した。PUBGは2017年3月の早期アクセスでの発売が大きな注目を集め、17年末までに2000万本以上を販売し、このジャンルを定義するゲームとみなされた。さらに2017年9月には、PUBGの同時接続数が134万8374人になり過去の最高記録を更新した。この爆発的な成長と、本作によるバトルロイヤルジャンルの確立は、2017年のコンピュータゲーム業界のトップトレンドの一つと考えられた。 PUBGの発売前から直後まで、他の開発者のゲームはよく遊ばれたバトルロイヤル風のmod及び2012年に最初に公開された映画シリーズ『ハンガー・ゲーム』の人気からインスピレーションを得ていた。Studio Wildcardによる『ARK: Survival Evolved』は2015年7月にEスポーツトーナメントで使用されるように調整された「適者生存」モードを導入した。本モードは2016年に独自の基本無料ゲームとして一時的にプレイできるようになっていたが、開発者はゲーム全体のメンテナンスを容易にするために本編にそのモードを統合することを選択した。PUBGの人気はバトルロイヤルジャンルへの新たな関心を作り出した。PUBGの発売後、すぐにPUBGの基本的なゲームプレイをコピーした数々のゲームが中国で登場した。特に、PUBGが使用しているアンリアルエンジンも所有しているEpic Gamesが開発したサバイバルゲーム『フォートナイト』は2017年9月にフォートナイトの手法をベースとした基本プレイ無料のバトルロイヤルモード『フォートナイト・バトルロイヤル』をリリースした。このゲームはPUBGと同規模のプレイヤー数が集まり、2017年11月までにEpic Gamesは2000万人のユニークプレイヤーがいると報告した。BlueholeはPUBGのクローンであるということより、むしろ彼らはPUBGのアンリアルエンジンの技術サポートでEpic Gamesと協力していたことから、彼らはフォートナイトがPUBGに導入する前に予定された機能にバトルロイヤルモードを搭載できる可能性を懸念していた。PUBGコーポレーションは『フォートナイト・バトルロイヤル』がPUBGの著作権を侵害していると主張し韓国でEpicを提訴したが、後に提訴を取り下げている。 2018年、フォートナイトは基本無料プレイモデルでのリリースされたこととクロスプラットホームに対応したことが寄与し収益面でPUBGを上回り、PUBG製作者のグリーンはフォートナイトがバトルロイヤルジャンルを成長させていると認めた。また、Twitch配信者のNinjaが有名ラッパーのドレイクやトラビス・スコット等とコラボしたフォートナイトの配信がTwitchの同時視聴数記録を更新し同作の人気は更に高まっていった。1月には累計プレイヤー数が4500万人、2月には同時接続プレイヤーが340万人となるほどの人気を博したことでEpic Gamesは「世界最大のPC/コンシューマーゲーム」と呼ばれるようになった。Polygonは同作を「2018年で最もビッグなゲーム」「本当の文化現象」と述べた。 2017年にはネットイースの『Rules of Survival』『荒野行動』の他、Garenaの『Garena Free Fire』などの他のバトルロイヤルゲームも主にアジアで人気を博し、それらのゲームは2018年までに数億人のプレイヤーを獲得している。 日本でも2017年2月28日にバトルロイヤルのモバイルゲーム『BTOOOM!オンライン』がリリースされた。同作は2009年の漫画『BTOOOM!』が原作であり『バトル・ロワイアル』から着想を得ていた。リリース当初はモバイルゲームの売上ランキングにランクインするなど一定の成功を収めたが、2019年3月29日を持ってサービスを終了している。
※この「スタンドアロン版ゲームの形成(2017〜2018年)」の解説は、「バトルロイヤルゲーム」の解説の一部です。
「スタンドアロン版ゲームの形成(2017〜2018年)」を含む「バトルロイヤルゲーム」の記事については、「バトルロイヤルゲーム」の概要を参照ください。
- スタンドアロン版ゲームの形成のページへのリンク