グラムとキログラムとは? わかりやすく解説

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グラムとキログラム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 09:59 UTC 版)

キログラム」の記事における「グラムとキログラム」の解説

グラム(英語: gram, 仏語: gramme, 記号: g)は質量の単位であり、SIにおいてはキログラム1000分の1 (10−3 kg) 」と定義されている。「キログラム」は、明らかにグラムSI接頭語キロ(kilo-)を付けたのである。しかし、SIにおいてはグラムではなくキログラム基本単位となっており、グラムその分単位一つとされている。 グラムではなくキログラムSI基本単位とされたのは、以下のような経緯があるからである。 フランスにおいて1789年革命勃発した後、国王ルイ16世新し時代度量衡単位策定を、アントワーヌ・ラヴォアジエニコラ・ド・コンドルセピエール=シモン・ラプラスジャン=シャルル・ド・ボルダアドリアン=マリ・ルジャンドルなど主に科学者達構成され委員会委嘱した。その委員会において、質量単位モデルとして1メートル10分の1(= 10 cm)で構成され立方体の升に入った水の質量、すなわち1リットル大気圧下で氷の溶けつつある温度(0度)におけるについて、graveグラーブ記号G)と名称が与えられ質量単位標準とすることが提案された。その語源gravity重力)から由来したのである当初は、この graveグラーブグラーヴ)を質量基本単位とした原器作られる予定であった。またこれを元として、1 grave1000分の1を別の質量単位名で、仏語 grammeグラム)ないし gravet(グラベト、グラヴェト)、また1 grave1000倍を別の質量単位名を用いて tonne(トン)ないし barバー)と称するように名称が考案されたりもした。そしてやがて来るフランス革命の波に襲われ科学者達研究途中で中断するが、その後新し革命政府樹立されると再びメートル法注目されるようになった。しかしそのフランス革命の後、質量の単位大きな転機迎えることとなる。 1795年の(暫定メートル法制定当初革命後の共和政府が当初質量基本単位grave から、その1000分の1を表す gramme へと変更したのである理由諸説あるが、有力な説一つとして、1 grave という大きさ質量当時メートル法以前の昔から使われてきたいくつかの質量の旧単位比較しても、大きな単位であるということがある。そのためフランス科学者達は、グラーブ日常的に使う質量単位としては大きすぎるであろう危惧しフランス共和政と共に質量基本単位は1グラーブ1000分の1である「1グラム質量基本単位とすべき」と決定したという説があるが、真相定かではない。 しかし、質量基本単位を1グラムとすると非常に使い勝手悪くとりわけ1グラム定義した、(1円硬貨ほどの大きさを持つ)原器作るにはあまりにも小さすぎた。そこで共和政府は基本単位とした1グラム1000倍、すなわち当初の予定通り1 grave質量原器作ることを決めたわけであるが、その名称が使われることはなく、グラム1000倍を表すために接頭語キロ (k)付けた名称、"キログラム (kg)"の名前を冠した原器作ることと決めた。これはあくまでも質量基本単位グラムにしたことに起因する。こうして当初質量単位 graveグラーブ)の名称は姿を消したのである。 これが後の1799年作成された「確定キログラム原器となった。こうしてメートル法制定当初長さの単位を m(metre; メートル)、質量の単位を g(gramme; グラム)とした基本単位ができ上がった。しかし、メートルグラムとではその規模異なる。すなわち、「数グラム質量を持つものは、数センチメートル台の大きさ」であることが多く逆にメートルで測られる大きさを持つものは、キログラム台の質量を持つ」ことが多い。そのため、メートル代わりにセンチメートル採用しセンチメートル(英語:centimeter; 仏語: centimetre)・グラム(英語: gram; 仏語: gramme)・秒(英語: second; 仏語: seconde)を基本単位とする単位系構築されるようになった。これがCGS単位系である。 しかし、電磁気学発展に伴いCGS単位系では不都合生じようになったCGS単位系元に電磁気学の単位作ると、値が大きくなってしまう。これは、電磁気学現象記述するには、センチメートル・グラムでは小さすぎるということである。そのため、科学使われる単位系主流はメートル・キログラム・秒を基本単位とするMKS単位系へと移行したまた上記に記され1889年キログラム新定義により、それ以降メートル法において質量基本単位としての礎を築いたMKS単位系を更に発展させた国際単位系(SI)においても、キログラム基本単位として引き継がれている。 キログラム分量・倍量単位SI接頭語は、キログラムではなくグラム基準にして付けられる。これは、SIでは二重SI接頭語付けることを禁じているためである。そこで、キログラム基準としてSI接頭語付けられるように、キログラム代わる新たな単位名称を付けようという提案何度なされている。quilo(記号:q)や kilon(記号:k)といったものが提案されているが、正式に議論かけられたものは、現時点ではない。

※この「グラムとキログラム」の解説は、「キログラム」の解説の一部です。
「グラムとキログラム」を含む「キログラム」の記事については、「キログラム」の概要を参照ください。

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