ガザ本格侵攻後の殺人事件の進展
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「ガザ侵攻 (2014年)」の記事における「ガザ本格侵攻後の殺人事件の進展」の解説
この項目では、7月8日のガザ侵攻本格化以降のイスラエル人3少年殺人事件・パレスチナ人少年殺人事件の進展について扱う。ガザ侵攻の経過は#侵攻開始後の経過を参照。 7月25日、イスラエル警察のローゼンフェルド報道官は、犯行はハマースとは無関係の「孤独な細胞」による物だったと談話を発表した。その後、ローゼンフェルドは談話を修正し「ハマースからの直接の命令は無かったが、依然として協力者なのは明白だ」とした。 7月28日、イスラエル人少年被害者の両親が地元紙の取材に答え、「誘拐事件とガザ侵攻はつながっている。事件を通じて私たちに寄せられた支援がいま、ガザに向かう兵士の力になっている。私たちが強く団結している限り、敵は私たちを打ち負かすことはできない」「息子の死が人々の命を救ったのであれば尊いことだ」と述べた。一方、パレスチナ人少年被害者の父親は『毎日新聞』の取材に、事件前夜にもパレスチナ人男児の誘拐未遂事件があったと指摘し、「パレスチナ人が被害者なのでイスラエル警察はまともに捜査せず、息子の事件を防げなかった。救える命を救わなかったのだ」とイスラエルを批判した。[要出典] イスラエル警察は、ハマース関係者2人が事件後に姿を消したことから、ハマースの犯行と断定し、被疑を明らかにしないまま600人以上を逮捕し、ハマースの関係先を徹底して破壊したという。 イスラエル人少年殺人事件は、ヘブロン(パレスチナ自治区・ヨルダン川西岸地区)のカワスメ一族の犯行という噂があった。8月5日、イスラエル警察はヘブロンのホッサム・カワスメを被疑者として逮捕していたことを発表した。7月11日に東エルサレムのアラブ人地域、シュアファト地区で治安部隊が拘束したが、今まで発表していなかった。警察によると、カワスメは「ガザ地区のハマス工作員から資金援助を受けて武器を調達した」と自供したという。また、イスラエル当局発表として、カワスメ自身をハマース工作員とする報道もある。また、イスラエル警察はマルワン・カワスメとアマール・アブ・アイシャを共犯者として指名手配している。 8月22日、ハマース政治局のサレフ・アルリはCNNの取材に対し、ハマースの武装集団が犯行に及んだことを認めた。アルリはハマース指導部・軍事部門は犯行を知らされておらず、承諾も行っていなかった主張した。 また、同日までにハマースのマシャアル政治局長はヤフーニュースのインタビューで、ハマースのメンバーが殺害に関与したことを認めた。ただ、事前には知らなかったと主張した。また、イスラエルの不法占拠に対する「正当な行動」と犯行を擁護した。また、ネタニヤフ首相の「ハマースはISILのような物であり、ISILはハマースのような物である」という発言について聞かれ、「嘘」「(アメリカ国民の)トリック」と言下に否定した。 9月22日夜から9月23日未明に掛け、イスラエル国防軍・イスラエル総保安庁(シンベト)は、ヘブロンに潜伏していたパレスチナ人被疑者2名(アイシャとカワスメ)を殺害したと発表した。発表によると、イスラエル側はヘブロンの民家に潜伏していた2人を急襲し、銃撃戦の末殺害したという。またイスラエル総保安庁は、殺害した2人の潜伏を助けたとされるパレスチナ人を、少なくとも3人拘束したと発表した。[要出典] 一方、パレスチナ自治政府の治安機関長官は、イスラエル側が「(市民を)殺害し家屋を破壊する作戦を実行した」と非難した。パレスチナ治安部隊は、被疑者の居場所について全く知らず、「(パレスチナが支配しているはずの)この地域にイスラエル軍がどうやって進入できたのかも分からない」と話した。 ハマースの報道官は、「2人は生涯をかけた犠牲と献身により殺害された」と述べ、事件への関与を初めて公式に認めた。また、カワスメの母親は、地元ラジオ局のインタビューで「息子はアラーの御名において自分の命を犠牲にした」と語った。一方、イスラエルのネタニヤフ首相は23日の閣議前の演説で「正義は下された」と語った。 国境なき医師団(MSF)が現地報道として伝えたところによると、イスラエル軍は西岸地区全域で大規模な捜索活動を展開し、900人以上を逮捕した。また、国境なき医師団によると、逮捕した14歳の少年を一晩中殴打したり、息子を逮捕した家にたびたび侵入し、「息子の犯した罪は家族の連帯責任だ」と主張した事例があったという。
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