カートレイン専用車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 07:02 UTC 版)
「国鉄ワキ10000形貨車」の記事における「カートレイン専用車」の解説
旅客の移動手段としての自動車を同乗者とともに輸送する「カートレイン」に使用するため、1985年(昭和60年)から合計36両が改造された。改造対象はすべて後期形で、車両番号の変更はない。改造時期・使用条件により以下のとおり仕様の差異がある。 初期改造車 汐留 - 東小倉間に設定された「カートレイン」に使用する車両で、1985年(昭和60年)に8両が改造され、翌1986年(昭和61年)に「カートレイン九州」編成増強用として17両が改造された。施工は国鉄大宮工場である。 乗用車の積卸を側面から行うため、室内の側柱1組を撤去し、残存の側柱を移設して等間隔の3室構造に改装した。側柱の減少に伴い、強度確保のため台枠の側梁に補強部材を追加している。床面には専用パレットの固定金具を、妻面上部には通風孔を設けた。20系客車との併結運用となるため、連結面の配管・ジャンパ栓は客車にあわせ配置を変更した。 外部塗色は種車の黄緑6号を青15号(濃青色)に変更し、側面には「カートレイン」のシンボルマークが表示された。 積卸は専用のパレットに乗用車を自走で積載・固定し、パレットごとフォークリフトで荷役を行う。改造した本形式1両に乗用車3台を積載できる。 青函トンネル通過対応車 青函トンネル開通に伴って設定された津軽海峡線経由の「カートレイン北海道」に使用する車両で、1988年(昭和63年)に18両が改造された。所属の内訳はJR東日本が9両(うち廃車復活2両)JR北海道が9両(すべて廃車復活)である。 乗用車積載に対応する基本仕様は初期改造車と同一で、青函トンネル区間の通過規制に対応して、室内天井に煙感知器とスプリンクラーを設けている。 自走荷役対応車 「カートレイン北海道」の廃止後、JR北海道が1997年(平成9年)から運行した「カートレインくしろ」に使用中の車両について、対応車種拡大のため再改造を施した車両である。1998年(平成10年)に苗穂工場で6両が改造された。 車両寸法の大きい RV を積載可能とするため、積卸方式を自走式に変更している。編成の端から乗用車を乗り入れ、連結された車両間を走行させて所定の位置に積付けするもので、車運車ク5000形と同一の荷役方式である。 妻面に出入口となるシャッター付の開口部を設け、床面には乗用車走行用の鋼板製車輪ガイド・隣車への通り抜けに用いるアルミ合金製の渡り板を追設した。車内側面には運転者用の通路も設けている。これら追加改造のため、1両あたりの積載能力は2台に減少している。 改造施工車は次のとおり。ワキ10153, ワキ10157, ワキ10162, ワキ10163, ワキ10164, ワキ10188
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