エンシエロの進行
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スペインでもっとも人気があるエンシエロはナバーラ州の州都パンプローナのものであり、30年以上にわたってスペインの国営放送であるRTVEが全国放送している。パンプローナのエンシエロはサン・フェルミン祭でもっとも重要な行事であり、7月7日から7月14日の朝8時に毎日開催される。18歳以上であること、牡牛と同じ方向に走ること、牡牛を扇動しないこと、酩酊状態で参加しないことなどの規則が定められている。パンプローナでは、人間が避難するのに十分な二重の木製柵が通りに設置される。この柵は約3,000のパーツからなり、いくつかのパーツは祭礼の期間中はそのまま残されるが、それ以外のパーツは毎朝組み立てられてエンシエロ終了後に解体される。 エンシエロの開始前、参加者は壁に設置された聖フェルミンの像に向かって、讃美歌を3度、それぞれカスティーリャ語とバスク語で歌う。聖フェルミンはパンプローナ市の守護聖人であり祭礼の守護聖人でもある。カスティーリャ語版は「A San Fermín pedimos, por ser nuestro patrón, nos guíe en el encierro dándonos su bendición」(エンシエロの最中に我々を導き、祝福を与えるよう、守護聖人である聖フェルミンに請う)と歌われる。歌手が「ビバ、サン・フェルミン、ゴラ、サン・フェルミン」(ビバはカスティーリャ語、ゴラはバスク語で、それぞれ「サン・フェルミン万歳」の意味)と叫んで讃美歌が終わる。多くの参加者は白色のシャツ・赤色のベルト・赤色のネッカチーフからなる伝統衣装を着用し、牡牛の注意を引くために新聞を握りしめる者もいる。 午前8時ちょうどに第1の花火が打ち上げられ、囲い場のゲートが開かれて闘牛6頭が走りだす。第2の花火は6頭の去勢牛が放たれる合図である。第3の花火と第4の花火は牡牛12頭すべてがパンプローナ闘牛場に入り、エンシエロが終了したことを意味する。第1の花火が打ち上げられてからエンシエロが終了するまでの平均時間は4分間である。群れは6頭の闘牛(主に黒色)と6頭の去勢牛(主に白色と茶色)の計12頭からなり、さらに2分後には3頭の去勢牛が囲いから放たれる。6頭の去勢牛の役目は12頭の群れを誘導することである。群れの平均速度は24km/h(15mil/h)である。 スタート地点の囲い場からゴール地点のパンプローナ闘牛場までは826m(903yd)である。旧市街地の4つの通り(サント・ドミンゴ通り、パンプローナ市庁舎前広場、メルカデレス通り、エスタフェタ通り)、パンプローナ闘牛場に入る前のテレフォニカと呼ばれるセクションを走る。もっともスピードの速い部分はサント・ドミンゴ通りから市庁舎前広場にかけてである。エスタフェタ通りの入口ではしばしば牡牛の群れが分断され、また速度も遅くなる。
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エンシエロの進行
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「サン・フェルミン祭」の記事における「エンシエロの進行」の解説
エンシエロ前日の23:00頃には、飼育場から待機場に雄牛が移動(エンシリーリョ)させられる。この際に市民が雄牛の前を走ることはないが、1000人以上が深夜の移動を見守る。 エンシエロが行われる日の早朝には、ガイタ(バグパイプ)の楽団が市中を練り歩いてエンシエロの開始を告げるディアナスが行われる。参加者(コンドレス)は早くからスタート地点のサント・ドミンゴ通りに集まり、壁の隙間に設置された聖フェルミンの小さな彫像の前で聖歌を三度歌い、無事に走りきれることを祈願する。8:00にエンシエロが開始され、第1の花火に火が付けられて囲い場から闘牛6頭を放たれる。1924年以前は6:00に開始されており、1924年から1974年は7:00に開始されていた。 第2の花火で別の雄牛6頭が囲い場から放たれると、雄牛6頭が闘牛6頭をうまく誘導し、また緑色のTシャツを着て長いポールを持った牛飼いにも追い立てられる。スタート地点からサント・ドミンゴ通りの坂を駆け上がると、市庁舎前の緩やかなカーブを抜け、メルカデレス通りとエスタフェタ通りの間では鉤型に曲がる。エスタフェタ通りの約400mの直線を上り、電話局を過ぎるとゴールのパンプローナ闘牛場がある。すべての雄牛・闘牛が闘牛場に入ると、第3の花火が鳴らされる。12頭の牛が囲い場に収容された時に第4の花火が鳴らされ、これによってエンシエロは結びとなる。エンシエロ後には角をクッションで保護された若い牛が闘牛場内に放たれ、群衆は素人闘牛を楽しむ。
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