アウグストゥスによるローマの整備とは? わかりやすく解説

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アウグストゥスによるローマの整備

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/09 20:17 UTC 版)

ローマ建築」の記事における「アウグストゥスによるローマの整備」の解説

ユリウス・カエサルと、その後継者にしてローマ帝国初代皇帝となったアウグストゥスは、保守的傾向の強い共和政末期建築継承した。彼らが、元老院統治する共和制から、皇帝権力集中するという政治組織転換したことによって、皇帝影響力絶大なものとなるが、建築例外ではなくなによりもまず皇帝自身好み選択建築形態決定するようになった。これはローマ建築新たな潮流であり、時代が下るにつれてこれが顕著に現れてくるが、アウグストゥス皇帝になった当時複数流行同時代的に見られ彼の時代特有な建築的特徴というものはあまり見られないアウグストゥス絶大な権力保持していたが、自らを共和体制秩序中に留めるよう慎重に振る舞っており、一個人としての彼の趣味傾向が、ひとつのスタイルとなって建築反映されることはなかったようである。 しかし、アウグストゥス好み示唆する建築物全くなかったというわけではなく、彼の時代代表する建築物はいくつ挙げられるそのひとつがアウグストゥスのフォルムで、最終的に完成したのは概ね1世紀末と考えられているが、建築骨格部分アウグストゥス存命中にはすでに完成していた。全体構成カエサルのフォルム繰り返したもので、建築として際立った特徴持っていない。ただし、スエトニウスが、アウグストゥス煉瓦都市であるローマを、大理石都市として残したことを誇りにしていたと記録しているように、このフォルムには類を見ない大理石装飾ふんだんに取り入れられており、これがアウグストゥス嗜好を示す数少ない事例のひとつとなっている。大理石彫刻はネオ・アッティカ派の職人の手よるもので、屋階カリアティードは、アテナイエレクテイオン模倣したのである同じく、ネオ・アッティカ派によるアウグストゥス時代彫刻作品として、アラ・パキス(平和の祭壇)を挙げることができようアラ・パキスは、13年内乱平定記念して造られ祭壇で、政務官ウェスタの巫女毎年儀式を行うことになったが、これはアウグストゥス自身偉大さ誇示するものであった様々な植物絡み合う知的洗練された彫刻完成度高くギリシア美術影響歴然としているが、一方で祭壇を壁で囲む構成や、アウグストゥス中心として明確な位階表現する手法ローマのものである。このようなアウグストゥスのフォルムアラ・パキス性格は、ギリシア芸術権威ローマ建築工房保守的傾向帰結であり、彼の時代ローマ建築特徴端的に示している。 アウグストゥスによるローマ大規模な整備は、彼の部下友人でもあったマルクス・ウィプサニウス・アグリッパの手腕によるところが大きい。特に開発進められたのが、アラ・パキスの建つカンプス・マルティウスであった。この場所は、長らく宗教的タブーによって未開発のままだったが、アグリッパテヴェレ川治水工事行って敷地確保しエジプトから取り寄せたオベリスク指針とする日時計広場造営した。さらにウィルゴ水道ユリア水道建設。これとともに水道管理官を組織して水道分岐管計測して送水量を調整するなど、ローマの上水道システム整備した。そしてローマ市初となる浴場、およびパンテオン建設したが、これらは80年火災によって完全に失われている。

※この「アウグストゥスによるローマの整備」の解説は、「ローマ建築」の解説の一部です。
「アウグストゥスによるローマの整備」を含む「ローマ建築」の記事については、「ローマ建築」の概要を参照ください。

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