アウグストゥスの称号とローマ皇帝とは? わかりやすく解説

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アウグストゥスの称号とローマ皇帝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/10 03:33 UTC 版)

アウグストゥス (称号)」の記事における「アウグストゥスの称号とローマ皇帝」の解説

アウグストゥス称号名乗ることでローマ皇帝就任する考えられることがあるが、これは誤解である。確かにアウグストゥスローマ皇帝にとって重要な称号ではあるが、3世紀ディオクレティアヌス帝の時代までは、法的にはその称号何の職位または権限も表さなかった。 そもそも、「ローマ皇帝」というのは、そのような単一職位があるのではなく並外れて多く職位一人集中して兼任した状態である。アウグストゥス称号は、そのような数多く職位集中して兼任する者が誰であるかをはっきり示して称える呼び名である。 初代アウグストゥス(すなわち初代ローマ皇帝)は、ガイウス・ユリアス・カエサル・オクタウィアヌスである。彼は、紀元前27年1月16日元老院からこの称号授与されその日以降正式に「インペラトル・カエサル・アウグストゥス」(Imperator Caesar Augustus)に改名した。そして、オクタウィアヌスアウグストゥス名乗ってから40年間にわたり、彼は以下のように様々な公職権力集中して兼任し自身特別な地位であると認めさせ、後に続くしきたり築き上げた。 彼はプリンケプス元老院第一人者)であり、元老院議長として討議議長務めた提案を行うなどした。 彼はインペラトルであり、ローマ軍団最高司令官であった。 彼は執政官あるいは執政官命令保持者であり、首都ローマを含むイタリア行政長官として、本国対す支配権インペリウム)を持った。すなわち、本国内のあらゆる政務官対し指揮・監督する権限持った。 彼はプロコンスル命令保持者であり、属州対す支配権(インペリウム・マイウス)を持った。すなわち、全ての属州総督指令する権限持った。 彼は護民官職権により身体不可侵権持ちローマ内のあらゆる行政的決定提案対す拒否権持ち立法権がある平民会の長であった。 彼は最高神祇官であり、ローマの全神官の長であった。 さらに、オクタウィアヌスは、ローマ皇帝呼び名しきたり定めた歴代ローマ皇帝は、「インペラトル」「カエサル」「アウグストゥス」の3つの称号名乗ることになるが、この中で、「インペラトル」はローマ皇帝以外にも存在する称号で、「カエサル」はユリウス氏族家族名なので、ローマ皇帝だけが名乗るタイトルは「アウグストゥス」だけである(ただし、ローマ皇帝の母や妻は女性形の「アウグスタ」(Augusta)を名乗ることがある)。 このように、「ローマ皇帝」という公職存在しないが、オクタウィアヌスによって、上記全権力を兼務する最高権力者としてのローマ皇帝確立された。そして、「アウグストゥス」の名前も、法律上は意味を持たないが、ローマ皇帝象徴する名前として認知されようになった

※この「アウグストゥスの称号とローマ皇帝」の解説は、「アウグストゥス (称号)」の解説の一部です。
「アウグストゥスの称号とローマ皇帝」を含む「アウグストゥス (称号)」の記事については、「アウグストゥス (称号)」の概要を参照ください。

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