その他専用用途の捕具
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 14:28 UTC 版)
四方梯子(井桁梯子、梯子囲み、四ツ梯子) 捕り手4人一組で1人ずつ盾として持つ木製梯子で刀など刃物を振り回す犯人を四方から取り囲み、目くらましと人員・梯子共に斬られない様にするためにぐるぐると周囲を回って犯人に反撃の暇と機会を与えず、次第に距離を追い詰めながら隙を突いて井桁状に組み合わせて追い詰め行動力を奪い捕縛する。この際、杖や三つ道具・鉄輪といった長柄道具も梯子の外より突き出され併用されることが多い。梯子の長さは180センチメートル以上 - 360センチメートル未満程度。事件現場の路地の広さを考慮して使用する。貧民街や長屋のような裏路地でない限り当時の表通りは現在ほど建て込んでいないため道幅が広い。材は赤樫などの堅牢な木材を用い、まれに角金物などの鉄金具で補強した物が見られる。時には臨時に応じて竹梯子で代用される事もあるが使用強度には欠ける。いずれにしても扱う4人の捕り手が息を合わせて扱う高度な技術と信頼関係の上でできる捕縛術である。人手が足らず三人で行う場合は三ツ梯子(三方梯子)という。他にも6人や8人で四方を井桁状に囲み上下共に身動きできなくする場合もある。いずれの場合も追い込んで武器が振るえない程密着する距離に狭めた後は前述のように他の長柄捕具で拘束する。 投卵子・目つぶし(当時の資料によっては投玉子・卵投子・卵当子とも表記されることもある) 元は忍具でもあった鳥の子ともよばれるものには癇癪玉のように音を立てて破裂するものもある。 中身を抜いた卵殻に目潰し・鼻潰し用に一味唐辛子、ヒハツ、粉山椒などを入れ抵抗する犯人の行動力を奪うために投擲して用いた。催涙兵器の一種。 呼子笛 早期発見・緊急時に人員を呼ぶときに用いた。現代のホイッスルとは異なり玉が入っていないため、吹くと鋭く「ピィー」と鳴る。竹・木・骨・青銅・真鍮などで作られていた。 捕縛縄 角指 角を手の内側に向けて相手の手首、足首の肉に食い込ませて抵抗できないようにする際に用いた。 鎖打棒 棍飛 棍平 鎖龍蛇 手鎖 早手錠(はやてじょう) 現在みられる手錠というよりも責め具(拷問具)と防具を兼用したものに近い。厚さ3ミリメートル・幅3センチメートル・長さ8センチメートル前後の細長い小さな鉄札(てつさね)の表面におろし金のように小さな棘を数本横並びに設けた物を、それを3-4枚程蝶番や紐や金輪で繋ぎ手の平に装着する。その手の平で敵刃を受け止め流し、手首や腕ないし頚部を摑んで捕らえる、面部を張り倒すなどして捕らえる。深い傷は与えず擦過傷にとどめる割りには激痛を与え相手の行動力を奪うのでまれに用いられた。江戸時代以前には忍び道具として伝える忍術流派(⇒初見良昭)も一部ある。
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