その他の活用形と品詞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 09:25 UTC 版)
茨城の文法は基本的に標準語と同じである。しかし、茨城には現代標準語と異なる助詞や助動詞があり、これらは@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}主に古語や近世語に由来するものが多く[要出典]、それらが現代標準語の言い方と共存して使われるのも茨城方言の特長とも言える。自発形はやや特殊で、「行く」の自発形の「いけられた」は、「いつのまにか行けてしまった」というニュアンスを含む。これは栃木でも同じである。 未然形(~ない。~(しよ)う。):ラ行五段活用動詞の「遣る」は、「やんない・やんね・やんねー」のように撥音化する。撥音化するのは東京方言でも同じだが、「やんね」のように単音化するのが茨城方言として特徴的である。また、茨城では「遣ろう」とは言わず「遣っぺ」と言うため、四段活用となる。 連用形(~ます。~て。):活用形は標準語と同じ。 終止形:活用形は標準語と同じ。 連体形(~とき):ラ行五段活用の動詞では、乗るは「のっとぎ」、有るは「あっとぎ」、蹴るは「けっとぎ」、上一段活用の場合は「強いる」以外は、「着る」は「きっとぎ」、「煮る」は「にっとぎ」、「見る」は「みっとぎ」、「居る」は「いっとぎ」等、促音化する。 仮定形(~ば):基本的に標準語と同じ。一方、茨城では命令形の活用形と同じ表現をすることがある。主に終止形が「る」で終わる動詞で使われ、「居れば」は「いろば」、「混ぜれば」は「まぜろば」、「出せれば」を「だせろば」などと言う。断定の助動詞「だ」の仮定形「なら」は、茨城弁では「だら」も使う。例えば「書くなら」は「かぐんだら」、「お前なら良い。」は「おめだらいー」と言う。 命令形(~ろ。~よ。):ラ行五段活用動詞の命令形に一律化しようとしたのか、「止めろ」を「やめれ」などと言うことがある。 自発・可能・受身・尊敬:受身・可能の否定形を「やらいね・やらんねー、よめらいね・よめらんねー、かがらんねー」(遣れない、読めない、書けない)、「開かない」を「あがんない」、疑問形を「よめらいっか・よめらっか、かがっか」(読めるか、書けるか)などと言う。 使役:標準語では五段動詞の未然形に「せる」、一段動詞の未然形に「させる」をつける。茨城方言では、一段動詞に「らせる」形をとることが良くある。「来させる」を「きらせる」、「起きさせる」を「おぎらせる」などと言う。 完了:完了形は「ちゃー、しゃー」が使われ活用は独特に変化する。サ行音で終わる動詞に限って「しゃー」が使われる。「見せてしまった」は、「みしちゃった・みせちった」、「死んじゃった」は「しんちゃった・しんちった」、「終わらせてしまえ」は、「おわっしぇー」と言う。 依頼:「~らっせ」「~さっせ」「~(して)くろ・~(して)くれろ」がある。「らっせ」は、助動詞「られる」に、「しゃる」の命令形が変化した「せい」の短縮形がついたもの。[要出典]「さっせ」は本来「さっしゃい」。「くろ」以外は、昭和30年代頃まで残っていたが、今では高齢者しか使わない。 指示代名詞を含んだ連体語の特徴:あんな・こんな・そんな・どんな:あーた・こーた・そーた・どーた:濁音化して「あんな」を「あーだ」、促音化して「あった」と言う。
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