怪我の功名
別表記:ケガの功名
「怪我の功名」とは、失敗と思われたことや、最善手とも思わず適当にやったことが、図らずも良い結果に結びついた、という意外な状況を指す意味で用いられる表現である。「怪我の功名」には「思いもよらず状況がうまい具合に運んだ」とか「いけないと思ったが結果的にうまく行った」というような「不本意」のニュアンスがある。はじめから「怪我の功名」を狙って事を運ぶことは困難であり、もし意図的に実現されたとすれば最早それは「怪我の功名」と表現するべき代物ではない。
「怪我の功名」の語源・由来
「怪我の功名」は、戦(いくさ)にまつわる表現として成立したと考えられている。つまり、合戦などで負った傷が武勲となった、負傷というネガティブな事態が称賛というポジティブな事態を生んだ、というわけである。「功名」は元々は「高名」とだったともいわれている。どちらにしても「手柄を立てて名を馳せる」という意味合いは変わらない。
「怪我の功名」と「災い転じて福となす」の違い
「怪我の功名」と「災い転じて福となす」は、どちらも「良くない事態が結果として好ましい事態につながった」という意味で用いられる表現である。ただし意味用法ニュアンスは微妙に異なる。「災い転じて福となす」は、古代中国の史書「戦国策」に由来する故事成語である。災難や不幸に見舞われてもうまく幸運や幸福に転じる(ことができる)という意味の言葉である。
「怪我の功名」には「思いもよらず良い結果を得る」という偶発性や受動性のニュアンスがある。「災い転じて福となす」には、「災難や降りかかってきても機転を利かせれば良い結果に転換できる」という能動性のニュアンスがある。
「怪我の功名」の類語
「怪我の功名」の類語は、大きく3つの意味に分類することができる。1.失敗が良い結果につながるという意味
・雨降って地固まる(あめふってじかたまる)
争いごとや悪いことが起きても、それがかえって良い状態や結果をもたらすという意味のことわざである。雨が降った後は、地面がならされてかたくなることが由来となっている。
・失敗は成功のもと(しっぱいはせいこうのもと)
失敗したときの教訓を生かして失敗の原因を改善することで、成功につなげることができるという意味の言葉である。似た言葉に、「失敗は成功の母」がある。
2.思いもよらない結果を得ることがあるという意味
・瓢箪から駒が出る(ひょうたんからこまがでる)
思いもよらない結果になる、冗談のつもりで言ったことが実現するという意味のことわざである。「駒」とは若馬のことであり、意外なところ(瓢箪の口)から、思いもよらないもの(若馬)が出てくるというたとえの表現である。
・棚から牡丹餅(たなからぼたもち)
思いがけず幸運を手に入れるという意味のことわざである。棚を開けたら、昔は高級品であった牡丹餅が思いもよらず落ちてきたというたとえの表現である。
3.幸福や不幸は予測することができないという意味
・人間万事塞翁が馬(じんかんばんじさいおうがうま)
世の中で起こる幸運や不運は、見極めることが難しいという意味の故事成語である。「老人の馬が逃げ出した(不運)が、良馬を連れて帰ってきた(幸運)。しかし、良馬に乗っていた息子が落馬し、足を骨折した(不運)。その後徴兵があったが、怪我をした息子は兵役を免れた(幸運)。」という中国の故事に由来する。
・禍福は糾える縄の如し(かふくはあざなえるなわのごとし)
「禍福」とは幸福と不幸のことであり、幸福と不幸はより合わせた縄のように影響しあって交互に起こるという意味の言葉である。
「怪我の功名(デッドバイデイライト)」とは
「デッドバイデイライト(DbD)」における「怪我の功名」とは、ゲーム内のキャラクターが所有するパーク(能力)のひとつである。デッドバイデイライトは、2016年にスターブリーズ・スタジオよりリリースされた、サバイバルホラーゲームである。このゲーム内に登場する木村結衣というキャラクターが所有している固有パーク(キャラクター独自の能力)のひとつが、「怪我の功名」である。木村結衣が負傷した時に発動する性質のパークで、「怪我の功名」が発動すると一定時間血痕と足跡(赤い傷のマーク)が残らなくなるという効果がある。一定時間とは、tier1なら40秒、tier2なら50秒、tier3なら60秒となっている。また、他のサバイバー(生存者)を1秒治療するごとに「怪我の功名」の効果時間が1秒、最大で初期値まで延長されるという性質がある。逃走時の痕跡を消すことができるため、キラーから逃げるのに役立つパークである。
けがの功名
怪我(けが)の功名(こうみょう)
- けがのこうみょうのページへのリンク