『日本王国記』とは? わかりやすく解説

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『日本王国記』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 13:52 UTC 版)

ベルナルディーノ・デ・アビラ・ヒロン」の記事における「『日本王国記』」の解説

原題は『転訛してハポン呼ばれている日本王国に関する報告』(スペイン語: Relación del Reino de Nippon a que llaman corruptamente Jappon)。 アビラ・ヒロンは、『日本王国記』の初稿(第1輯)を1598年執筆した記しているが、この原稿発見されていないその後、第1輯をもとにして1615年3月18日までの記録増補訂正した第2輯が執筆され、さらにその後1619年3月15日までの記録加筆した第3輯が執筆された。第2輯の写本は、エル・エスコリアル図書館本、ローマ・イエズス会文書館本、マドリード国立図書館本の3種現存している。このうちイエズス会文書館本には、1590年から1614年まで日本滞在していたスペイン人イエズス会士ペドロ・モレホンPedro Morejón, 1563 - 1639)によって、400あまりの注釈書き加えられている。なおモレホンは、『日本王国記』自体については「著者みずからは正確であるといっているにもかかわらず彼の日本に関する知識僅少故に数多く誤りがある」と評している。 1883年初めスペイン公刊されレオン・パジェスの『日本切支丹宗門史』などに引用された。その後、ドロテオ・シリング(Doroteo Schilling)とフィデール・デ・レハルサ(Fidel de Lejarza)による校訂が『アルチーボ・イベロ・アメリカーノ』(Archivo Ibero-Americano)誌に1933年から1935年まで連載された。ただし、スペイン内戦のため、第15章前半までで中断となっている。1965年昭和40年)には、佐久間正会田由による日本語訳佐久間正岩生成一注)が、岩波書店大航海時代叢書』の1冊として刊行された(ルイス・フロイスの『日欧文化比較』との合本)。これはシリングとレハルサによる校訂本文を底本とし、第15章第2節以後は、直接、第2輯の写本基づいて翻訳したのである内容1549年天文18年)の三好政権成立から始まり1615年元和元年3月にまで及んでいる。この間織田信長台頭本能寺の変1582年)、山崎の戦い1582年)、豊臣秀吉政権掌握バテレン追放令1587年)、朝鮮出兵豊臣秀次切腹慶長伏見地震1596年)、サン=フェリペ号事件1596年)、ロドリゴ・デ・ビベロ日本漂着1609年)、ノサ・セニョーラ・ダ・グラサ号事件1610年)、大坂の陣(1614 - 15年)など、日本起こった重要な事件多く記載している。うち、信長事績については、信長親交のあったグレゴリオ・デ・セスペデスからの資料提供を受けており、伏見地震についてはジェロニモ・デ・ジェズズおよび日本人からの聞き取り行っている。また、京都三条河原盗賊団生きたまま油で煮られた、という記事があり、モレホンがこの盗賊の名を石川五右衛門注記していることから、この盗賊実在確認されることになった。 なお、内容半分以上キリシタン布教迫害史にあてられており、特に1597年日本二十六聖人殉教や、1614年高山右近内藤如安らの国外追放については、長崎実見したことを詳細に記録している。

※この「『日本王国記』」の解説は、「ベルナルディーノ・デ・アビラ・ヒロン」の解説の一部です。
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