『フライトメア』『魔界神父』でモダン・ホラーの巨匠へとは? わかりやすく解説

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『フライトメア』『魔界神父』でモダン・ホラーの巨匠へ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/03 03:04 UTC 版)

ピート・ウォーカー (映画監督)」の記事における「『フライトメア』『魔界神父』でモダン・ホラーの巨匠へ」の解説

ふたたびマクギリヴレイの脚本得たウォーカーは、前作では脇役だったシーラ・キースを事実上主役に抜擢したスプラッター・ホラーの名作『フライトメア』Frightmare(1974年)を監督する世間から身を隠して暮らす老夫婦ドロシー(シーラ・キース)とエドモンド(ルパート・デイヴィーズ)。2人連続殺人人肉食の罪で有罪判決を受け、精神病院15年間の入院生活終えてたばかりだった。妻のドロシー人肉嗜食愛好する精神異常者で、彼女を愛すエドモンドはその共犯者として妻が犯した殺人隠蔽工作行っていた。一方エドモンド前妻の間の娘ジャッキー(デボラ・フェアファックス)は秘かに両親連絡取り合っているものの、過去忘れて普通の生活送りたい願っていた。しかし徐々にドロシー精神病再発し周囲知らないところでふたたび残虐な連続殺人始める。片やドロシー血を受け継いだ次女デビー(キム・ブッチャー)も少しずつ凶暴性に目覚め恐るべき本性垣間見始めたエドモンドジャッキー家族守ろう必死になって奔走するが、その愛情と絆の強さがかえってドロシーデビー狂気増長させていくことになる。 『フライトメア』では、残虐な殺人手を染める狂った老婆演じたシーラ・キースの鬼気迫る怪演が見る者を震え上がらせる今日でもシーラ・キースは特にこの作品における演技によってホラー女優として名声残している。そして本作では精神病患者対す司法医療扱いといったシリアスなテーマ盛り込み、「心神喪失による無罪」といったテーマラストシーンにおいて強調するなど、単なるB級ホラーとどまらない本格的なサスペンス映画としての強い志向感じさせる傑作となっている。また、この作品では過激な残酷描写によるスプラッター・シーンを積極的に取り入れピート・ウォーカーは主にこの作品の名声で今日でも「ブリティッシュ・スプラッターの帝王」と呼ばれている。この映画大ヒットによってピート・ウォーカー現代恐怖映画第一人者としての名声確立する続いて、またもマクギリヴレイの脚本とシーラ・キースの出演得た魔界神父House of Mortal Sin1975年)を発表狂った神父異常な妄執突き動かされて、残虐な連続殺人起こすストーリー衝撃与えた主人公のメルドラム神父(アンソニー・シャープ)は信者からの信頼も厚い温厚な神父。しかし、厳格なモラリスト母親から厳しく育てられ聖書教え教会戒律がんじがらめとなって生きてきた彼は、己の内なる肉欲抑圧否定しながら日々過ごしている。そんな人生の中で神父は己の悶々とした欲求不満善意へとすり替え、しだいに精神に異常をきたしてゆく。懺悔に来た若く美しい女性たちの秘密知った彼は、それをネタ彼女たち執拗なストーカー行為繰り返す。だが、彼はそれを悪いとは思っていない。それどころか、自分こそが彼女たちを導くことが出来る、自分だけが彼女たちを救うことが出来る、そのためには何をしても神から許されると本気で信じ込んでしまっている。そして神父自分と彼女たちの間に入る邪魔者を、躊躇することなく次々と血祭りにあげていくのだった…。 『魔界神父』は、当時はまだ社会問題となるまでに深刻化していなかったとされるキリスト教原理主義ストーカー犯罪いち早く取り上げたサイコ・スリラーの傑作として評価され日本ではVHSソフト発売され話題となった。この作品ウォーカー作品中で最も評価高く優秀な恐怖ファンタスティック映画賞贈られるサターン賞において、『オーメン』(1976年)、『キャリー』(1976年)、『愛のメモリー』(1976年)、『悪魔の沼』(1976年)、ダン・カーティス監督の『家』(1976年)と並んで1977年度の最優秀恐怖映画賞にノミネートされた(受賞作品は『家』)。また、ウォーカー監督は狂えるメルドラム神父疑惑を抱くカトラー神父役として、当初ピーター・クッシングを想定していたが、クッシングスケジュール都合実現しなかった。ウォーカー監督作品の顔というべきシーラ・キースはメルドラム神父忠実に仕え家政婦役で出演し狂気秘めた老女の役を印象的な演技演じている。

※この「『フライトメア』『魔界神父』でモダン・ホラーの巨匠へ」の解説は、「ピート・ウォーカー (映画監督)」の解説の一部です。
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