『ウルトラQ』に登場するガラモン
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「ガラモン (ウルトラ怪獣)」の記事における「『ウルトラQ』に登場するガラモン」の解説
『ウルトラQ』第13話「ガラダマ」、第16話「ガラモンの逆襲」に登場。 宇宙怪人 セミ人間によって造られた一種のロボットともいえる生体兵器。電子頭脳からの誘導電波で操られて7万馬力の怪力で破壊を行う。 スーツアクター:高橋実 名称 「ガラモン」は「ガラダマモンスター」の略。劇中で、弓ヶ谷地方では隕石のことを「ガラダマ」と呼んでいることに由来する。 脚本には「多角モンスター(多角獣)」と表記されており、クレジットや劇中のセリフは「モンスター」と表記されている。 TBSテレビによって放送開始前の新聞紙上でネーミング公募が行われた。 創作経緯 ガラモンの原型は、ゴローの再登場編として予定されていたサンプルストーリー「ゴロー対スペース・モンスター」に登場するスペース・モンスターであり、その前日談となるスペース・モンスターの登場編として「ガラダマの谷」が執筆された。その後、「ゴロー対スペース・モンスター」は制作されず、「ガラダマの谷」は大幅に改稿されて「ガラダマ」となったが、その経緯の詳細は明らかになっていない。「ガラダマの谷」までは宇宙怪獣という設定であったが、「ガラダマ」の時点でロボット怪獣と設定された。 デザイン・造型 脚本を担当した金城哲夫は、骸骨から発想したが骨の怪獣では凄みがないため、隕石から生まれるという設定を加えたとする旨を番組放送前の新聞取材で発言している。初期設定では龍の顔をした多角獣というものだった。 デザインは成田亨が担当した。成田は後年発売された画集の中で、コチか何かの写真を参考に口の形状を描き、イヌのような鼻と人のような目をつけたことを述べている。顔のイメージは、特技監督の的場徹がカサゴのイメージを提示したことによるものとも言われる。 「ゴロー対スペース・モンスター」でのスペース・モンスターはカニの頭・ヘビの胴体・サソリの尾・竜の足・1本1本がヘビとなっているたてがみを持つキマイラのような怪獣であった。「ガラダマの谷」の時点でスペース・モンスターは「多角獣」となったが、『「ウルトラQ」の誕生』ではこの変更は成田が妖怪的な怪獣は作らないという方針であったためと推測している。 造型は高山良策が担当した。体のトゲは、ラテックスを塗るとくっついてしまうため、アール状に反った刃のハサミで削りだしたウレタンによるもの。ガラモンの着ぐるみはかなり小さく作られており、背の低い高橋実が演じたが、これは弓ヶ谷のダム湖セットを相対的に大きく見せるための措置であった。高橋の起用は的場の意見であったとされる。その後、着ぐるみは次回作『ウルトラマン』に登場した小型怪獣ピグモンに流用されたが、その際にスーツアクターが小学生に代わったことによる改造で首と脚が約30cm伸びている。ガラダマはFRP樹脂製。 全身の赤い色は、ゴムを塗らずにウレタンを染めただけの淡い色であった。江戸川由利子役の桜井浩子も、後のピグモンのように真っ赤ではなかったことを証言している。 『総天然色ウルトラQ』 ガラモンがシリーズを象徴する怪獣であることから、第13話がカラー化のテスト作品として最初に制作された。放送当時の雑誌などカラー資料が豊富であり、資料や桜井の証言などから、発色のよい赤と肌色を併せて赤茶色とした。 第16話で口から吐く液体は、さまざまな色が検討された結果、最も不思議に見えた緑色となった。
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