「伝説」のメカニック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 05:26 UTC 版)
「スモーキー・ユニック」の記事における「「伝説」のメカニック」の解説
ユニックは数々の不正行為で悪名を轟かせたメカニックであるが、一方でその独創的なアイデアと飽くまでもレーサーや観客の人命を尊重し続けた姿勢、時として主催者との衝突も辞さない反骨精神から、アメリカ本国ではNASCARにおける「レジェンド(伝説)」の一人であると見做される存在でもある。ユニックの功績は様々なサブカルチャーでもしばしば引用されており、ウォルト・ディズニーとピクサーのアニメ映画「カーズ」の登場車両「ドック・ハドソン」はユニックが初期に手掛けたファビュラス・ハドソン・ホーネットそのものであり、またシリーズ3作目の「カーズ/クロスロード」には彼をモチーフとしたキャラクター、スモーキーが主要人物として登場する。映画「タラデガ・ナイト オーバルの狼」で主人公「リッキー・ボビー」の愛車として登場する1966-67年式シェベルは、フロントフェンダーにスモーキー・ガレージのロゴがなく、赤いピンストライプが車体側面に描かれており、スチールホイールの形状も異なるという幾つかの違いこそあるが、黒地に金のツートーンカラーと#13のカーナンバーは、明らかに1967年のデイトナ500予選で不正を行いつつも速度記録を更新したユニックの車両のパロディでもある。 2016年には、ユニックの没後15周年を記念してジャーマイン・レーシング(英語版)が、カーナンバー#13のGEICOシボレー・SS(英語版)、ケイシー・メアーズ(英語版)車を、1967年のユニックの車両と同じ黒地に金のツートーンカラーに塗り替え、2016年のボージャングル・サザン500(英語版)に出走、トップから2周遅れの25位完走でレースを終えている。同チームは2008年以降#13をメアーズ車のカーナンバーとして継続して使用しており、他チームも様々な時代のNASCARレジェンドのカラーリングを用いる中、ユニックを顕彰する目的で彼と同じカラーリングを採用した。 この車両の出走に際しては、ユニックの娘が「父の功績がNASCARの若いファン達にも、より広く知られる事を願っています」という趣旨の感謝のコメントを寄せている。また、ジャーナリストのトム・ジェンセンが記述するところによれば、ユニックは1950年代末のストックカーシーンにスーパーチャージャーを初めて持ちこんだ人物でもあったという。ユニックは当時提携していたポンティアックのトランスミッションのベルハウジングに内蔵させる形で、フライホイールとクラッチのプレッシャープレートによって駆動力を得る特製のスーパーチャージャーを装着していたという。ユニック本人の談では主催者による車両検査の後、他の人間が全て帰宅した後で自分一人で徹夜で取り付けの作業を行ったが、「主催者どころかスモーキー・ガレージのクルーですらも、それが過給機である事に誰も気がついてはいなかったし、構造や動作原理を理解できる者も自分自身以外世界に誰一人としていなかった」と述懐していたという。
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