《辻利》の正しい読み方
「辻利」の正しい読み方
「辻利」は「つじり」と読む。製茶家・辻利右衛門(つじ・りえもん、辻利兵衛とも)の名にちなむ固有名詞である。「辻利」の意味解説
「辻利」は、1860年(延元年)に辻利右衛門が創業した京都宇治のお茶専門店である。昼夜の寒暖差から川霧が発生する宇治は、優れた茶の産地として有名な場所であったが、徳川幕府の衰退に伴うように、宇治の茶園も傾いていった。辻利右衛門は、廃れていく宇治の茶園を目にして、「こんな素晴らしいものを失くしたくない」と自分の私財を投じて茶園30アールを購入した。そして、辻商店は誕生した。
1868年(明治元年)、利右衛門は10年の年月を経て玉露を改良することに成功した。1872年(明治5年)には玉露の茶葉を針金状にした新玉露「大門」が「辻利」より発売され、流行した。また1891年(明治24年頃)、利右衛門は茶を保管する木箱の内側にブリキを貼ることを思いつき、高品質のまま宇治茶が販売できるようになった。
廃れそうになっていた宇治茶を復興させた功績が讃えられ、1927年(昭和2年)8月19日、辻利右衛門氏に緑綬褒章従六位が贈られた。また、1933年(昭和8年)、世界遺産である宇治の平等院正門横に辻利右衛門の銅像が建立された。
「辻利」は昭和初期には日本の各地で宇治茶を販売していた。また、中国大陸や台湾にも支店を持っていた。現在の「辻利」は日本各地に店舗をもっている。「辻利」の店舗は、暖簾分けされたもの、分家のほか、看板を貸したもの、共同出資によるものなど様々である。「辻利」は宇治茶だけでなく、宇治茶を使ったスイーツなども作っている。
なぜ「辻利」と読むのか・理由
宇治抹茶の「辻利」は、創業者である辻利右衛門(つじりえもん)の名前からつけられた。「辻利」の類語・用例・例文
「辻利」の類語としては、「宇治抹茶」「祇園辻利」などがある。・「京都の老舗の宇治抹茶専門店、辻利が展開する甘味処「茶寮都路里」は極上の宇治茶と上質な茶葉を使用したスイーツが楽しめる人気の店である。」
・「ブッシュ・ド・ノエルは辻利の宇治抹茶とフランス産AOP発酵バターをたっぷり使用したプレミアムな商品である。」
・「仕上げにふりかけた、宇治抹茶辻利の玄米茶の香ばしい香りが食欲をそそる。」
・「抹茶スイーツには、京都を代表する老舗宇治茶専門店辻利の宇治抹茶を使用している。」
「辻利」の英語用例・例文
「辻利」は固有名詞であるため、英語で「Tsujiri 」と表現される。・「Tsujiri Kyoto store is located 20 minutes walk from Gion Shijo store.」(辻利京都店は祇園四条店から歩いて20分の場所にある。)
・「This gorgeous matcha cake using traditional Uji matcha of Tsujiri is suitable as gift from Ginza.」(辻利伝統の宇治抹茶を贅沢に使ったシックな装いの抹茶ケーキは、新たな銀座土産としておすすめである。)
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