《近々》の正しい読み
「近々」の正しい読み方
「近々」の読み方は、「ちかぢか」あるいは「きんきん」である。「近々」の意味解説
「近々」には、大きく分けて2種類の意味がある。ひとつは距離的な近さを表し、対象となる人やものがすぐ近くにあることを表現するために使用する。そして、もうひとつは時間的な近さである。すぐに起こりそうなことや、あまり待つ必要がない予定を指す場合に用いる。「近々」を「ちかぢか」と読む場合は、この距離的な近さと時間的な近さの両方を表現することができる。しかし、「きんきん」と読んだ場合は、距離的な近さは含まれず、時間的な近さを表すのみである。したがって、状況に応じて正しい読みを使用することが望ましい。なぜ「ちかぢか」「きんきん」と読むのか・理由
「近々」の元の形は、「近近」である。そして、熟語では基本的に音読みで統一するため、「きんきん」という読み方となる。また、「ちかぢか」という訓読みも慣用的に使用され、正しいものとして浸透している。読みが「ちかちか」ではなく「ちかぢか」なのは、連濁という法則に従っているからだ。近いという意味を強調する目的で、後ろの「ちか」が濁っている。「きんきん」が連濁によって「きんぎん」とならないのは、「近」の音読みである「きん」が中国語由来であるからだ。連濁が反映されるのは、あくまでも日本語読みが由来となる訓読みだけである。「近々」の類語・用例・例文
距離的な近さを表す場合の「近々」の例文は、「彼が人と話す時の距離はいつも近々である」という風な形となる。そして、時間的な近さを表す場合は、未来のことのみを示す。例文にすると、「近々大きな会議が開かれる」「彼の会社は近々事業拡大をするそうだ」のような形だ。距離的な近さを表す場合の「近々」の類語は、「間近」である。「近々」と同様の意味であるため、そのまま置き換えても特に支障は出ない。また、「間近」は、時間的な近さを表すために使用することも可能だ。時間的な近さのみを示す場合の「近々」の類語としては、「間もなく」や「直近」などが挙げられる。いずれも「近々」と同じように、もうすぐという意味合いを含んでいる言葉である。ただ、「間もなく」は、「近々」よりもさらに近いという意味合いである。そして、「直近」は未来だけでなく、過去も対象になるという違いがある。したがって、「近々」と完全な同義というわけではない。
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