《返信不要》の敬語
「返信不要」の敬語表現
「返信不要」は、主としてメールや手紙などのやり取りの際に使用される言葉であり、相手に返信の手間をかけさせないために「これ以上のやり取りは問題ないから返信はしなくて良い」という配慮を含んだ意味でよく使用されます。「返信不要」は、メールや手紙の返事を表す「返信」と、必要でないという意味の「不要」という2つの単語からできた簡潔な言葉です。「返信不要」を丁寧な言葉で使用する場合は、「ご返信は不要です」「ご返信は無用です」「ご返信には及びません」などの敬語表現が適切でしょう。
「返信不要」の敬語の最上級の表現
「返信不要」の敬語の最上級の表現としては、「ご返信いただかなくても結構でございます」があります。「ご返信いただかなくても結構でございます。」は、大きく分けて「ご(御)」、「返信」、「いただく」、「結構」、「ございます」の5つからできています。「ご(御)」という接頭語を「返信」の前に付けることで相手の動作(ここでは返信)に尊敬を示します。「いただく」は、何かをしてもらうという意味の謙譲語であり、自分をへりくだることで相手を立てることが強調されます。「結構」は、申し分ないという意味の言葉であり、ここでは「不要」という言葉よりもやわらかく断りをいれる印象を与えることができます。最後に「ございます」という丁寧語を使うことで、より相手への敬意を強めることができます。また、文中に「いただかなくても」という、逆接の「ても」が付いています。この言葉が加わると、「返信しても、しなくても」という意味合いを持たせることができます。こうすることで「返信して欲しくないのだろう」という一方的な印象とならずに、相手の心情に配慮した、より丁寧な文章にすることができます。
「返信不要」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
ビジネスメールや手紙で「返信不要」の敬語を使用する場面は多くあります。報告や連絡などを十分確認したと判断した場合に、これ以上相手を煩わせないようにという配慮の意味も含めて使用されます。ただし、一方的に「これ以上の返信はいらない」という意味で捉えられないように、相手を配慮していることを示した文章となるよう気をつけると良いでしょう。「以上の内容となりますのでよろしくお願いいたします。なお、お忙しいと存じますので、ご返信には及びません。」、「今回は途中経過の報告のみですので、ご返信は不要となります。」、「新製品のご案内だけなのでご返信は無用です。また、改めてこちらから連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。」、「ひと言お礼を申し上げたいと思い連絡をさせていただきました。どうぞご返信には及びませんので、今後ともよろしくお願いいたします。」
「返信不要」を上司に伝える際の敬語表現
「返信不要」の敬語表現はビジネスメールや手紙ではよく使用されますが、上司など目上の人に対して口頭で使用する場面はほとんどありません。口頭で上司に報告や連絡を行う場合、内容を伝えるのは自分ですが受けた内容にどう反応するかを決めるのは上司です。そこに、自分の判断としての「返信は要らない」という言葉を使用することは失礼ですし、適切ではありません。上司に「返信不要」の敬語表現を使用するとしても、内容はあくまでもビジネスメールや手紙のやり取りに関しての報告程度でしょう。その場合は、状況の報告・連絡が主になりますので、「返信はいらない」という言葉を簡潔に丁寧に伝えると良いでしょう。
「取引先の〇〇様からお礼のメールが届いていましたので、確認をお願いします。なお返信は不要とのことでした。」、「〇〇部長、社内メールで忘年会に関してのアンケートを送りましたので確認をお願いします。部長からは直接返事をいただいていますので、ご返信は不要です。」
「返信不要」の敬語での誤用表現・注意事項
「返信不要」の敬語表現は、相手に手間をかけさせないように配慮の意味を含んだ言葉で使用しますが、却って相手に気を使わせてしまう場合もあります。メールなどのコミュニケーションツールにおいて、「受信したら返信をする」ことがビジネスマナーの基本と考える人は多くいます。また、「内容を確認した」ということを伝えるためにも返信は必要と考える人もいます。もう少しメールのやり取りを続けて確認したいことがあるのに、連絡しづらくなってしまったという人もいるでしょう。メールや手紙で区切りを付けることは意外と単純ではなく、それが「返信不要」という言葉の使いづらさにも影響しています。メールや手紙のやり取りの方法は、人によって変わってきます。相手との関係性も踏まえつつ、一方的に「自分は返信は要らない」という文章にならないような配慮が必要になってきます。例えば、「不要」という言葉は「要らない」という印象を与えやすいので別の言葉に言い直したり、返信の要・不要の選択肢を相手に与えるような文章にするといった配慮が望ましいでしょう。
「返信不要」の敬語での言い換え表現
「ご返信は不要でございます」「ご返信は無用でございます」
「ご返信にはお気遣いなされませんようお願いいたします」
「ご返信はお気遣いなくお願いします」
「ご返信いただかなくても結構です」
「ご返信いただかなくても差し支えありません」
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