《送らせていただきます》の敬語
「送らせていただきます」の敬語表現
「送らせていただきます」は、「送る」の敬語表現です。目上の人や、取引先の相手へ使っても問題ありません。「送る」という言葉は、物や手紙、情報などをほかの地点に移動させるという意味を持つ動詞です。そこに、使役の助動詞「させて」と、「もらう」の謙譲語である「いただく」、そして丁寧語の「ます」を組み合わせてできた敬語表現になります。この時、「させて」を加えることで、「送る」の形は「送らせて」に変化します。つまり、「送らせてもらいます」という意味を持つ表現だと言えるでしょう。「送らせていただきます」という言葉が使われるシーンは、大きく分けて三つあります。まず一つ目は、贈りものや商品など、物を送る時です。二つ目としては、メールやFAXなどで、情報を送る時が挙げられます。ビジネスシーンにおいて、最もよく使われるパターンでしょう。メールにデータを添付して送る時に、「資料を送らせていただきます」と言葉を添えたことのある人は、多いのではないでしょうか。そして、三つめは人を送る時です。来客や取引先の相手を送る時などに、よく使われます。ビジネスシーンでは、「その日はあいにく都合がつかないため、代わりの者を送らせていただきます。」のような使い方をされる場合も多いです。
「送らせていただきます」の敬語の最上級の表現
「送らせていただきます」は、目上の人や取引先の相手に使っても、失礼のない表現です。しかし、さらに柔らかく丁寧な表現にしたい場合は、「お送りいたします」といった言葉を使ってもよいでしょう。謙譲語の「お」に、「する」の謙譲語である「いたす」、そして、丁寧語の「ます」を組み合わせてできた表現です。この場合、「いたす」は補助動詞として使われているため、「致します」と漢字にするのではなく、「いたします」と平仮名で表記するようにしましょう。また、少し堅い印象を与えたい場合は、「送付させていただきます」という表現も考えられます。「送付」は、品物や書類を別の場所に送り届けるという意味を持つ言葉です。「送付させていただきます」と敬語表現にすれば、目上の人や取引先の相手に使っても失礼にあたりません。相手に与えたいイメージに合わせて、選ぶようにしましょう。「送らせていただきます」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
ビジネスシーンにおいては、書類やデータなどを送る際に、「送らせていただきます」という表現を使う場合が多いでしょう。まずは、その例文です。「株式会社○○○○部○○課○○様
平素は大変お世話になっております。
先日は、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
ご依頼いただきました資料を、送らせていただきます。
ご査収のほどよろしくお願いいたします。
・添付ファイル:○○〇(PDF形式)
ご不明な点がございましたら、○○までお問合せください。
今後とも、よろしくお願いいたします。
○○株式会社○○部○○課○○」
次は、商品などを送る場合の例文です。
「○○様
この度は、当店の商品をお選びいただきまして、誠にありがとうございました。
ご注文の○○を送らせていただきます。
お気に召していただけましたら幸いです。
またのご利用を、心よりお待ち申し上げております。
○○商店店主○○」
なお、「送らせていただきます」の「いただきます」は、漢字で「頂きます」と表記することができます。しかし、この場合の「いたす」は、補助動詞として使われている言葉です。「送らせていただきます」の「いただきます」は、平仮名で表記するようにしましょう。
「送らせていただきます」を上司に伝える際の敬語表現
上司が相手でも、「送らせていただきます」という表現は問題なく使えます。失礼にあたることもないでしょう。ただし、この言葉はいくつかの表現に言い換えることも可能です。例えば、メールでデータを送る場合は、「添付させていただきます」というフレーズがあります。書類を送る際は、「送付させていただきます」という表現が、そして、商品であれば、「発送させていただきます」という表現が使えるでしょう。人を送る場合は、「駅まで同行させていただきます」などのように言い換えることができます。シーンに合わせて最適な表現を選ぶことで、会話の幅を広げられるようになるでしょう。「送らせていただきます」の敬語での誤用表現・注意事項
「送らせていただきます」と同じ意味合いで、「送らさせていただきます」という表現が使われることがありますが、これは誤用表現にあたります。これは、「さ入れ言葉」と言われるものです。「~をさせてもらう」という意味で、助動詞の「させる」「せる」を「いただく」と組み合わせて使う場合があります。しかし、これにはルールがあり、上一段、下一段、カ行変革活用の動詞の場合は「させる」をつけることになっているのです。一方、五段とサ行変格活用の動詞の場合は「せる」をつけます。「送る」は五段活用の言葉のため、「せる」を選び、「送らせていただきます」とするのが正解です。「送らせていただきます」の敬語での言い換え表現
・お送りします・お送りいたします
・送付させていただきます
・発送させていただきます
・郵送させていただきます
・添付させていただきます
・ご同行させていただきます
・~までご一緒させていただきます
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