《老舗》の正しい読み方
「老舗」の正しい読み方
「老舗」は「しにせ」と読むのが一般的である。音読みにすると「ろうほ」であり、読み方として間違ってはいない。けれども「しにせ」と読むことのほうが多いであろう。「しにせ」は熟字訓(じゅくじくん)となる読み方である。熟字訓とは漢字1字ではなく、2字以上の漢字の組み合わせ(熟字)を訓読みした読み方だ。”老”は単体で「し」と読めず、”舗”も単体では「にせ」とは読めない。熟字となり初めて「しにせ」と読むことができるゆえに、熟字訓ということになる。一方で、「しみせ」と読むのは間違いである。「老舗」の意味解説
「老舗」の意味は、おおむね3つに大別できる。・代々続いて同じ商売をしている信用のある古い店。代々続く家業、また家業を守り続けること。・商売を通じて顧客から得た愛顧。特に老舗と呼ばれる店の条件や規定はない。客側からの目線や判断により、古くから繁盛している店に対してこのように呼ぶことが多いだろう。長年のブランドを絶やしていない店であれば、老舗の類に当てはまることになる。100年以上になると本格的な老舗であるが、現代においては5~0年の経営年数でも老舗店と言われている店も多々ある。なぜ「老舗」と読むのか・理由
そもそも「老舗」は、「しにす」(為似す・仕似す)という言葉の連用形が語源だとされている。「しにす」が「しにせる」と連用形になり、そこから名詞化した。本来の「しにせる」には、似せてするや先祖代々の家業を守り継ぐこと。長き期間商売をするといった意味がある。そこから、長い経験という意味合いの「老」と店を意味する「舗」が当て字となり、「老舗」という語ができた。前で述べた熟字訓(じゅくじくん)の場合、漢字から意味が想像できるものが多い傾向にある。「老舗」においてもこのように、「老」と「舗」という字から「古い経験がある店」というようなイメージが浮かびやすくなる。「老舗」の類語・用例・例文
老舗の類語となるのは、「名店」や「名門」、「元祖」などが挙げられる。しかしながら「名店」は老舗ほど年数は気にしない言い方である。有名な店という意味であるため、老舗のように古くから経営していなくとも「名店」と言われる所はあるだろう。「名門」はどちらかと言えば「店」というよりも「学校」などに使われることが多い語だ。また「元祖」に関しては、その物事や商売を一番最初に始めた人という意味が強い。長く経営している店というよりも、一番初めに手を出した人、もしくはその家系の最初の人というような意味になる。完全な類義語とは言えないが、例文を紹介する。「私はその土地で有名な和菓子をお土産に買って帰りたくて、百貨店に入っている名店の和菓子屋に立ち寄りました。海外にも進出している名店で、その味は忘れられないものとなりました」「このラーメンの元祖の店は、隣町にあります。」「私の娘は名門校を出て、無事にタカラジェンヌになりました。」また、老舗の用例・例文としては次のようなものが挙げられる。「今日は、老舗の名店を訪れた。」「老舗の書店の軒に、土地の新聞を、日ごとに額面に挿んで掲げた。」(泉鏡花 「小春の狐」)「老舗」の英語用例・例文
「老舗」を英語で言うと、long-establishedになる。establishedは「確立した」という意味のある語なので、long-establishedで「長年かけて確立した老舗」の意だ。Long-established storeというように、後ろに「store」や「shop」、「company」など対象となる場所を付けることもある。a store of long standingという言い方もできる。例文を紹介すると、「Long-established company selling cosme.」(化粧品販売の老舗会社)や、「That was an old shop that had continued more than a thousand years.」(それは1000年以上続く老舗店だった)などが挙げられる。- 《老舗》の正しい読み方のページへのリンク