《考える》の敬語
「考える」の敬語表現
「考える」は、物事について判断することや、あれこれ思いめぐらすこと、工夫することなどを意味する言葉です。日常生活だけでなく、ビジネスシーンでもよく使われるため、敬語表現はしっかり把握しておきましょう。丁寧語にする時は、語尾に「ます」を加え、「考えます」といった表現にします。最もよく使われる表現ですが、目上の人と話す場合や、その時の状況によっては不向きな場合もあるため、そのような時には謙譲語や尊敬語を選ぶようにしましょう。謙譲語の場合は、「拝察する」「愚考する」などの表現を使います。一方、尊敬語には、「お考えになる」や「ご高察くださる」などの言葉が挙げられます。また、相手に「考えてほしい」という自分の気持ちを伝えたい時に、「考えてください」とお願いすることがありますが、丁寧語では、相手によっては失礼だと受け取られてしまう心配もあります。目上の人や、お客さまなどに対して使う場合は、気を付けるようにしましょう。このような場合は、「ご検討ください」や「ご高察ください」などの言葉を使う方が望ましいです。
「考える」の敬語の最上級の表現
「考える」を最上級の敬語表現にする場合は、「ご高察いただければと存じます」や「ご高察ください」などの表現を使います。「高察」は、すぐれた推察のことを指し、相手の事を敬って使う褒め言葉です。相手が「考える」時に使い、自分が「考える」時には使いません。また、似た言葉としては、「推察」の尊敬語である「賢察」もあります。「賢察」は、こちらの事情を相手に察してほしい時に使うことが多いです。なお、「ご高察」や「ご賢察」は、「高察」「賢察」自体が敬語のため、しばしば誤用表現と指摘されることがあります。しかし、これらの言葉は慣用的に使われており、例外とされているため、使用しても問題ありません。一方、自分が「考える」場合には、「考える」の謙譲語である「愚考する」という言葉を使います。「愚考する」は、メールや手紙など、書き言葉として用いられることが多い言葉で、「○○の件につきましては、ご要望に添えるよう愚考いたします」などのように使います。
「考える」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「考える」の敬語を、ビジネスメールや手紙で使った例文は以下の通りです。「〇〇株式会社○○部○○様
いつもお世話になっております。
この度、弊社では新商品を発表する運びとなりました。
こちらは、御社によくご利用いただいている△△という商品の性能を、さらに向上させたものです。
サイズ変更などにも柔軟に対応可能な商品ですので、ご高察いただければと存じます。
お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
株式会社○○○○部○○」
「○○株式会社○○部○○様
平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
この度は、○○の件についてご検討いただき、誠にありがとうございます。
○○様のご希望に添えるよう、精一杯努めさせていただきます。
早速ですが、詳細の資料を送付させていただきます。
お忙しいところ大変恐れ入りますが、ご査収のほど何卒よろしくお願いいたします。
○○株式会社○○部○○」
「考える」を上司に伝える際の敬語表現
普段から親しくしている上司の場合は、「考えます」という丁寧語の表現を使っても問題ありませんが、目上の人や、厳しい人が上司の場合には、注意が必要です。そのような場合に使える敬語表現としては、「拝察いたします」や「検討させていただきます」などが挙げられるでしょう。これらは、自分が考える時に使う言葉です。上司から「~について、ちょっと考えてほしい」などと要求され、返事する時に使いましょう。そして、上司が何らかの判断や検討を行い、そのことについて触れたい場合には、「ご高察いただき」や「ご検討いただき」といった言葉を使います。例えば、「ご高察いただき、ありがとうございました」などのように伝えましょう。なお、「拝察」や「高察」は、口語というより、メールや手紙などで使われることの多い書き言葉です。使用するシーンに合わせて最適な言葉を選ぶようにしましょう。また、上司の考えを知りたい場合には、「お考えをお聞かせください」といった表現を使っても良いでしょう。
「考える」の敬語での誤用表現・注意事項
相手に、「どうお考えになられますか」と聞くのは、誤用表現になるため注意が必要です。この場合は、「お考えになる」と「~られる」を組み合わせた、二重表現になってしまうためです。「どうお考えでしょうか」や「どうお考えですか」などの表現を使うようにしましょう。丁寧な表現にしようと思う気持ちばかり募って、結果的に誤用表現となってしまうケースもあるため、注意が必要です。「考える」の敬語での言い換え表現
「考える」の敬語表現には、以下のようなものが挙げられます。・考えます
・考えております
・検討します
・拝察します
・拝察いたします
・拝察申し上げます
・愚考します
・愚考いたします
・お考えになる
・お考えください
・お考えでしょうか
・お考えですか
・考えていらっしゃる
・ご高察くださる
・ご高察賜り
・ご高察なさる
・ご高察される
・ご高察になる
・ご検討ください
・ご一考ください
・ご一考いただけますか
《考える》の敬語
考えるの敬語表現
「考える」を敬語で表現すると、「お考えになる」もしくは「ご高察なさる」です。動詞「考える」に、尊敬語である「お〜になる」を付け足すことで相手に敬意を示す尊敬表現になります。主に話し言葉・会話で使われる敬語表現であり、上司や恩師など目上の人が考える様子を「お考えになる」といったように敬意をこめて表現することが可能です。「ご高察なさる」は、「お考えになる」よりもさらに敬意をこめた表現となります。優れた推察を行うという意味を持つ「高察」に、尊敬語である「お〜なさる・ご〜なさる」を付け足すことで丁寧さが増します。「お考えになる」とは異なり、メールや書類などの書き言葉で用いられることが多いです。また丁寧な敬語表現として、「考えていらっしゃる」も使うことができます。動詞に繋ぐことで動作の継続を示す「〜ている」を、尊敬表現である「〜ていらっしゃる」へと変化させた表現方法です。こちらも「お考えになる」と同様に、会話中に用いられることが多いです。考えるの敬語での誤用表現・注意事項
「考える」の敬語表現「お考えになる」を使う際に注意したいのが、二重敬語です。丁寧さを増すために、尊敬語の「〜られる」をさらに付け足して「お考えになられる」と表現すると二重敬語となり、誤った敬語となってしまいます。なお語尾に丁寧語である「ます・です」を付け足すのは、二重敬語とならないため使用しても問題ありません。たとえば「どのようにお考えになりますか?」、「お考えですか?」といったように尊敬語と丁寧語を組み合わせると良いです。考えるの敬語での言い換え表現
「お考えになる・ご高察なさる」の言い換え表現として挙げられるのが、目上の相手への敬意を高めた尊敬表現「ご高察くださる」です。同じ尊敬語に属している「お〜くださる・ご〜くださる」は、「お〜なる」や「お〜なさる」よりも相手への敬意は高まります。「ご高察なさる」と同様に、メール・書面など書き言葉で用いられることが多いです。丁寧語の助動詞「ます」を追加して、「ご高察くださいますようお願いします」といったように用いられます。また「ます」の未然形である「ませ」を付け足して「ご高察くださいませ」や、「ご検討くださいませ」と表現することもあります。考えるという行為の対象が自分である場合は、「拝察いたします」もしくは「愚考いたします」が使われることが多いです。「拝察」は推察すること、「愚考」は考えることを意味する言葉であり、両者ともに自身をへりくだって相手を敬う表現です。加えて「する」の謙譲表現である「いたす」を付け足すことで、自分を下げて相手への敬意を示します。- 《考える》の敬語のページへのリンク