《中秋の名月》の正しい読み方
「中秋の名月」の正しい読み方
「ちゅうしゅうのめいげつ」と読む。「中秋の名月」の意味解説
太陰太陽暦の8月15日の夜に見える月を指す。太陰太陽暦(旧暦)とは、1年を365日とする太陽暦(新暦)の前に用いられていた暦。明治5年まで日本で使用されていた。旧暦では月の満ち欠けによって日付が決まる。「中秋の名月」は必ずしも満月だとは限らない。一般的に、「中秋の名月」の日は満月でないことの方が多いとされている。「中秋の名月」の日が月の満ち欠けで決められるのに対し、満月は太陽と月、地球の位置関係によって決まるからだ。また、月は新月から満月までにかかる日数が一定でないことも、理由の1つだと言える。「中秋の名月」は1年で最も明るく美しい月だとされている。「中秋の名月」の日にお月見をする習慣は、平安時代に中国から伝えられたという説が有力だ。中国の「中秋節」という風習が平安時代の日本の貴族の間で広まり、江戸時代には農民や武士にも浸透した。また、稲の豊作祈願の宴が由来だというという説もある。なぜ「中秋の名月」と読むのか・理由
二文字以上の漢字は一般的に全て訓読みか音読みで読まれることが多い。「中秋の名月」も全ての漢字を音読みすることから「ちゅうしゅうのめいげつ」と読まれる。旧暦における秋は、7月~9月。旧暦の7月~9月は、新暦の8月~10月にあたる。旧暦の8月15日は「秋の真ん中の日」であるため、「中秋(ちゅうしゅう)」と呼ばれるようになった。「名月(めいげつ)」は、秋の季語。旧暦の8月15日の夜に見える月(中秋の名月)、または旧暦の9月13日の夜(十三夜)に見える月を指す。秋は空が澄みわたっているため、月が明るく綺麗に見える。さらに、秋の月は高すぎす低すぎない適度な高さにあるため、地上から見上げやすい。よって、美しい月を見るための環境が整っていることが、旧暦の8月15日の月を「名月(めいげつ)」と呼ぶ理由だと言える。「中秋の名月」の類語用例・例文
「中秋の名月」の類語として挙げられるのは、「仲秋の名月」だ。どちらも「ちゅうしゅうのめいげつ」と読むが、意味は異なる。「中秋」が「旧暦の8月15日」であるのに対し、「仲秋」は「旧暦の8月」を指している。旧暦では、8月のことを「仲秋」と表していた。よって、「中秋の名月」は「仲秋の名月」の1つだと言える。また、「十五夜」も「中秋の名月」と同様、「旧暦の8月15日」という意味を持つ。しかし、「中秋の名月」は旧暦の8月15日に見える「月」、「十五夜」は「夜」を指すという違いがある。「中秋の名月」の時期は芋の収穫が盛んだったことから、「芋」の収穫祭や、「中秋の名月」に「芋」を供えてお月見をするという風習があった。また、旧暦の8月15日は必ず「仏滅」になる。よって「中秋の名月」は「芋名月」や「仏滅名月」とも呼ばれている。「中秋の名月」を用いた具体例として、「中秋の名月にお供えした月見団子を食べる。」が挙げられる。「中秋の名月」の英語用例・例文
英語で「中秋の名月」は「harvest moon」と言う。「harvest」は、「収穫」という意味を持つ。秋の満月は明るいため、太陽が沈んだ後でも農作物の収穫ができる、ということが由来だとされている。日本の「中秋の名月」のように、月見団子やススキをお供えしてお月見をする風習はない。「中秋の名月」と時期がほぼ一致するため、「中秋の名月」の英語での訳語として用いられている。「harvest moon」を使った例文として、「Can you see the harvest moon where you are? It's so beautiful.(そちらは中秋の名月が見えますか?とても綺麗ですよ。)」が挙げられる。- 《中秋の名月》の正しい読み方のページへのリンク