"ウィギリア", クリスマス・イヴの晩餐
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 05:33 UTC 版)
「ポーランドのクリスマス」の記事における「"ウィギリア", クリスマス・イヴの晩餐」の解説
ポーランドでは、クリスマス・イヴは最初の節制の日であると共に、祝宴の日でもある。最初の星が輝きだすとともに晩餐は始まる。この晩餐では赤い肉は忌避され、魚(通常はコイ)が供される。多くの伝統的な料理やデザートからなる晩餐は時には2時間以上続けられ、そののちに贈り物の交換が行われる。また、翌日のクリスマスは友人を訪ねることに費やされる。ポーランドの伝統においては、クリスマスは宗教と家族をより近くに結びつけるものだとされる。贈り物を交換することはこの行事において重要なことではあるが、クリスマス飾りや特別な料理を作ることがさらに重要視されている。 クリスマス・イヴの夜、最初の星の現れはベツレヘムの星を偲ぶ重要なものである。この星には親しみを込めて「小さい星」を意味するグヴィアストゥカ(Gwiazdka、聖ニコラウスのカウンターパートにあたる女性)という愛称が与えられている。夕方には子供たちはこの星が出ることを願いながら心配そうに空を見上げ、星が現れると「星が出た!」と競い合って叫ぶ。この直後、家族たちは晩餐のテーブルにつく。 伝承では、少しのまぐさをテーブルクロスの下に広げ、キリストが馬小屋で生まれたことを思い出すよう伝えられる。他にもあくる年の繁栄を願って、それぞれのゲストの為にテーブルクロスの下にお金を置くことなども伝えられる。いくつかの慣習は、偶数人がテーブルについたときに行われる。多くの家庭では、テーブルに空いた場所を作る。これは幼子イエスの為、食べ物が必要な孤独な放浪者の為、亡くなった親戚の為の一つ席を残しておくことで食事を分け合うための象徴とされる。 晩餐はオプワテクを割ることから始まる。テーブルに着いた皆が欠片を割り取り、キリストとの一致の象徴として食べ、次に家族のそれぞれと欠片を分け合う。いくつかの家族には、ヴィギリアに十二使徒を象徴する12種類の、もしくは幸運の為に奇数の(通常5、7、9種類の)異なる料理を供する伝統が存在する。 ポーランドの伝統的なウィギリアの晩餐ではコイのフライとウシュカの入ったバルシチが振る舞われる。ポーランドのクリスマス・イヴの食事として、コイのフィレやコイの煮こごりなど、コイは重要な要素とされる。全般的にポーランドのクリスマスの食事は、いくつかのニシン料理と同様のピエロギに、デザートのマコヴィエツ(英語版)や、ケシの実が入った麺類などからなる。しばしばドライフルーツのコンポートが飲み物の為に用意される。 この晩の残りの時間は、クリスマスツリーの周りでの歌や物語に費やされる。いくつかの地域では、子供たちは「小さな星」が贈り物を運んでくると伝えられている。プレゼントは包まれておらず、キャロルを歌う子供たちは家から家へと渡り歩き、道々でもてなしを受ける。 クリスマス・イヴは深夜に地域の教会で行われるミサであるパステルカ(英語版)と共に終わる。この伝統は三人の博士がベツレヘムを訪れ、新たなメシアの誕生を証言し敬意を表したことを祝うものである。クリスマスの夜に礼拝を行う慣習は、5世紀後半より教会へと導入されたもので、この慣習はポーランドのキリスト教化とともに持ち込まれた。
※この「"ウィギリア", クリスマス・イヴの晩餐」の解説は、「ポーランドのクリスマス」の解説の一部です。
「"ウィギリア", クリスマス・イヴの晩餐」を含む「ポーランドのクリスマス」の記事については、「ポーランドのクリスマス」の概要を参照ください。
- "ウィギリア", クリスマス・イヴの晩餐のページへのリンク