自動車運搬船 自動車運搬船の概要

自動車運搬船

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/05/29 09:39 UTC 版)

自動車運搬船 レア・リーダー(RHEA LEADER)
(63,004総トン)

概要

船内に複層の車両甲板を持ち各種自動車を積載できるという点ではフェリーと同じだが、商取引を目的とした自動車を大量に航送する目的で造られているため、フェリーとは構造が異なる。

一般的な貨物船との大きな違いは、積載し輸送する貨物(自動車)が自走して積み込まれ、また荷降ろしされることで、港湾での作業に使うためのクレーンを備えず、船内は自動車を最大限積載するために各層の天井高が各種自動車に合わせた必要最小限の高さに設計されている。

歴史

二国間で、船を使った自動車の輸出入を行う際には、他の貨物と混送させることが一般的であった。しかし、1960年代日本の自動車生産が活発になると、車体に傷が付かないような積載方法が求められる自動車は船舶会社から敬遠されるようになり、自動車輸送に特化した船が構想されるようになった。

日産自動車は、1965年大阪商船三井船舶と共同で、日本-アメリカ合衆国航路用の「追浜丸(おっぱままる)」を建造。「追浜丸」の特筆すべき構造は、RO-RO船の形式を採っていたことであり、自動車を多数の甲板間で自走させる構造としたことから、乗用車換算で1,200台積みの積載能力を誇った。ただし、アメリカからの帰りが全くの空荷となり採算が悪化することを恐れたためか、穀物などの積載スペースも設定されており、後の自動車運搬専用船には備えられていないデッキクレーンが最上部の甲板に搭載されている。

その後も日産自動車は、「追浜丸」と同型の「座間丸」などを建造。トヨタ自動車1968年に「第一とよた丸」(川崎汽船運航)を建造して自動車運搬船の利用に踏み切った。そして1970年、自動車のみを運搬する初の自動車専用船(PCC、Pure Car Carrier)「第十とよた丸」が建造された(それまでの「追浜丸」、「第一とよた丸」等はあくまで自動車兼撒積貨物船であった)。以降は、日本の自動車会社が自動車運搬船の標準形式を造り上げていくこととなった。

自動車運搬船は、効率性を求めるため次第に巨大化する傾向にある。21世紀初頭に建造された自動車運搬船として、2008年南日本造船が建造したスワンエース、同型船スウィフトエースを例に取れば、約58,600総トンの規模で、1回あたりの積載能力は12層の甲板で6,400台に達している。

低い安全性

船体重量と比較して、喫水が高く、横風の影響を受けやすい。重心の調節のためにバラスト水を注排水するが、それでも台風などによって流されて座礁などの海難事故を起こしやすい。車両積載デッキは、一つの大きな空間となっており、ここに浸水すると沈没を避ける手段がなく、浸水に対しても弱い構造となっている。以下に具体的な数件の事例を挙げる。

  • フアル ヨーロッパ - 台風の暴風雨に流され、伊豆諸島大島に座礁
  • クーガー・エース - バラスト水の注入不足により転覆
  • ホーグ・オーサカ(Hoegh Osaka) - 航行中、転覆の危険が生じ、意図的に浅瀬に座礁。
  • バルティック・エース - ロッテルダム港沖合いで、貨物船と衝突して沈没
  • 麗神 - 座礁して廃船。深海に海没処分となる。

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