女書
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女書による作品
女書による作品の多くは「三朝書」(三朝书、拼音: sānzhāoshū)という形式である。これは布を綴じて製作した小冊子であり、義姉妹(结拜姊妹、拼音: jiébàijiěmèi)または母により、女性の結婚時に贈られるものであった。「三朝書」には詩が書かれており、結婚して三日目の女性のもとに届けられる慣わしであった。これらの詩は結婚した女性の幸福を願い、また村を離れて結婚する女性への悲しみの念を表すものであった[1]。
その他、詩や歌詞などを帯や紐、衣服などの日用品に織り込むこともあった。
注
関連項目
- 方言字
- 平仮名 - 平安時代の貴族社会における平仮名は主に女性によって用いられるものとされたので「女手」とも呼ばれたが、実際には私的な場や、和歌・消息などには性別を問わず平仮名を用いていた。
- ハングル - かつて漢字に対して卑下した名称の一つとして、女性の文字の意味の「アムクル(암글)」という呼称があったが、これも実際には支配層でも私的な場や詩を詠むときなどでは性別を問わず用いていた。
外部リンク
- 女書の世界 - 女書研究者である遠藤織枝のウェブサイト
- 「秘密の文字 -中国 女書(にょしょ)の文化を伝えて-」 - BS世界のドキュメンタリーで放送された女書の番組。
- ^ a b c 中国女文字―2015年の実際
- ^ a b c d “2007年の女書”. nushu.world.coocan.jp. 2023年12月5日閲覧。
- ^ a b c “女書の世界 ― 女文字について”. nushu.world.coocan.jp. 2023年12月5日閲覧。
- ^ 中国湖南省に伝わる「女性だけの文字」 Yahoo!ニュース 2023/10/28(土) 12:02配信
- ^ 宮哲兵 (1995). “女書時代考”. In 史金波他編. 奇特的女書: 全国女書学術考察検討会文集. 北京語言学院出版社. pp. pp. 157ff
- ^ 遠藤織枝『中国の女文字: 伝承する女性たち』三一書房、1996年、pp.49ff頁。ISBN 4-380-96240-7。
- ^ 趙麗明 (2000-3-2). “女書最早資料——太平天国女書銅幣”. 人民日報 (海外版).
- ^ 張鉄宝「太平天国女書貨幣に関する問題」『消えゆく文字 中国女文字の世界』松本秀士訳、三元社、2009年(原著2005年)、pp. 137-147頁。ISBN 978-4-88303-251-8。
- ^ 光明日报「湖南东安发现珍贵碑刻女书」2005年9月26日、中国語
- ^ “中南民族大学組織専家赴 湖南永州 考察東安石刻女書和黄田舗遠古人類遺址”. 女書文化研究簡報 (中南民族大学女書文化研究中心) (第26期). (25 Oct. 2005) .
- ^ a b “エッセイ > 中国女文字の今(やはり気になることば・36) 遠藤織枝”. wan.or.jp. 2023年12月5日閲覧。
- ^ N3287 Proposal for encoding Nüshu in the SMP of the UCS, (2007-08-13)
- ^ Supported Scripts, Unicode, Inc.
- ^ Unicode 10.0.0, Unicode, Inc., (2017-06-20)
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