USNA
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レイモンド・S・クラーク 声 - 河西健吾 雫の短期留学先であるバークレーの魔法科高校に通う白人の少年。特技は速読と暗記。雫に気がある様子で、彼女を「ティア」と呼ぶ。 良くも悪くも子供っぽい性格で、愉快犯的な感覚で後述の七賢人として行動する。また、雫と達也が友人関係であることを知りながら、達也を追い込むために来日した際に、雫の家に押し掛けて言い寄るなど他人への配慮に欠け、自分の嗜好や快楽を優先する向きがある。 魔法師としては学内ではトップクラスで、フリズスキャルヴへのアクセス権を持つ世界に7人しか存在しない七賢人の一人であり、その称号の証として「レイモンド・セイジ・クラーク」とも名乗る。自身は世界に影響を与えるほどの超一流の魔法師ではないことを自覚しており、フリズスキャルヴを使って“ヒーロー達”に情報を与え、彼らと一緒に冒険した気分を味わうことを生きがいとしている(それ故に事件を未然に阻止するような情報を与える気はない)。現在は、同じ七賢人であり反魔法主義のジード・セイジ・ヘイグを敵視している。オタクの気があり、非公開の戦略級魔法師である達也に「破壊神(デストロイ)」という二つ名を名付けている。また、七賢人という名称もレイモンドが自らを含む7人のフリズスキャルヴのオペレータにちなんで便宜的に名付けているだけであり、対外的に七賢人という名称を名乗っているのはレイモンドだけである。 レイモンド自身は、フリズスキャルヴを演出家やシナリオライターなどの“裏方”が使うツールだと考えている。 吸血鬼事件では達也に顔と名前を出して情報提供を行い、今後の情報提供を呼び掛けるなど協力的な姿勢を取っていたが、口約束を守ることはなく、父親のエドワードがディオーネー計画を提案した際には七賢人として日本の放送機関にに対しトーラス・シルバーの正体が達也であることを伝え、達也にディオーネー計画に参加させるよう呼び掛けるメッセージを送り付けるなど、一転して敵対行動に回った。 父親と共に来日した際に、達也に論破されて失意の内に帰国。その後、達也を排除する戦力にする為にレグルス中尉に差出人不明の電子メールを送って、マイクロブラックホール実験を再開させてスターズ隊員たちをパラサイト化させようと企み、結果を見届ける為に自らダラス郊外の国立加速器研究所へ潜入する。しかし、自らがパラサイトに同化されるという危険性を全く考慮していなかったのが仇となり、パラサイトに同化された。そして、レグルス中尉と共に日本に不法入国して空港警察に捕まりそうになったところを、パラサイトを自ら取り込んだ光宣に助けられる。以降はフリズスキャルヴを使用して達也の行動を妨害し続けて、光宣を援護している。パラサイトとしては当初他の個体と同様に「達也の抹殺」を目的としていたが、光宣と彼に連れられてきた水波と行動を共にするうちに次第に彼らの絆に感化されるようになり、二人の結末を見届けることを望むようになる。結果同じパラサイトであるはずのスピカ中尉と対立することになり、スピカを含むパールアンドハーミーズ基地の兵士たちを光宣が抹殺したことで彼と共にロサンゼルスの魔法師の過激派組織の拠点に隠れ潜んでいた。USNA政府が自分たちの捜索を始めたことを掴み、光宣と共に日本へ向かい、彼と達也の戦いと、水波との結末を見届けた。その後達也からの通告を受け、USNA政府に身柄を移されることとなり、火星探査船の乗せられて宇宙へ放逐されることとなった。しかし、本人は魔法による宇宙開発を望んでいたこともあって、むしろ喜んで旅立っていった。 エドワード・クラーク USNA国家科学局所属の学者で大規模情報システムの専門家。非魔法師。エシュロンIIIの中心的な設計者でフリズスキャルヴの製作者。エシュロンIIIの製作者であることから機密保持のためUSNA政府から実質飼い殺しの状態にされているが、本人は意に介しておらず、情報を制することで自分を中心としたUSNAとその同盟者による世界の覇権を目指している。 達也の素性を把握しており、その排除を目論む。そして、達也を宇宙に追放する為にディオーネー計画を発案・提言するが、ベゾブラゾフが達也の抹殺に失敗したことでディオーネー計画は事実上頓挫することになる。 エンタープライズの動力源に二十人近い魔法師を一つの魔法に投入することで、原子力空母にも劣らぬエネルギーを生み出している。しかしそれは複数の魔法師の魔法演算領域を強制的にリンクさせ、魔法師の自我を喪失させる危険性があり、国家の利益や覇権のためなら魔法師を道具として使いつぶすことも厭わない。 ディオーネー計画を無害化させられてもなお、達也の排除のための手段を模索しあがき続け、一度自分との協力関係を反故にしたベゾブラゾフに協力を持ち掛けられた際には自分を裏切ったベゾブラゾフへの怒りを滲ませながらも協調したが、新ソ連の侵攻も、それに便乗したパラサイト化したスターズによる巳焼島への侵攻も失敗。さらにUSNAのワイアット・カーティス上院議員からの依頼で達也がミッドウェー基地とパールアンドハーミーズ基地を陥落させた際にこれが達也によるデモンストレーションであると解釈し、自分が達也排除のための行動を主導してきたことから、このままではUSNA内部での立場が悪くなると考え、ついに達也暗殺を強行するまでに追いつめられる。事実、USNA内部でも達也の軍事的価値と達也の主導する恒星炉プラント計画を評価するホワイトハウスによって、すでに切り捨てられることが決定していた。国防長官のリアム・スペンサーとの交渉に臨んだ際、自分のフリズスキャルヴや七賢人としての活動が既にUSNA政府に把握されていたことを知らされ、自分の立場が予想以上に危ういものだったと知り自分の思い上がりに打ちのめされるも、達也の暗殺にUSNA国籍を持つ「人間」を使わないことを条件に達也の暗殺計画の承認を得る。計画のためにスターズ内部のパラサイトと、作戦「成功後」に市民権を与えるという条件を餌に集めた帰化を希望する外国籍の兵士、さらにブラジルの戦略級魔法師ミゲル・ディアスを戦力として集め、強襲揚陸艦と二隻の駆逐艦を率いて巳焼島に侵攻。しかし四葉家の戦力の前に歯が立たず、計画は失敗。あらかじめ買収していた操艦スキルを持つ下士官と共に逃亡を図るも達也に乗っていた強襲揚陸艦『グアム』を沈められ、その中で達也によって肉体を元素レベルにまで分解され死亡した。その後、達也のメッセージを受けたUSNA政府により、新ソ連のエージェントとされ、全ての責任を負わされる形となった。 ポール・マクシミリアン 大手CAD開発メーカー『マクシミリアン・デバイス』の社長。エドワード・クラークが『ディオーネー計画』の推進に必要な人材の一人として、名が挙げられている。 ミカエラ・ホンゴウ 声 - 白石晴香 スターズに先立って日本に送り込まれた諜報員。本職は放出系魔法を研究する国防総省所属の魔法研究者で、テキサス州ダラスのダラス国立加速器研究所で行われた「マイクロブラックホール生成・蒸発実験」に参加していた。内気な性格の日系アメリカ人で、愛称は「ミア」。 共同研究の名目で来日した偽学生とは別口で、マクシミリアン・デバイス日本支社のセールスエンジニア「本郷未亜」としても魔法大学に潜り込んでいる。実はパラサイトに寄生された白覆面の吸血鬼であった。第一高校に潜入した際に達也たちと交戦して器である肉体を自爆させて消滅し、パラサイトは新たにピクシーを宿主として潜伏する。以降は彼女の項目を参照。 9・10巻の短期登場だが以降の続刊でもキャラクター紹介に準レギュラー扱いの顔イラスト有で載せられている。 ヴァージニア・バランス 声 - 田中敦子 USNA統合参謀本部情報部内部監察局第一副局長。階級は大佐。任務においては冷徹だがそれ以外には常識的で、リーナからおばさん扱いされたと思い、拗ねた様子を見せるなど愛嬌ある一面もある。 ポール・ウォーカー USNA軍大佐。外見の描写はないが男性。スターズ本部の基地司令であり、非魔法師としてスターズを管理する立場にある。スターズの隊長クラスの行う戦闘訓練によって備品がよく破壊されることに、総隊長であるリーナに愚痴と嫌味をこぼしている。 スターズの一部がパラサイトと化して総隊長であるシリウス暗殺の叛乱を起こした際に、自身も達也を脅威とする認識をパラサイトによって思考誘導され、パラサイトたちに便宜を図り、リーナの側についたカノープスとシャウラをミッドウェー基地の監獄に収容させた。そしてペンタゴンの対日強硬派の意向を受けて、パラサイト化したスターズの隊員やイリーガルMAPのホースヘッド分隊を日本に派遣させた。しかし、血縁にあたるカノープスを不当に貶められたことでUSNAの有力政治家で「影のCIA長官」と呼ばれるワイアット・カーティスが達也たち四葉家と手を結び、カーティスの依頼を受けた達也によってミッドウェー基地が陥落し、カノープスが脱獄。四葉家に保護されていたリーナと合流し、カーティスの意向を受けたバランス大佐から統合参謀本部の議長、副議長、参謀本部長に自身の行動が明るみにされたことでスターズの基地司令官を解任され、内部監察局への出頭を命じられた。 クレア 声 - 渡部紗弓 USNA軍統合参謀本部直属魔法師部隊「スターダスト」捜索班(チェイサーズ)のハンターQ。Qは17番目を意味する。サイオン波のパターンを識別し、その痕跡を感知する技能を植え付けられた強化魔法師。 クレアは仮名で、コード名で呼ぶのを嫌ったリーナが便宜的につけたもの。 レイチェル 声 - 市ノ瀬加那 クレアと同じく、スターダスト捜索班のハンターR。Rは18番目を意味する。サイオン波のパターンを識別しその痕跡を感知する技能を植え付けられた強化魔法師。 レイチェルは仮名で、コード名で呼ぶのを嫌ったリーナが便宜的につけたもの。 ジョー=杜(ジョー=ドゥ) USNAの非合法工作員。ジョーはジョンの短縮形で「ジョン・ドゥ」は身元不明の死体や被疑者に使われる名前であることから、偽名であると思われる。USNAからはジョセフ・ドゥと呼ばれている。顧傑を日本側へ渡さないためにUSNA軍から顧傑の逃亡の幇助、および暗殺の命を受け、活動していた。幾重もの手段を準備し、十師族の追っ手を回避するほどの高い能力を持つ。 2097年2月に座間基地付近で四葉の襲撃を受けた顧傑を救助し、以後彼の逃亡の手段を手配。水陸両用車で顧傑を日本領海外の目前までおびき出したが、日本の巡視船に捕捉され、顧傑の暗殺を試みるも、顧傑に仕込まれた術式により死亡。傀儡にされて巡視船を強襲し、真由美の魔弾の射手で沈められる。 アビゲイル・ステューアット 劇場版特典『美少女魔法戦士プラズマリーナ』に登場する、ショーマット魔法研究所のCPBM(荷電粒子線魔法兵器)研究室のリーダー。見た目は美少年だがれっきとした女性であり、愛称は「アビー」。魔法研究の参考として魔法少女モノのアニメを見ているため、『OTAKU』と呼ばれている。 ムスペルスヘイムを開放型として放つ軍事魔法『メタル・バースト』と『ブリオネイク』の研究に取り組んでいた際に、スターズ候補生であったリーナと出会う。ムスペルスヘイムを使える彼女に協力を依頼し、『メタル・バースト』を発動してもらった結果、想像以上の破壊力から『ヘヴィ・メタル・バースト』に改名。その後、実戦投入した際に戦略級魔法として十分な破壊力を有していることが判明したため、スターズ本部から『ヘヴィ・メタル・バースト』と『ブリオネイク』の早急な完成を要請される。 2097年8月に達也とUSNA政府との交渉で、恒星炉技術の実地体験のための巳焼島への技術者の派遣メンバーに選ばれ、巳焼島でリーナと再会、そして達也と出会いを果たし、互いに相手の功績へ感嘆を抱いた。 『メイジアン・カンパニー』では、USNA・カリフォルニアで起こった魔法テロの被害者の容態を回復するために、アリアナ・リー・シャウラ中尉と共にUSNAへ渡米した達也と深雪と再会する。 ホースヘッド分隊 USNA軍統合参謀本部直属の非合法工作、暗殺専門の魔法師部隊、通称『イリーガルMAP』の3つの分隊の一つ。イリーガルMAPの特徴として対人戦闘に優れており、ホースヘッド分隊は対大亜連合を目的としている。指揮系統としてはスターズと兄弟部隊とも言える。新ソ連の重要人物を過度に暗殺しすぎたせいで新ソ連との局所的戦闘『アークティック・ヒドゥン・ウォー』を引き起こしたとされ、USNA内部でも危険視されるようになり、ミッドウェー監獄に収容されていた。 メンバーは10人で、部隊長の「アル・ワン」、副隊長格の「バート・リー」、他隊員の「チャーリー・チャン」、「イギー・ホー」、「ヘンリー・フー」、「ゲイブ・シュイ」、「ジュリア・マー」、「エリー・チャン」、「フランク・ウー」、「ドン・ヤン」 ペンタゴン内部の対日強硬派の意向を受けたウォーカー大佐の命令で日本に潜入。達也暗殺のためにほのかと美月を誘拐し人質にすることを目論む。しかし美月の誘拐はエリカ、レオ、幹比古によって阻止され、ほのかの誘拐は成功したものの、洗脳に失敗し、直後に遠山つかさの所属する国防軍情報部からの襲撃を受け、ほのかを奪い返される。そこで逃走が不可能となったゲイブとイギーが爆弾で頭を吹き飛ばして自害。残りのメンバーもヘリを奪って逃走する最中に七賢人に扮したレイモンドからの通信を受け、その情報をもとに達也に襲撃をしかける。しかしヘリを雲散霧消で分解したときに炎上し、4人が焼死体となり、残るメンバーも達也のトライデントによって肉体を消し去られ死亡し全滅した。 達也を相手にした際には3秒も持ちこたえられなかったが、国防軍との戦闘では逃走できなくなったゲイブとイギーの2人によって国防軍側を4人殺害し、その倍以上の負傷者を出すほどの損害を与える戦闘力を見せた。 ワイアット・カーティス USNAバージニア州の上院議員である老齢の白人男性で、『影のCIA長官』と噂される程の保守タカ派の大物政治家。ベンジャミン・カノープス少佐の祖母の弟でもあり、2097年7月17日に非公式に訪日して、ある会員制クラブで達也と深雪とリーナに面会し、ミッドウェー島の軍事刑務所に収監されたカノープス少佐の脱獄を達也に依頼し、その為の援助とカノープス少佐の脱獄に成功した暁には自身の派閥が将来にわたり四葉家当主となった深雪の後ろ盾になることを提案し、達也に依頼を承諾させた。 マイケル・カーティス USNA軍の大佐であり、原子力潜水空母『バージニア』の艦長を務める男性。ワイアット・カーティス上院議員の甥でもあり、カノープス少佐の脱獄の依頼を引き受けた達也の有力な協力者として、『バージニア』に搭乗した達也に便宜を図る。そして、カノープス少佐たちの脱獄に成功して、わずか二十分でミッドウェー島の軍事刑務所を陥落させた達也に内心穏やかでない心理状態になるが、叔父ワイアットから与えられた役割を忠実に果たした。 リアム・スペンサー USNAの国防長官。次期大統領候補の最右翼と言われるほどの大物政治家。エドワード・クラークがエシェロンⅢにしかけたハッキングシステム「フリズスキャルヴ」の存在を把握しており、USNA内部でも警戒勢力と見なされていた七賢人の正体も把握していた。 ミッドウェー基地とパールアンドハーミーズ基地の襲撃を受け、達也暗殺を強行する決断をしたエドワード・クラークにUSNA国籍を持つ「人間」を作戦に使わないことを条件にクラークの巳焼島への奇襲作戦を許可した。計画が失敗した三日後の8月7日に来日し、マスコミを騒がせた。その際USNA大統領の達也宛の親書を預かったリーナから達也の返事を預かる役割も担っていた。 『メイジアン・カンパニー』では、2100年秋に開催される大統領選挙に立候補している。 ジェフリー・ジェームズ USNAの国防長官つき秘書。2097年8月7日にスペンサー国防長官と共に来日し、達也とUSNA政府を代表しての交渉を行った。性格的に達也と同類のようで、互いに共感と同族嫌悪を抱いた。 『メイジアン・カンパニー』では、スペンサー国防長官からの使者として度々、巳焼島を訪問している。そして、七草真由美と遠上遼介が日本に帰国した後、USNAのカリフォルニアで発生した原因不明の魔法テロへの対処を達也に依頼する為に巳焼島を訪問し、達也にUSNAへ渡米しての事態の対処と解決を依頼する。そして、カリフォルニアのバークレーのホテルでアビゲイル・ステューワットとアリアナ・リー・シャウラ中尉を連れて、訪米した達也と深雪と再会する。
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