厭わないとは? わかりやすく解説

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いとわない

別表記:厭わない

「いとわない」とは、嫌がらないことや行動することをためらわないということ意味する表現

「いとわない」の意味

「いとわない」とは「いとう」の否定形であり、「嫌がらないこと」や「行動ためらわないこと」を意味する漢字では「厭わない」と表記される。「厭う」には、「嫌に思うこと」「嫌う」「嫌に思って避けること」という意味がある。「嫌う」を意味する厭う」の否定形ではあるが、「厭わない」は単純に「嫌う」の反対語の「好き」という意味にはならないので注意が必要である。本来は「好ましいこと」や「やりたいこと」ではないが、目的達成するためなら「面倒がらずに行う」、あるいは「ためらわず行動する」といったニュアンス用いられることが多い。

「いとわない」の敬語表現

厭う(いとう)」に直接対応する敬語表現敬語丁寧語謙譲語など)は、特にない。もっとも、目上の者との会話使ってはいけない表現というわけでもない。

「いとわない」を敬意丁寧さ込めた表現にする場合は、丁寧表現助動詞「ます」を付けて「いといません」とするのが最も無難といえる。あるいは「いとわない所存ですのような言い方も可能である。

「いといません」の代わりに「いとわないです」と表現する手もあるが、この「ない+です」という言い方には違和感を抱く人もいる。

「いといません」という表現は、たとえて言うなら「嫌ではありません」と述べるようなものであり、相手への敬意示しながら言葉を選ぶ文脈においては使いやすい表現とはいえない。「どんな苦労もいといません」のような定型的な言い回しでもなければ他の表現変えてしまう方が無難かもしれない

「厭わない」に似た表現(類義語)

「厭わない」と似たような言葉に「構わない」があるが、「構わない」は「差し支えない」「気にしないということ意味している。そのため、残業することに対して構わない」という時は、残業しても「差し支えがない」「気にしないということである。一方残業を「厭わない」という時には目的達成するための残業なら「ためらわない残業する」「嫌がらずに残業する」という意味になる。

「厭わない」を英語でいうと

英語では形容詞の「willing」に該当する。「willing」には、求められれば「~することをいとわない」「~する気がある」という意味があり「be willing to do」の形で用いられる

「厭わない」を含む慣用句

「厭わない」を用いた慣用句のひとつに「犬馬の労を厭わない」があり、辞書によると「主君他人のために力を尽くして働くことをへりくだっていう語」と記載されている。

「いとわない」の熟語・言い回し

いとわず

いとわず」とは、「いとう」に否定助動詞「ず」を付けた語形であり、要するに「いとう」の否定形である。

いとわず」は主に「(嫌なことや不快なことを)避けようとしない」、「(辛いことや苦労などを)嫌がらずにあえて行う」といったさまを表現する意味で用いられる

努力を厭わない

努力を厭わない」は、辛い・苦しい・面倒な努力」を、(何かしら目標目的を果たすために)あえて進んで行う、という意味合い用いられる言い回しである。「~のためなら(どんな)努力も厭わない」のような言い回し用いられることが多い。

犠牲を厭わない

犠牲を厭わない」は「どのような犠牲があっても構わない」「犠牲を伴うとしても(目的のためには)あえて行う」という意味で用いられる表現である。

手段を厭わない

手段を厭わない」は、「どんな非情冷徹な手段でも厭わない」という趣旨か、あるいは「手段を選ばないと言おうとした誤表現であろう推測される

手段そのものは「厭う・厭わない」の対象にはならない。「どのような手段か」が明示されなければならないその意味で「手段を厭わない」という言い方単独では成立しない

手段を厭わない」という表現日本語として正しかどうかはともかく、「目的達成するためにはどんな手段でも、たとえ非情な手段であっても構わずに選ぶ」といった意味で用いられていることは恐らく間違いない

お金を厭わない

お金を厭わない」は「目的達成するためにはいくらお金かかって構わない」「お金を使うことを惜しまない」といった意味で用いられることのある言い方である。

お金そのものが「厭う・厭わない」の対象となることはまずない。「お金を厭わない」は、「出費を厭わない」あるいは「お金を使うことを厭わない」と表現するべきであろう

厭わない

読み方:いとわない

「厭わない」とは、「嫌がらない構わない労力惜しまない・むしろ進んでする」という意味で用いられる表現である。「どんな苦労も厭わない」「自己犠牲を厭わない」という風に肯定的前向きな表現として用いられる

「厭」の字は常用漢字表にない(表外字である)ため、新聞公文書などでは基本的に使用避けられ、「いとわない」と平仮名表記される。もっとも、「厭わない」という表現自体修辞的な飾った表現であり、新聞公文書用いられる機会多くない

「厭わない」の意味

「厭わない」は動詞厭う(いとう)」に打消し助動詞「ない」がついた連語である。「厭う」は「嫌がる・忌避する嫌って避ける」といった意味の語である。つまり「厭わない」は「嫌がらない忌避しない・避けたりしない」という意味合い表現である。

厭うネガティブ)+ない(ネガティブ)」のように「否定の否定によって婉曲的肯定の意味表現する」ような方法を、修辞学の用語で「緩叙法」という。

緩叙法による婉曲的肯定ニュアンスは、実はかなり積極的な肯定ニュアンスである場合珍しくない。「厭わない」という表現も、「嫌ではない」程度ニュアンス用いられることもあるが、文脈によっては「自ら進んで行う」くらいの積極的なニュアンス用いられることもある。

「厭わない」の読み方

「厭わない」の読み方は、「いとわない」である。

「厭わない」の敬語

「厭わない」の敬語表現は「厭いません」が妥当である。「厭わないです」のような言い方現代では許容されるが、違和感持たれやすく、相手を選ぶ。

「厭わない」は敬語を使うような場面で用いられにくい。「厭わない」を敬語にするよりも、「(努力を)惜しまないのような一般的な表現言い換えたり、あるいは「励んでいきたい」というような肯定表現言い換えたりといった発想の方がしっくり来やすい。

「厭わない」の熟語・言い回し

「努力を厭わない」

努力を厭わない」とは、(目的を果たすためには)必要な努力惜しんだ苦労嫌がったりしない努力苦労受け入れて目的を果たすために)励んでいきたい、という意味で用いられる言い回しである。

「手段を厭わない」

手段を厭わない」は、たいてい「どんな手段も厭わない」という言い回し用いられる。(目的を果たすためには)どんな手段であろうと嫌がることなく使う、という趣旨表現であり、「手段を選ばない」と同義である。

「お金を厭わない」

お金を厭わない」は、おそらく「お金を使うことを厭わない」の略か、あるいは「出費を厭わない」の変形であろう。「お金を厭わない」という表現さすがに言葉足らずである。

お金を使うことを厭わない」あるいは「出費を厭わない」は、出費ケチらない、惜しまずに金を出す、金額こだわらない金に糸目をつけない、といった意味で使える

「どんな犠牲もいとわない」

「どんな犠牲いとわない」は、「いかなる犠牲受け入れる」「どれほど失うものがあっても目的を果たす」といった意味で用いられることがある。たとえば「子供を救うことができるのなら、どんな犠牲も厭わない」のような言い方用いられる

「厭いません」

厭いません」は「厭わない」の敬語丁寧語表現である。具体的な使用場面としては、「上司指示であれば休日出勤残業厭いません」といった文脈挙げられる

「自己犠牲を厭わない」

自己犠牲を厭わない」は「自らを代償として扱うことを嫌がらない」「自分損失を被るとしても構わず目的果たそうとする(という気概がある)」といった趣旨表現である。

「厭わない」の使い方・例文


厭わない

読み方:いとわない

嫌がらない」「行動するのをためらわない」といった意味の言い回し。「厭う(いとう)」を否定した表現

厭わない

読み方:いとわない

嫌がらない、といった意味。

厭わない

読み方:いとわない

ワ行五段活用動詞厭う」の未然形である「厭わ」に、打消助動詞「ない」が付いた形。

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「厭わない」の例文・使い方・用例・文例

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