古来館
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「パンチライン (アニメ)」の記事における「古来館」の解説
伊里達 遊太(いりだつ ゆうた) 声 - 井上麻里奈 本作の主人公。103号室に住む17歳の男子高校生。正義感が強く情に厚いが、純情素朴故に女性の下着を見るだけで鼻血を吹き出してしまう。同時に、興奮することによって超人的な力が覚醒し、髪と瞳の色が変わる。バスジャック事件の際に肉体を乗っ取られたことにより幽体離脱する。 幽体で興奮状態から更に興奮すると限界に達し、鼻血を噴き出して意識を失い、小惑星が降り人類が滅亡する。しかし霊体の状態では時間の物理法則が適用されないため何度でも時間を巻き戻してやり直すことができる。また、シナモンが充満している空間では自身の霊力を高めることが出来る。霊力を行使するにつれて霊力レベルが上昇し、徐々に物理的な干渉や自発的な時間転移なども可能になっていく(ゲーム版では人間を驚いた時に出る魂の欠片「ぶっ魂」を集めることで霊力レベルが上がる設定になっている)。 生物学上の性別は女性であり、戸籍上の本名は伊里達遊(いりだつ ゆう)である。精神は男性であるため、男装して自分で勝手に「遊太」と名乗っている。ゲーム版ではチラ之助との会話にて、女性の体故に苦労を重ねてきたことが示唆されている。 元はパイン(声 - 庄子裕衣)という名前の少年であり、ちよ子(みかたん)、ぐり子(寺岡)と共にQ-may会の実験施設「ユーバラボ」で被験体として暮らしていた。9年前に施設関係者で唯一の理解者だった石形学(いしがた まなぶ / 声 - 上田燿司)に連れられ、ぐり子、ちよ子と共に脱走するが、その際に乗っていた車が崖から横転し、更に3人がユーバ化している最中に落雷したことにより肉体と魂が入れ替わってしまう。現在の身体はみかたんの本来の身体だが人格が男性である事は変わらない為、女性の身体を持ちながら女物の下着に興奮してしまう。その後、伊里達家に拾われてそのまま養子となり、信州の山奥で義理の祖父(現在は故人)に育てられた。首にはCの文字が刻まれている。 小惑星落下の歴史の回避を目的とする「人類保存計画」の実行者の役割を与えられており、時間遡行で肉体を取り戻した(過去の自分の肉体を乗っ取った)後は計画の遂行の為に行動する事になる。一度は計画失敗の寸前まで追い込まれるも、みかたんの言葉を受けて改めて人類の全てを守る事を決意し、ピースメイカー作戦に乗り出す。大晦日の決戦では襲い来るQ-may会の刺客にユーバ化能力を全開にして立ち向かい、最後は日本刀を手に寺岡との死闘を繰り広げた。 古来館の住人達の協力によって人類保存計画を成功に導いたものの、アニメ版最終回ではちよ子とぐり子の両方を救う為、死に瀕したみかたんの肉体に移り、自ら犠牲となって死亡した。ゲーム版エンディングでは寺岡によって本来のパインの身体を返されて生き延び、以降は明香のサポートを受けて古来館で暮らしつつ、Wの身体とユーバ化能力を活かしてヒーロー活動に勤しんでいる。 姓名を逆に読むと“幽体離脱”となる。宮沢 賢治(みやざわ けんじ) 「正義のスーパーお助けマン」を自称する謎のヒーロー。通称・ミヤケン。「雨ニモマケズ」と書かれたスーツを着ており、登場時は『雨ニモマケズ』の一節を前口上として語る。普段の戦闘力は低いが、古来館で謎の光に包まれると超人的な強さを得る。「カムパネルラキック」「クラムボンバー」など、宮沢賢治の著作物に由来した技名を叫ぶ。 正体は人類保存計画遂行の為に過去の世界に来た未来の遊太であり、正体を悟られないように変装していた。しかし彼は計画に失敗した為、現在の遊太に人類の未来を託して過去に跳ぶように訴える。過去に戻った遊太は今度は自ら宮沢賢治として行動することになる。スーツは秋奈が興味本位で購入したものであり、遊太が過去に戻った翌々日に丁度送られてきた。当初は遊太はスーツを着る事を拒否していたのが、アニメ版ではいつの間にか着るようになっていたが、ゲーム版では改めて読んだ『雨ニモマケズ』に共感した事で自発的にスーツを纏う経緯が描かれている。 ゲーム版のエンディングでは、遊太がW化している本来の肉体を取り戻した事で、事件後はストレンジジュースに代わるヒーローとして悪と戦っている事が語られた。 過去の遊太 遊太が大晦日から12月21日に跳んだ際に過去の肉体から追い出した幽体で、次の歴史における遊太。今回の遊太が失敗した場合は彼が計画を引き継ぐ予定だった(ゲーム版で選択を間違えると、実際に彼に希望を託すバッドエンドとなる)。後にピースメイカー作戦を知り、ラブラに憑依して加勢した。事件後は幼少期のラブラを通じて天華博士に指令を送る為に25年前に跳び、その後は自身の「最高にハッピーでピースフルな未来」を目指して今までの遊太と同様に12月21日に跳んだ。 真遊太 声 - 赤羽根健治 ゲーム版最終話にて、本来のパインの身体に戻った遊太。肉体がW化している為、驚異的な再生能力を持ち、ユーバ化も際限なく行える。しかし寺岡龍都としては指名手配されており、Q-may会残党にも英雄視されている為、外出時は変装が欠かせないと言う。興奮しやすく、すぐに鼻血を吹き出す性質は変わっていない。アニメ版では遊太は元の身体に戻らなかった為、登場しない。 成木野 みかたん(なるぎの みかたん) 声 - 雨宮天 本作のヒロイン。101号室に住むアイドルグループ「シーズメイ」のメンバーのふんわり系アイドル。ストレンジジュースという正義のヒーローとしても活動している。力を発動すると目と髪の色が変わり、語気も強くなる。「みかたん」の「たん」は接尾語ではなく、「たん」まで含めて彼女の名前であるが、遊太には「みかたん」と呼ぶ事に抵抗があるという事で「成木野」と苗字で呼ばれている。また、明香にも苗字で呼ばれている。亀が苦手。シーズメイ内の人気は8人中5位。 遊太同様にユーバラボ出身であり、本名はちよ子。石形に連れられてパイン(遊太)とぐり子(寺岡)と共に施設を抜け出すが、その際に3人を乗せた車が崖から横転、更にユーバ化中の3人のもとへ落雷したことにより肉体と魂が入れ替わりが起きてしまう。現在の肉体は寺岡の本来の肉体であり、遊太の現在の肉体こそが彼女の本来の肉体である。 パイン、ぐり子と離れ離れになりつつも石形に助けられ、その後は彼と共に東京のアパートに隠れ住んでいたが、1年後に施設関係者に突き止められ、石形と再会の約束を交わしてアパートから一人脱出する。しかし、病魔に侵されていた石形はちよ子を逃がす為に追手諸共自爆したため、この約束は果たされることはなかった。アパートの前で泣いているところを明香に発見され、「成木野みかたん」の名前を得て共に青森県の山奥に移り住み、能力を引き出すための鍛練を重ねた結果、13歳で能力が発現する。プロフィール上は東京出身としているが、独り言や動揺した際には津軽弁が出てしまうことがある。肩にGというアルファベットが刻まれている。 戸籍登録の際に明香は「みか」と登録しようとしたが、本人の強い要望で「たん」を付けたことで現在の名前となった(当時からアイドルを夢見ており、その方がオーディションに受かりそうだと考えた為)。 明香の訓練を8年間受け続けたため、平時の身体能力も優れている。しかしストレンジジュースとして活動する度にユーバ化を繰り返した結果、肉体は既に限界が近く、度々発作に見舞われており、常備している薬で辛うじて命を繋ぎ止めている状態である。 最終決戦では「もしもユーバ化したら即刻作戦を中止する」という条件で参加。明香の作った「足止メイカー」と体術でなんとか渡り合っていたが、最後は遊太と寺岡の戦いを止める為にユーバ化してしまい、遂に肉体が限界を迎える。しかしアニメ版では遊太が、ゲーム版では寺岡が身代わりになった事で、本来のちよ子の身体に戻って生き延びる。 名前の読み方を少し変えると“正義の味方”となる。ストレンジジュース みかたんのヒーローとしての姿。明香の作った装備と、鍛錬で培った身体能力、そしてユーバ化による超人化で犯罪者達と日夜戦っている。その正体は明香以外には知られていないが、幽体化した遊太には気付かれ、亀男襲撃の際に愛とラブラにも知られてしまう。徒手空拳の他、ストロー型の棒を武器に戦う。 青森にいた頃は正体がばれないようにパンストを被っていた為に「パンスト少女」と呼ばれていたが、東京への引っ越しを境に明香によってコスチュームが作られ、現在のストレンジジュースとなった。みかたん自身はストレンジジュースではなく「プリティキューティームーン」と名乗りたがったが、明香に「長いし色々混ざってる」と却下された。 アニメ版最終回のエンドロールでは本来の身体に戻ったみかたんが変わらずストレンジジュースとして活動している。ゲーム版のエンディングでは遊太がミヤケンとして代わりにヒーロー活動をしているが、みかたんもユーバ化しない事を条件にストレンジジュースの恰好で無理矢理同行している様子が描かれている。 名前の由来は「正義」の意味のjusticeを並べ替えたst.juice(セイントジュース)に更にみかたんの名前から「た」を抜いたみかん=orangeを間に挟めたもの(st orange juice)。 真みかたん 声 - 井上麻里奈 アニメ版、ゲーム版双方の最終話にて、本来のちよ子の身体に戻ったみかたん。遊太として行動してきた肉体だが男装はやめており、髪を結んで女の子の格好をしている。成木野みかたんとしては死亡した事になっている為、古来館の外では戸籍通りの伊里達遊を名乗っており、遊太が通っていた高校に女子生徒として通っている事がゲーム版のエンディングで語られた。 曳尾谷 愛(ひきおたに いと) 声 - 寿美菜子 102号室に住む少女。自宅に引きこもってネットゲーム(ロボット系のアクションシューティング)に興じており、虎八郎(とらはちろう)という名の凄腕のゲーマーとしてその筋で知られる。遊太とはゲーム仲間。ゲームプレイ中は気性が荒くなる。 元々は有名私立女子高に通っていたが、担任教師の友田に送迎してもらったところを彼に好意を抱いている同級生に目撃されたため、その翌日からいじめのターゲットにされ、断髪されたことで不登校になり、都議会の文教委員の理事をしている父親に勘当される。その後、従姉妹のラブラを通じて古来館に住むようになる。 蘭堂から預かった小熊を曳尾谷ムヒ(ひきおたに ムヒ / 声 - 山田茉莉)と名付け内緒で飼育しており、後に皆にバレてしまうが、明香からは「年が明けるまで何も分からなかったら保健所に通報する」ことを条件に飼育が認められた。後に真相が判明した後はそのまま古来館で飼育されている。 怖がらせる目的で自分をいじめていた生徒の名前の一覧を載せて「今年の犠牲者一覧」という動画をアップロードするが、知らぬ間にその中に自分の名前もリストアップした動画に改竄されてしまい、亀男によって一度は殺されてしまう。しかし遊太が過去を改変した事でそれは回避され、以降は古来館の面々と親睦を深めるようになる。最終決戦では明香の開発した戦闘ロボット「暴力主義的革メイカー」にゲームの腕を活かして搭乗し、Q-may会に操られたアメリカ軍を撃退した。事件後は専門学校に通っている。 名前をそのまま読むと“ヒキオタニート”となる。 台初 明香(だいはつ めいか) 声 - 釘宮理恵 201号室に住む天才発明家の女性。古来館の大家でもある。パンプキンチェアとしてストレンジジュースのサポートもしている。関西弁を話す。 実態は20年前に世界的に有名な発明家・台初天華(だいはつ てんが / 声 - 蓮岳大)により製作されたロボット。天華から学問や料理などのスキルを学んだものの、運動神経は皆無。しかし、3ヶ月の練習を経て逆立ちは出来るようになった。コンピューター関連の知識・技術に長けており、特にハッキングの腕前はグリーゼ曰く「神の領域」。8年前に天華が死去した際、その遺産を引き継いでいる。天華の遺言に従い、ちよ子を成木野みかたんとして育て、来るべき時に備えて正義のヒーローへと仕立て上げた。しかし半年前にみかたんが倒れるまでユーバ化の弊害については知らず、発覚後はすぐにヒーロー活動をやめさせようとはしたものの、みかたん本人がその反対を押し切って戦い続けている為、止む無くサポートを続ける形となっている。 遊太が女性の体を持つ事も知っているが、真実を明かされるまでは性同一性障害と誤解していた。毛の生えた動物は苦手で、ムヒが発覚した際も即座に保健所に連絡しようとしていたが、第10話ではいつの間にか仲良くなっていた。ゲーム版では、亀男(友田)が仕掛けた爆弾と罠によってムヒと共に絶体絶命の危機に陥いるエピソードが追加されている。丁度他の住人も出払っていたため、1人で逃げることも出来たがムヒを見捨てられず、遊太の助力によって爆弾を解除し、その一件でムヒへの認識を改める様子が描かれた。 終盤、小惑星落下は自分の能力が利用された結果だと知り、けじめを付ける為にピースメイカー作戦を立案。寺岡に身体の一部を破壊されながらも仲間達の協力で作戦を成功させた。ゲーム版によると、事件後は各国と交渉し、政府の仕事を時折請け負う代わりにハッキングの件を不問とさせた(但し、実際は弱みを握って脅迫した側面もある事を本人が示唆している)。以後もパンプキンチェアとしてアニメ版ではストレンジジュース、ゲーム版ではミヤケンをサポートしている。 名前をそのまま読むと“大発明家”となる。 秩父 ラブラ(ちちぶ ラブラ) 声 - 戸松遥 202号室に住むインチキ霊媒師の女性。色黒で派手な格好をしている。30歳。愛の従姉妹。ニコニコ生放送の配信者(生主)でもあり、その縁で同じ生主の秋奈と親しくなった。「亀西くん」という亀を飼育している。みかたんに恋愛についての助言を送るが、本人も実際に異性と付き合った経験は無い。 実家は代々霊媒師の家系だが、本人は霊感が無いため、そのコンプレックスから霊の存在を否定している(その為、実家からは勘当同然の身である)。霊媒師として除霊の依頼も受け付けているが、塩などを使ったそれらしいパフォーマンスで誤魔化しているのが実態である。しかし霊感が無いのは当人の思い込みであり、実際は霊媒体質であるため、度々遊太に憑依されることがある。グリーゼの一件で古来館の面々と仲違いするが(ゲーム版では一時期失踪するほど追い詰められた)、その後の亀男との戦いを経て親睦を深める。最終決戦では遊太の幽体を憑依させてユーバ化し、明香の発明品「透メイカー」によって透明人間と化してWの集団を撃退。更に古来館に乗り込んで来た壺内を除霊した。実は25年前の幼少期に未来から来た遊太の幽体に憑依されており、無自覚のうちに明香の設計図や未来の出来事を記した書類を天華博士に送信している。 ゲーム版で明らかになるが「ラブラ」とは霊媒師としての名前で、本名は秩父蘭子(ちちぶ らんこ)。しかし本人は「ラブラ」の名を気に入っているということで普段からそう名乗っている。 名前をそのまま読むと“乳ブラブラ”となる。 チラ之助(チラのすけ) 声 - 吉田有里 遊太の前に現れた猫の幽霊。203号室(空き部屋)にいる。言葉が話せ、語尾に「ら」を付けることが多い。酒を飲む。遊太の問いをのらりくらりとかわしながら、人類を救うように指示・助言している。遊太の事は「遊たん」「キサマ」と呼ぶ。 当初はナンダーラガンダーラを探すように指示していたが、遊太の時間遡行後は人類保存計画の事を明かし、その為の行動を指示するようになる。遊太が指示を無視した事で当初の計画が失敗した後は、従来通り次の遊太に引き継がせようとしたが、遊太が諦めることなくピースメイカー作戦に乗り出した為、敢えて口を出さず去って行った。 最終回では愛が専門学校の友達からチラ之助にそっくりのチンチラを譲り受け、古来館で飼われる事になり、同じくチラ之助と名付けられる。 正体はアニメ版では最後まで不明だがゲーム版のエピローグによると、古来館で飼われていたチラ之助が天寿を全うした後に神霊化し、自分の「最高にハッピーでピースフルな一生」が人類滅亡の歴史を変えた結果によるものだったと知った事で、自ら人類保存計画を実行に移したとされる。
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古来館(こらいかん)
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「パンチライン (アニメ)」の記事における「古来館(こらいかん)」の解説
本作品の舞台地となるアパート。遊太やみかたん達が住んでおり、明香が大家を務めている。一見、古ぼけたアパートだがストレンジジュースの活動拠点にもなっており、建物内や地下には様々な仕掛けが張り巡らされている。出動する合図として緊急事態が発生するとサイレンと共に曲が流れる。基本的にはペットの飼育は禁止されているが、「あまり騒がないし、部屋を傷付けない」などの理由でラブラが飼育している亀は許可されている。また、男性は「うるさいから」という理由で女性のみが入居を許されている。遊太の場合は「心は男でも体は女だから」と特別に許可されている。館の周囲には平原や森などの緑豊かな公園が広がっており、周囲の住宅街からは完全に孤立している。公園の総面積は10万坪(約33万平方メートル)、東京ドーム約7個分とされるほど広大だが、公園内は古来館を除けば「石乃狩(いしのがり)神社」という無人の神社があるだけである。
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