ノストラダムス研究者とは? わかりやすく解説

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ノストラダムス研究者

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/22 14:32 UTC 版)

ノストラダムス関連人物の一覧」の記事における「ノストラダムス研究者」の解説

文学歴史学書誌学等の見地から研究書刊行したことがある者。もしくはノストラダムス予言やその解釈者たちに対して懐疑的批判的な著書刊行したことがある者。なお、後出参考文献にある書名については、原綴省略したフランソワ・ビュジェFrançois Buget) 書誌学者生没年未詳)。1860 - 1863年書誌学系の雑誌愛書家司書年報』に「ノストラダムスに関する研究」(初回のみ「ノストラダムス予言に関する研究」)と題する論文掲載したアンリ2世の死を予言したとされる有名な詩について、一語一語丁寧に史実対比し彼の死とは結び付けられないことを指摘したことをはじめ、先行する論者の問題点非難するなど、懐疑派先駆としての側面を持つ。総ページ数は200ページ超える大部論文だが、最初に示されていた構想からするとこれでもまだ序盤だったようである。何故中断してしまったのかについては分かっていない。 カール・ルートヴィヒ・フリードリヒ・オットー・フォン・クリンコフシュトレームCarl Ludwig Friedrich Otto von Klinckowström) ミュンヘン伯爵だった人物1884年 - 1969年技術史に関する著作もある。 ノストラダムスの『予言集』に関する調査のためにヨーロッパ中を回った1913年論文ノストラダムス予言集』の最古級の諸版」(“Die ältesten Ausgaben der ,Prophétiesdes Nostradamus”, Zeitschrift für Bücherfreunde, Mars 1913)は、『予言集』の本格的書誌研究の礎となった重要なものとして高く評価されている。1951年1963年にも『予言集』初期の版に関する短い論文発表している。 ユージン・パーカーEugene Parker歴史学者学位論文ミシェル・ノストラダムス- 預言者」(Michel Nostradamus - Prophet)によって、1920年ハーバード大学博士号得た博士論文自体公刊されなかったが、その要約的なフランス語論文ノストラダムス伝説現実生涯」は1923年に『16世紀研究誌』に掲載された(この時点所属ミシガン大学)。 ジャック・ブーランジェJacques Boulenger) フランソワ・ラブレー研究知られる文学者彼の著書ノストラダムス』(1933年)は、伝説的要素排斥しきれていない憾みはあるものの、一定の評価はなされている。1943年に『ノストラダムスとその予言』(Nostradamus et Ses Prophéties)と改題して再版された。日本では最も早い段階属す渡辺一夫によるノストラダムス紹介では、このブーランジェ著書参考文献一つになったエドガー・レオニEdgar Leoni) 保険受給審査官編集者などを務めていた在野ノストラダムス研究家1925年生まれ大著ノストラダムス生涯文献』(Nostradamus : Life and Literature, 1961)は、学術的なノストラダムス研究書として幅広く用いられている。1982年に『ノストラダムスとその予言』と改題されて再版された。 ウジェーヌ・レーEugène Lhez) 論文ミシェル・ド・ノートルダム父系の先祖」("L'ascendance paternelle de Michel de Nostredame", Provence Historique, T.18, 1968)は、ノストラダムス実証的出自研究対し貴重な貢献行ったものであり、ルロワ伝記研究補完するものとして評価されている。ほか、往復書簡に関する研究もものしている。 エドガール・ルロワ 郷土史家精神科医1883年-1965年サン=レミ移住後、その地にゆかりのあった著名人であるノストラダムスゴッホ研究没頭したノストラダムス実証的な伝記研究先鞭をつける数々論文発表し、そのエッセンス死後ノストラダムス その出自生涯作品』(1972年/1993年)としてまとめられた。 ミシェル・ショマラ 書誌学者出版業者1947年生まれリヨン市立図書館にはノストラダムス関連も含む膨大なミシェル・ショマラ文庫収蔵されている。 『ローヌ川ソーヌ川の間のノストラダムス』(Nostradamus Rhône et Saône, Ger Editeur, 1971)でアカデミー・フランセーズのロシュロン賞を受賞した。ほかに『ノストラダムス書誌 16・1718世紀』(1989年)など。 ダニエル・ルソDaniel Ruzo) ペルー出身実業家考古学博士1900年 - 1991年実業界からの引退後神秘思想研究没頭したスペイン語圏で出版され主著ノストラダムス真正な遺言書』(1975年)はフランス語版出され(『ノストラダムス遺言書1982年)、日本でも大幅な抄訳版が出版された。その前半日本語版ではほぼ全部)を占め信奉者視点による予言解釈には見るべきものがないが、所蔵していた数多く稀覯本フォトコピーを含む)に裏打ちされ書誌研究実証的な研究者からも評価されている。 リベルテ・ルヴェールLiberté E. LeVert世界幻想文学大賞生涯功労賞部門受賞者SF評論エヴリット・ブライラー1920年生まれ)の筆名(Everette BleilerをアナグラムするとLiberté E. LeVertになる)。 『ノストラダムスの予言と謎』(The Prophecies and Enigmas of Nostradamus, Firebell Books, 1979)は、ジェームズ・ランディブリューノ・プテ=ジラールから評価された。 ジャン・デュペーブJean Dupèbeフランス文学者パリ第10大学教授2008年)。 『ノストラダムス公刊書簡集』(Nostradamus: Lettres inédites, Droz, 1983)で、往復書簡校訂要約的なフランス語訳紹介などをおこなった。ほかに論文人文主義者ノストラダムス」("Nostradamus Humaniste", Nostrdamus ou le savoir transmis,1997)など。 ジョルジュ・デュメジル 神話学者アカデミー・フランセーズ会員1898年 - 1986年。 『「灰色の僧がヴァレンヌへ」ノストラダムス風刺劇』(«…Le Moyne noir en Gris dedans Varennes» sotie nostradamique, Gallimard,1984)で、予言詩のモチーフ古代ローマ史からの借用含まれている可能性実例と共に指摘し以後実証的研究転機になったマリー=ウジェニー・ロート=ローズ(Marie-Eugénie Roth-Rose) 音楽家フランス文学者1913年1月2日生まれ。名前はマリニー・ローズ(Marynie Rose)とも。リヨン国立高音楽舞踏学院首席取った音楽教授1987年リヨン第3大学提出され学位論文ノストラダムスの予言文書」で言語学博士号を取得した。この論文は、三巻本として2002年出版された(Les Ecrits Prophétiques de Nostradamus, 3 vols., L'Hermès)。 ロベール・ブナズラRobert Benazra) 『カバラ研究誌』(Cahiers Kabbalah)の創設者編集者ノストラダムス関連研究としては、記念碑的な書誌研究ノストラダムス年譜総覧』(1990年)など。 ジェームズ・ランディ 奇術師1928年生まれジェームズ・ランディ教育財団の設立者。 現地調査まで行った著書ノストラダムス仮面』(The Mask of Nostradamus)は複数言語訳された。日本では皆神龍太郎監修で『ノストラダムスの大誤解』という題で出版された。 ピエール・ブランダムール 西洋古典学者1941年 - 1996年オタワ大学教授として在職中逝去した。『ローマ暦年代学研究』(オタワ大学出版局)ほか、古代ローマ関連の論文複数ある。 ノストラダムス研究分野では、多角的な実証分析行った『愛星家ノストラダムス』、初の本格的な校訂版ノストラダムス初期の百詩篇すなわち(1555年マセ・ボノム版) 予言集』などを著しその後実証的な研究大きな影響与えたベルナール・シュヴィニャール 歴史学者ブルゴーニュ大学教授2004年時点)。1947年8月2日生まれブルゴーニュに関する著作がある。 『ノストラダムス予兆集』(Présages de Nostradamus, Seuil, 1999)で、全154篇の予兆詩1559年までの散文予兆校訂初め行った。ほかに、ノストラダムス秘書シャヴィニーの実証的な分析に関する一連の論文発表している。 ロジェ・プレヴォRoger Prévost) 古典学者高等師範学校学び古典文学アグレガシオン取得した。 『ノストラダムス神話現実』(Nostradamus: mythe et réalité, Robert Laffont,1999)で、予言集の同時代的な読み方展開したジャック・アルブロン 歴史学者1947年12月1日生まれパリ第10大学提出した学位論文フランスにおける占星術テクスト」で歴史学博士号取得。 『ノストラダムス現象に関する利用されてこなかった資料』(Documents inexploités sur le phénomène nostradamique, Feyzin)をはじめとする一連の著書・論文で、ノストラダムス百詩篇集彼の死後捏造された偽書だとする仮説展開し大きな議論巻き起こしたパリ膨大な関連文献図書館「ビブリオテカ・アストロロギカ」を管理・運営しており、そのコレクション一部インターネット公開されている。 ブリューノ・プテ=ジラールBruno Petey-Girard) フランス文学者パリ12大学助教授Maîtres de conférences, 2008年)。ルネサンス期からバロック期にかけての文学専門で、ギヨーム・デュ・ヴェール(Guillaume du Vairに関する著作などがある。 2003年に『ノストラダムス予言集』を出版した。これはブランダムールやプレヴォ研究踏まえた詩篇第7巻までの校訂版である。 エルヴェ・ドレヴィヨンHervé Drévillon歴史学者博士)、パリ第1大学助教授2004年)。近世文化史に関する著作などがある。 「文化制度に関する人類学歴史学研究所」準研究員2004年)のピエール・ラグランジュと共に、『ノストラダムス永遠回帰』(邦題ノストラダムス予言真実』)を執筆したピーター・ラメジャラーPeter Lemesurier) 著述家翻訳家1936年生まれ20冊を超える著書を英語で発表しており、いくつか外国語にも訳されている。 『ノストラダムス百科全書』(1997年邦訳は2分冊)の時点では信奉者的な観点から予言解釈展開していたが、その後同時代的な視点重視するようになった実証的な研究としては、ノストラダムス生誕500周年期して2003年刊行された2冊『未知ノストラダムス』(The unknown Nostradamus, O-Books)と『ノストラダムス解説された予言集』(Nostradamus: The Illustrated Prophecies, O-Books)などがある。 アンナ・カールステットAnna Carlstedt) フランス文学者ストックホルム大学提出した学位論文ノストラダムス神託詩歌」で文学博士号を取得した。この文献2005年公刊されている。関連する論文として「『憂鬱質ノストラダムス預言者扮し詩人か?」(“«Nostradamus mélancolique»: un poète déguisé en prophète?”, Nouvelle revue du XVIe siècle, 22/2, 2004)など。 高木彬光 推理作家1920年 - 1995年五島勉『ノストラダムスの大予言』ブームになった際に、いち早く疑問提起した関連する著書に『ノストラダムス大予言秘密』(日本文華社1974年角川文庫1975年)がある。 志水一夫 科学解説家。1954年 - 2009年執筆分野多岐にわたる単著に『トンデモ超常レポート傑作線』(楽工社)など。ノストラダムス関連では星雲賞ノミネート作の『大予言の嘘―占いからノストラダムスまで その手口と内幕』、『トンデモ・ノストラダムス解剖学』(ともにデータハウス刊)など。 竹下節子 比較文化史家評論家伝記ノストラダムス生涯』(朝日新聞社1998年)、エッセイ集さよならノストラダムス』(文藝春秋社1999年)を上梓した。 山本弘 SF作家と学会会長代表作に『神は沈黙せず』(角川書店)など。『トンデモ ノストラダムス本の世界』(洋泉社1998年宝島社文庫1999年)、『トンデモ大予言後始末』(洋泉社2000年)などにおいて、ノストラダムス解釈者たちについてユーモア織り交ぜて紹介した高田勇 フランス文学者1931年生まれ元明大学文学部教授伊藤進と共にノストラダムス予言集』(岩波書店)の編訳行ったほか、樺山紘一村上陽一郎と『ノストラダムスルネサンス』(岩波書店)を共編した後者には高田の2篇の論文(「フランス文学史の中のノストラダムス」、「ノストラダムス物語生成」)が収められている。 伊藤進 フランス文学者1949年生まれ中京大学教養部教授著書に『怪物ルネサンス』(河出書房新社)など。高田勇と共にノストラダムス予言集』(岩波書店)の編訳行ったほか、ドレヴィヨン&ラグランジュノストラダムス予言真実』(創元社)の日本語監修者務めた田窪勇人 エンジニア1999年)。サイトノストラダムス研究室」を運営する在野研究者だが、その知識深さアプローチ堅実さ竹下節子山本弘から高く評価されている。 公刊され論考としては「日本におけるノストラダムス受容史」(『ユリイカ1999年2月所載)、「ノストラダムス世界にみるハーブ」(『アロマトピア』 第53所載)などがある。また、Laroche [2003]には、参考文献ひとつとしてノストラダムス関連日本語文献書誌1969年-1995年)」(Takubo,Hayato. Bibliographie des livres sur Nostradamus en japonais (1969-1995), Hiroshima)という文献挙げられている。

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