推理作家とは? わかりやすく解説

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推理作家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/19 23:59 UTC 版)

推理作家(すいりさっか)は、推理小説を主として著す小説家ミステリー小説家とも呼ばれる。


注釈

  1. ^ 江戸川乱歩横溝正史の『真珠郎』の序文に「この作者は探偵作家でありながら」と記述している[1]
  2. ^ 横溝正史は「三つの探偵トリオ」というエッセイの冒頭に「探偵作家が何に一番苦労するかといえば」と記述している[2]
  3. ^ 坂口安吾は「『蝶々殺人事件』について(推理小説論)」の冒頭に「日本の探偵作家の間に、探偵小説芸術論という一風潮があって」と記述している[3]
  4. ^ 昭和23年度探偵作家クラブ賞贈呈式のテーブルスピーチで、城昌幸は「坂口氏の作品は読み辛いし面白くないがいわゆる探偵作家でない氏をこのクラブが重んずることにファインプレイを感ずる」、渡辺啓助は「坂口氏のはこみ入っていて疲労を感ずるものゝその情勢は買はなくてはならぬし、いわゆる探偵作家以外の新しい挑戦としての意味がある」、木々高太郎は「即ち探偵小説の時は探偵作家になったとみるので、純文学が書けることが探偵小説を文学にし得るのではなく探偵小説から文学たり得るものが生れるといへるので、探偵小説から文学へ突き抜けなければいけないと思ふ」と述べている[4]
  5. ^ 『クイーン談話室』(1957年)など。

出典

  1. ^ 横溝正史『昭和ミステリ秘宝 真珠郎』(第1版)扶桑社扶桑社文庫〉、2000年10月30日、444頁。ISBN 978-4-59-402993-7 
  2. ^ 小林信彦 編『横溝正史読本(改版)』(第1版)角川書店角川文庫〉、2008年9月25日、207頁。ISBN 978-4-04-138216-5 
  3. ^ 小林信彦・編『横溝正史読本(改版)』(第1版)角川書店〈角川文庫〉、2008年9月25日、242頁。ISBN 978-4-04-138216-5 
  4. ^ 1949年 第2回 日本推理作家協会賞 長編部門 その他「中島河太郎 選考経過を見る」”. 日本推理作家協会賞 公式サイト. 2020年6月20日閲覧。


「推理作家」の続きの解説一覧

推理作家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 23:52 UTC 版)

松本清張」の記事における「推理作家」の解説

江戸川乱歩 編集長務めた雑誌宝石』に、清張『ゼロの焦点』連載時の題『焦点』)を連載させており、その休載時に清張対談行ったが、これが記録として残っている乱歩清張による唯一の対談である。また、推理小説指南書推理小説作法』(1959年光文社2005年光文社文庫)を清張共編している。 清張は特に「二銭銅貨以降続々発表され乱歩初期短編愛読し、「大変な天才現われた」「日本も本格的な探偵小説作家出た驚嘆した」と絶大な評価与えている。のちの通俗長編に対しては「独自性野心的なものは、残念ながら影を潜め」「作品価値的には遂に長い空白時代が続く」など厳し感想が多いが、一方では「面白さにかけてはそれなりに独自のもの持っている爾後模倣者の及ぶところではなく乱歩才能非凡さ示している」と一定の評価述べている。 一方で乱歩による清張作品対す踏み込んだ評論は特に残されていない乱歩は『幻影城』「探偵小説純文学論を評す」では、自身見解を「文学的本格論」と称していた。他方国産本格推理昭和20年代状況に関しては、横溝正史高木彬光活動にもかかわらず悲観的な認識持っていた。 鮎川哲也は、乱歩体調崩したのち、清張池袋白雲閣居た乱歩訪問し、畳に手をついてお辞儀し、敬意表現していたと伝えている。 乱歩死後清張三島由紀夫中島河太郎と共に、『江戸川乱歩全集』(講談社・全15巻1969 - 70年)の編集委員務めた木々高太郎 推理小説家として初め直木賞受賞した作家であるが、清張処女作西郷札」を認め編集委員務めていた雑誌三田文学』に「記憶」「或る小倉日記』伝」を発表する機会与えるなど、清張世に送り出す役割果たしている。清張も「日本探偵小説知性与えた最初の人」と木々小説作品高く評価し、『木々高太郎全集』(朝日新聞社・全6巻)の監修者務めている。 横溝正史 江戸川乱歩らとの座談会(『別冊宝石』第109収録)では、社会派推理小説流行に関して作家は(時流に)受けるものを書くのではなく好きなものを書く」として、距離を置く発言をしている。ただし、後年には社会派影響受けた作品執筆しており、「本格推理小説復興するにしても松本清張氏が築き上げたリアリズム洗礼受けたものでなくてはならないでしょう」とトーン変化させている。なお、清張横溝作品を「お化け屋敷」と呼んだとされることがあるが、清張横溝作品指してそのように呼んだ事例は、『随筆 黒い手帖』を含めて実際に存在しない。にもかかわらず、この解釈生じた背景一つとしては、1957年行われた荒正人清張論争があり、その中で荒は、清張文章が名前を伏せた横溝批判相当するではないか主張している。 森村誠一 最初著作出版以降清張数回会っているが、のちに清張印象を以下のように総括している。「乱歩さんや(横溝正史さんは、後進新人に非常にあたたかい松本清張さんは全く逆です。まず新人に対しては、疑惑警戒目を向ける大切な自分作品という卵を産む限界能力犠牲にしてまで、どうして俺が新人育成をしなきゃいけない、自分作品を産むのに忙しい。いうなれば自分作品しか見つめていない方です。これは私自身も、清張さんの姿勢作家として見習なければいけないと思います」。 山村美紗 江戸川乱歩賞落選作を清張推薦したことにより、最初著作マラッカの海に消えた』を出版することができた。初版本の帯には「トリック豊富さ物語性評価」と清張言葉記され、「G・K・チェスタトンに迫るトリック」と高い評価与えている。また山村から見た清張印象述べたものとして、エッセイミステリーに恋をして』(1992年光文社文庫)がある。 西村京太郎 山村美紗モデルにした小説(『女流作家』『』)を書いているが、その作中清張思わせる作家蔵田登場している。作中では、蔵田ヒロイン夏子山村)に好感持っており、主人公矢木西村)と付き合うのを止めるよう告げる旨のセリフ言わせている。また「作家になったのは、清張作品読んで、これなら自分でも書けると錯覚したのがきっかけ」と述べている。 島田荘司 日本における本格推理復興大きな契機作った一人とされるが、清張に関しては「社会派作家としては最もトリックが多い」「清張さんはトリック重視」として、一定の評価与えている。その後島田清張推理小説を、自然主義と結びつけて解釈する見解示している。ただし、最も印象深い清張作品に関しては、トリッキー推理作品ではなく、『半生の記』「火の記憶」であると述べている。島田ノンフィクション作品秋好英明事件』を書いているが、島田秋好支援熱中させたのは、これら清張作品潜在記憶であると回顧している。 宮部みゆき 初期短編から最晩年作品まで清張作品愛読しており、『松本清張傑作短編コレクション』(2004年文春文庫・全3冊)の編者務めた。また2009年生誕100周年記念事業の際に大沢在昌京極夏彦と共に記念講演会開催し清張めぐって奥泉光半藤一利北村薫対談行っている。 森雅裕 作家デビュー前出版社アルバイトしていた頃、清張宅に新聞等の資料届け仕事をしていたが、原稿催促に来た編集者勘違いされて「締め切りはまだだろう!」と日本刀持ち出され追い返され経験を持つ。

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推理作家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 01:22 UTC 版)

推理小説」の記事における「推理作家」の解説

詳細は「推理作家」を参照 推理小説を著す作家は推理作家、ミステリ作家などと呼ばれる推理小説専業にする作家と、他のジャンル小説をも同時に手がける作家との2つ大きく分けられる近年では、作家本人推理小説書いている意識がないのにも関わらず読者評論家から推理作家に分類される場合があるなど、書き手と読み手との意識のずれもみられる前述のようにパズル・ミステリ執筆しているのはパズルクイズ作家多く、推理作家に分類されることはない。 著名な作家については推理作家一覧参照

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