生活様式 生活様式の概要

生活様式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/12 07:01 UTC 版)

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同じ社会に所属している人間とは、人生の基本的な構成要素である生産消費家庭労働がそれぞれが同じような形式で行っている様を指すが、それは成員のそれぞれが物事の認識や行動の基準を共有できているがゆえである。この生活様式とは社会や時代が異なればそれだけ多様性を持つことになり、異なった生活様式を理解するということは異文化理解であるとも言える。同じ社会の中でも分化が発生し、そこから階級階層が発生したならば価値観も多様化していくこととなり、このことから一つの社会の中に複数の生活様式が表れるようになる。

生活様式という語は、オーストリアの心理学者アルフレッド・アドラー によって「小児期に確立された人の基本的性格」の意味で導入された[3] 。「生きる方法や様式」というより広い意味での生活様式は1961年以降論じられるようになった[3][4]。生活様式は、具体的・抽象的の要素の決定の組み合わせである。具体的要因は特に人口統計学的な変数、すなわち個人の人口統計学的プロフィールに関係し、抽象的要因は個人の価値観嗜好・物の見方など個人の心理的側面に関係する。

近年では、地球環境に意識した循環的で恒常性を帯びた世界的な取り組みと、広域な感染症の伝播や自然災害、各国の政治動向によって、より社会資本に依存した複雑で多様な生活様式が繰り広げられている一方で、難民や旧来の密林等における原住民の生活様式も含めるよりは、より文化文明的な要素があり大量生産消費活動から必要最小限なステージに移行している。

個人のアイデンティティ

生活様式は一般に、個人の態度・生き方・価値観・世界観を反映するものである。したがって、生活様式は自己意識を養い、個人のアイデンティティと共鳴する文化的シンボルを創り出す手段である。生活様式のすべての側面が自発的なものであるとは限らない。周囲を取り巻く社会的・技術的システムも個人のとりうる生活様式の選択肢や、他者ないし自己に投影することのできるシンボルを制約しうる[5]

近代社会において、人格的アイデンティティと、特定の生活様式を示す日常的営為の間の線引きは曖昧になりつつある[6]。例えば、「グリーンな生活様式」とは、より資源消費を抑え、(エコロジカル・フットプリントを減らすなど)有害な排出物を減らすという信念を持ち、行動に取り組むと同時に、こうした信念・行動に従うという自己意識を得ることを意味する[7]。近代における生活様式構築の要は消費行動であると主張する論者もいる。異なる生き方を特徴づけるさまざまな商品あるいはサービスを用いることで、自己を創造し、より個人化するための可能性が与えられるからである[8]

生活様式は政治・宗教・健康・愛情行為等に対する見方をも含むものである。これらの側面はみな、その人の生活様式を形成する役割を果たす[9]

メディア文化における生活様式

「生活様式」という用語は、テオドール・アドルノによれば、1950年代に芸術用語における様式(スタイル)英語版からの派生で導入された[10]

芸術における様式の文化産業へのリサイクルである「生活様式」は、かつて一時は否定性(衝撃・解放性)を持っていた美的カテゴリーが、商品消費の質へと転換したさまを体現している。

アドルノは、マスメディアを巻き込んだ「文化産業」は存在するが、「大衆文化」という用語は妥当ではないと指摘する[11]

我々の草稿で、「大衆文化」について触れた。 その表現を「文化産業」に置き換えることで、次のような意見の支持者に同意されうる解釈をあらかじめ除外した。すなわち、それが大衆自体から自然に生じる文化のようなもの、現代的な形式の大衆芸術にまつわるものなのだ、という意見である。

先進資本主義にけるメディア文化は一般に、新商品の消費を促すために新たな生活様式を創り出す[10]

多様性は以前よりも効果的にマスメディアに表れているが、それが明白で疑う余地のない吉報というわけではない。1950年代後半までに、資本拡大の目的に対して意識の均質化は逆効果になった。つまり、新しい商品に対する新たなニーズを創造しなければならず、そのためにはそれまで排除されてきた最低限の否定性を再び持ち込む必要があったのである。戦後の統一と安定化の時代に至るまで近代を通じて芸術の特権であった新しさの崇拝は、それが元来起こったところの資本の拡大に先祖返りした。しかしこの否定性は、日常生活の基本的構造の変化を予感させるものではないため、衝撃的でも解放的でもない。 それどころか、資本は文化産業を通じて、新しく「一味違った」商品の絶えざる生産のなかで通時的に、またそれまでにない「生活様式」の推進のなかで共時的に、否定のダイナミクスを取り入れてきたのである。



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