生活様式と社会的地位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 03:55 UTC 版)
生活様式に関する初期の研究は、社会構造とその中での個人の相対的地位の分析に重きをおいていた。ソースティン・ヴェブレンは、人々が自分より下位とみなす社会階層との差別化、上位とみなす階層との競争への欲求にしたがって、特定の「生活の枠組み」とりわけ決まったパターンの「衒示的消費」を受け入れるのだと主張し、「競争」の概念とともにこの視座を提唱した。 マックス・ヴェーバーは生活様式を、威信の認識の弁証法と密接に結びついた階層集団の特徴的要素とみなした。すなわち生活様式は(同一の社会階級の中でさえ)社会的差異の最も目立つしるしであり、またそれは特に、個人が自ら享受していると思っているないしは欲しているところの威信を示すものである。 ゲオルク・ジンメルは、生活様式の形態的な分析を行っているが、その核心には、個人化・自己同定・差異化・認識のプロセスが見受けられる。これは「垂直的」「水平的」にはたらくような、生活様式を創り出すプロセスであると同時に、生活様式によって創出された効果であると理解することができる。 最後にピエール・ブルデューは、このアプローチをより複雑なモデルの中で刷新した。ここでは生活様式は主として社会的実践の中で作り上げられ、個人の嗜好に密接に結びついたものであって、場の構造とハビトゥスに関連したプロセスとの間の相互関係の基本的な点を示すものである。
※この「生活様式と社会的地位」の解説は、「生活様式」の解説の一部です。
「生活様式と社会的地位」を含む「生活様式」の記事については、「生活様式」の概要を参照ください。
- 生活様式と社会的地位のページへのリンク