生活様式のアラブ化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/12 14:12 UTC 版)
9世紀以降のキリスト教徒は服装や身だしなみの基本、服の仕立て具合や色合いなどをアラブにまねた。流行はまず比較的裕福なモサラベの若者が金持ち有力者ムスリムの息子たちを真似ることから始まり、それから広がっていった。当時のキリスト教徒の手記には「われわれは彼ら流に衣をまとっては絹を好む。彼らのように香水をつけ、宝石や衣服の豊かさを自慢する」とまねる誘惑には抗しがたいとの記述がある。モサラベの良家の女は、外出時にヴェールを被る習慣を身につけた。 食文化もまた、アラブの影響を受けた。神聖ローマ帝国を創建しようとしていたオットー1世がコルドバに大使として派遣したロレーヌの聖職者は、アル=アンダルスのキリスト教徒が「ムスリムの真似をして」、豚を全く食べなくなったことに驚いている。実際、豚に対するタブーは絶対的であり、もし豚が穀物用サイロに落ちて死んだら、その穀物は汚されたと見なされ、食べることも、買うことも、税としてムスリム当局に差し出すこともできなくなったほどである。そのため、キリスト教徒が豚を飼わなくなるのもしばしばだった。 富裕なモサラベは家のなかをタペストリー、クッション、ソファ、壁掛けで飾った。キリスト教徒たちはアラブの詩歌にも、その音楽にも心酔した。
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