月 (浜松市)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 月 (浜松市)の意味・解説 

月 (浜松市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/28 04:12 UTC 版)

「月まで3km」の標識(天竜区船明・船明トンネル脇)
月の位置
北緯34度55分1.6秒 東経137度48分27.0秒 / 北緯34.917111度 東経137.807500度 / 34.917111; 137.807500
日本
都道府県 静岡県
市町村 浜松市
天竜区
地区 天竜地区
面積
 • 合計 4.626646 km2
標高
61.6 m
人口
2018年(平成30年)12月1日現在)[3]
 • 合計 86人
 • 密度 19人/km2
等時帯 UTC+9 (日本標準時)
郵便番号
431-3763[4]
市外局番 053(浜松MA[5]
ナンバープレート 浜松
※座標・標高は浜松市天竜林業体育館(月957番地の1)付近
テンプレートを表示

(つき)は静岡県浜松市天竜区大字

地理

天竜川支流・谷沢川にかかる月橋
(「ここは浜松市月」と書かれている)

浜松市天竜区の中部に位置する。地域内には136から990までの番地が散在している[6]

天竜川船明ダム湖の一部がこの地域に属しており、湖に沿った形で国道152号線から分岐した静岡県道360号渡ヶ島横山線が敷設されている。この道路を通り船明伊砂から横山町へ通り抜けることができる。地名の珍しさから、「月旅行へ行ける」との惹句もある[7]

河川

湖沼

歴史

「月」の由来が書かれた石碑(月の形をしている)

南北朝時代に鈴木左京之進によって月と名付けられた[8]遠江国豊田郡の一部として、江戸時代には幕府領月村であり、石高は幕府領内で121石であった[9]。その後、明治時代には月村は浜松県豊田郡に属し、1889年明治22年)4月1日には、町村制の施行により横山村、西雲名村、大嶺村、戸倉村、谷山村、佐久村、相津村、山中村、小川村、東雲名村、伊砂村と合併して豊田郡龍川村の一部となる[10]1896年(明治29年)4月1日には、郡制の施行により所属郡が磐田郡に変更された[10]。その後は龍川村の合併とともに、1956年昭和31年)9月30日二俣町1958年(昭和33年)11月3日天竜市[10]2005年平成17年)7月1日に浜松市と所属を変え[11]2007年(平成19年)4月1日には浜松市政令指定都市への移行に伴い、旧村域はすべて天竜区に属した[12]

また、下流部に1972年(昭和47年)から船明ダムの建設がスタートし、1977年(昭和52年)に完成した[13]。ダム湖となった月の一部に、浜松市営天竜ボート場月艇庫が建設され、平成元年度の3月(平成2年3月)からは、全国高等学校選抜ボート大会が毎年開催されている[14]2003年(平成15年)には第58回国民体育大会のボート競技が開催された[15]

2014年(平成26年)3月8日から3月9日にかけて浜松田舎暮らし推進事務局の主催で「東京発 新東名に乗って 月に行こう!」と題した移住促進イベントが月を中心に開催された[16]

2021年7月1日に新潮社から発行された伊与原新の「月まで三キロ」では同地区まで3キロを示す標識が題材となっている[17][18]。さらに同市東区の食品メーカー、ヤタローは小説の「月まで三キロ」をイメージした洋菓子を発売した[19][20]

地名の由来

楠木正成に仕えていた源氏の一族である鈴木左京之進が、南北朝時代に12名の家来をつれてこの地に落ち延びた。そのとき左京之進は「楠木正成の心の清らかさこそ中空にかかるのようである。吾等の心の在り方を地名に残そう。」と考え、この地を「月」と命名した。また、別説では古詩にちなみ、「今は12名となってしまったが、やがて満月のように発展しよう」と願い「月」と名付けたともされる[8]。これらの説を地名の由来として、平成27年(2015年)には天竜ボート場月艇庫付近(月光山海蔵寺前)に石碑が建立されている[8]

沿革

世帯数と人口

2018年(平成30年)12月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[3]

大字 世帯数 人口
46世帯 86人

学区

市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる[21]

番・番地等 小学校 中学校
全域 浜松市立横山小学校 浜松市立光が丘中学校

かつて、公立高等学校全日制普通科に学区があった時、磐周学区の区域だった。

交通

浜松駅から自動車で約1時間、新東名高速道路浜松浜北ICから自動車で約15分を要する[16]

道路

バス

  • 浜松市自主運行バス北遠本線『伊砂入口』バス停(月集落への最寄りバス停。なお上記にある『月まで3キロ』の道路看板もこのバス停が最寄りとなる。)
  • 浜松市天竜ふれあいバス大白木線月島バス停(火・木のみ運行で祝日と年末年始は運休。事前予約制。月の集落に最も近い。)
  • 全国高等学校選抜ボート大会の開催期間中は、船明ダムよりシャトルバスが運行される[22]
  • 遠鉄バス秋葉線 月バス停(かつて、朝に西鹿島駅方面1本のみの運行[23]していた。月の対岸[24]の相津に所在し、月の集落まで徒歩1時間程度を要する。なお、前記の自主運行バス北遠本線は停車しない。秋葉線の唐沢~山東間の廃止[23]に伴い、2022年に廃止された[23][25]。)

施設

天竜ボート場月艇庫

天竜ボート場の月艇庫がある。全国高等学校選抜ボート大会の会場として毎年使われており[26]2003年(平成15年)には第58回国民体育大会のボート競技会場にもなっている[15]

  • 天竜ボート場月艇庫
  • 天竜林業体育館
  • 湖畔の家
  • 浜松市消防団天竜第7分団
  • 八王子神社
  • 海蔵寺

その他

日本郵便

警察

町内の警察の管轄区域は以下の通りである[28]

番・番地等 警察署 交番・駐在所
全域 天竜警察署 船明交番

脚注

出典

  1. ^ 静岡県浜松市天竜区月大倉 - 人口総数及び世帯総数”. 人口統計ラボ. 2017年3月2日閲覧。
  2. ^ 静岡県浜松市天竜区月月島 - 人口総数及び世帯総数”. 人口統計ラボ. 2017年3月2日閲覧。
  3. ^ a b 区別・町字別世帯数人口一覧表”. 浜松市 (2018年12月5日). 2018年12月13日閲覧。
  4. ^ a b 郵便番号”. 日本郵便. 2018年12月13日閲覧。
  5. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2018年12月13日閲覧。
  6. ^ 静岡県浜松市天竜区月の地番一覧”. ZENRIN DataCom CO.,LTD.. 2017年2月11日閲覧。
  7. ^ 静岡県内で、「月旅行」に行ってきました”. 公益財団法人 国際文化交友会 月光天文台. 2017年2月11日閲覧。
  8. ^ a b c "月部落の由来",設置者:月島自治会、文責:月光山海蔵寺八世 灌峯文雄.(歴史節右部画像参照)
  9. ^ a b 旧高旧領取調帳データベース”. 国立歴史民俗博物館. 2017年2月12日閲覧。
  10. ^ a b c d e f g h 角川日本地名大辞典22 静岡県
  11. ^ a b 合併の経緯”. 浜松市. 2017年2月12日閲覧。
  12. ^ a b 地域自治区制度について”. 浜松市. 2017年2月12日閲覧。
  13. ^ 船明ダム”. 浜名湖国際頭脳センター. 2017年2月12日閲覧。
  14. ^ 全国高等学校選抜ボート大会”. 浜松市. 2017年2月11日閲覧。
  15. ^ a b 国民体育大会第58回大会(平成15年・2003年開催)”. 公益財団法人日本体育協会. 2017年2月11日閲覧。
  16. ^ a b 東京発田舎暮らし交流体験ツアーの参加者募集”. 浜松田舎暮らし推進事務局 (2014年2月24日). 2016年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年3月2日閲覧。
  17. ^ 「人生にほんの少しの彩りがあれば前を向ける」 作家・伊与原新が『月まで三キロ』で伝えたかったこと 新刊JP 2019年1月18日 2025年2月14日閲覧
  18. ^ 天竜川のダム湖を眺め…看板以外に何もないけれど自然あふれる特別な場所 伊与原新『月まで三キロ』浜松市天竜区・道路案内標識 zakzak 2023年1月17日 2025年2月14日閲覧
  19. ^ 天竜の「月」 ヤタローが小説イメージした洋菓子を発売 中日新聞 2020年11月13日 2025年2月14日閲覧
  20. ^ 小説「月まで三キロ」イメージでお菓子に ヤタローが開発 静岡新聞 2020年11月4日 2025年2月14日閲覧
  21. ^ 小・中学校の通学区域”. 浜松市. 2018年12月13日閲覧。
  22. ^ 全国高等学校選抜ボート大会のお知らせ”. 浜松市天竜区まちづくり推進課. 2017年2月11日閲覧。
  23. ^ a b c 浜松市天竜区の「月」停留所 バス路線廃止により今月限り”. 中日新聞しずおかWeb (chunichi.co.jp). 中日新聞社 (2022年9月15日). 2022年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月28日閲覧。
  24. ^ 遠鉄バス路線図”. 遠州鉄道. 2017年2月11日閲覧。
  25. ^ 【2022年10月1日(土)実施】運行終了路線のご案内”. 遠鉄バス (lekumo.biz) (2022年9月1日). 2022年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月28日閲覧。
  26. ^ 全国高等学校選抜ボート大会”. 浜松市. 2017年2月11日閲覧。
  27. ^ 郵便番号簿 平成29年度版 - 日本郵便. 2018年12月13日閲覧 (PDF)
  28. ^ 船明(ふなぎら)交番|静岡県警察”. 天竜警察署. 2024年11月11日閲覧。

関連項目

外部リンク


「月 (浜松市)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「月 (浜松市)」の関連用語

月 (浜松市)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



月 (浜松市)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの月 (浜松市) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS