四谷怪談
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お岩稲荷
現在、四谷左門町には於岩稲荷田宮神社と於岩稲荷陽運寺が、道を挟んで両側にある。また、中央区新川にも於岩稲荷田宮神社がある。
四谷の於岩稲荷田宮神社(田宮家跡地)は1879年(明治12年)の火災によって焼失して新川に移った。新川の於岩稲荷田宮神社は戦災で焼失したが太平洋戦争後に再建され、また四谷の旧地にも再興された。
陽運寺は昭和初期に創建された日蓮宗の寺院である。境内には「昭和32年に新宿区より文化財に指定されていたお岩様ゆかりの井戸」があり、また境内にある秦山木の下には「お岩様縁の祠」があったと伝えられている[6]。元々は於岩稲荷田宮神社が中央区新川に移転した際、地元の名物が無くなって困った地元の有志が「四谷お岩稲荷保存会」を立ち上げ、この時、本部に祀ったお岩尊という小祠が大きくなったのが陽運寺の成り立ちである。
お岩稲荷が複数もできた要因としては単純に儲かるためである。歌舞伎俳優は元より、お岩の浮気に対して見せた怨念から、男の浮気封じに効くとして花柳界からの信仰を集めたため、賽銭の他に土産物などで地元経済が潤ったからである。このため、『東京日々新聞』『東京曙新聞』といった明治期の新聞には小川某なる人物が何度ももう一つのお岩稲荷を作ろうと画策したことが、記事として残されている[2]。
なお、お岩の「お墓」が、巣鴨の妙行寺(明治時代に四谷から移転)にある。恐らくは2代目田宮伊右衛門の妻の墓だろうと推測される[7]。
参考・関連文献
- 河竹繁俊 編『近世実録全書 第4巻』早稲田大学出版部、1928年(昭和3年)。
- 高田衛 編『日本怪談集 江戸編』河出書房新社、1999年(平成11年)。ISBN 4309403425
- 『田宮神社由来記』於岩稲荷田宮神社。
- 皆神龍太郎、志水一夫、加門正一著『新・トンデモ超常現象56の真相』太田出版。
- 永久保貴一『検証四谷怪談・皿屋敷』朝日ソノラマ、1996年(平成8年)。ISBN 4257902744
四谷怪談を描いた作品
- 落語
- 絵画
- 小説
- 映画(戦後)
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- 『新釈四谷怪談(前・後篇)』(1949年(昭和24年)松竹、監督:木下惠介、伊右衛門:上原謙、お岩:田中絹代)
- 『四谷怪談』(1956年(昭和31年)新東宝、監督:毛利正樹、伊右衛門:若山富三郎、お岩:相馬千恵子)
- 『四谷怪談』(1959年(昭和34年)大映、監督:三隅研次、伊右衛門:長谷川一夫、お岩:中田康子)
- 『東海道四谷怪談』(1959年(昭和34年)新東宝、監督:中川信夫、伊右衛門:天知茂、お岩:若杉嘉津子)
- 『怪談お岩の亡霊』(1961年(昭和36年)東映、監督:加藤泰、伊右衛門:若山富三郎、お岩:藤代佳子)
- 『四谷怪談』(1965年(昭和40年)東京映画、監督:豊田四郎、伊右衛門:仲代達矢、お岩:岡田茉莉子)
- 『四谷怪談 お岩の亡霊』(1969年(昭和44年)大映、監督:森一生、伊右衛門:佐藤慶、お岩:稲野和子)
- 『魔性の夏 四谷怪談より』(1981年(昭和56年)松竹、監督:蜷川幸雄、伊右衛門:萩原健一、お岩:関根恵子)
- 『忠臣蔵外伝 四谷怪談』(1994年(平成6年)松竹、監督:深作欣二、伊右衛門:佐藤浩市、お岩:高岡早紀)
- 『嗤う伊右衛門』(2004年(平成16年)東宝配給、原作:京極夏彦、監督:蜷川幸雄、伊右衛門:唐沢寿明、お岩:小雪)
- テレビドラマ
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- 『怪奇ロマン劇場・四谷怪談前編 後編』(1969年(昭和44年)8月23日 - 30日、NET、田村高廣、長門裕之)
- 『日本怪談劇場 四谷怪談 稲妻の章・水草の章』(1970年(昭和45年)8月8日 - 8月15日、東京12チャンネル、田村高廣、嵯峨京子)
- 『怪談』第1話「四谷怪談」(1972年(昭和47年)7月21日、NET、天知茂、円山理映子)
- 『日本名作怪談劇場』第3話「四谷怪談」(1979年(昭和54年)7月4日、東京12チャンネル、伊吹吾郎、八木孝子)
- 『日曜劇場』夏のサスペンスシリーズ「新・四谷怪談」(前・後編)(1987年8月23日・8月30日、TBS、伊右衛門:役所広司、お岩:坂口良子、お袖:岸本加世子)
- 『妻そして女シリーズ・四谷怪談』(1991年(平成3年)7月29日 - 8月9日、毎日放送、磯部勉、吉沢京子)
- 『怪談百物語・四谷怪談』(2002年(平成14年)8月13日、フジテレビ、伊右衛門:原田龍二、お岩:菅野美穂)
- 『日本史サスペンス劇場・四谷怪談の真実』(2008年(平成20年)4月16日、日本テレビ、伊右衛門:金子昇、お岩:須藤温子)
- 漫画作品
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- つのだじろう『恐怖新聞』(1973年(昭和48年) - 1976年(昭和51年) 『週刊少年チャンピオン』)「黒の頁 真説四谷怪談」
- アニメ作品
- 音楽
四谷怪談をモチーフとした作品
- 映画・テレビドラマ
- 舞台
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- 岩波ホール演劇シリーズ『東海道四谷怪談』(1976年(昭和51年)岩波ホール)
- 四谷於岩稲荷田宮神社勧進奉納舞台『なぞらえ屋 〜奇巡四谷怪談〜』(2009年(平成21年)9月18日 - 20日、築地本願寺ブディストホールにて上演。La Moon主催、原作・脚本:有里紅良、演出:石山英憲[Theatre劇団子]トータルデザイナー:夢来鳥ねむ)
- 田宮神社の禰宜よりの依頼により勧進奉納舞台とする事を目的に製作された作品。四谷怪談の伝承が、そのまま現代人を縛る「轍(てつ。作内用語で人の行動に影響を与える思い込みや反射条件の事)という楔」となる可能性を示唆する内容となっている。
- 新国立劇場 2014/2015シーズン『東海道四谷怪談』(2015年(平成27年)6月10日 - 28日、新国立劇場 中劇場にて上演。演出:森新太郎、上演台本:フジノサツコ)
- 木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談 ー通し上演ー』(2012年(平成24年)11月21日 - 24日、あうるすぽっとにて初演。2017年(平成29年)5月、京都芸術劇場・春秋座、あうるすぽっとにて再演。監修・補綴:木ノ下裕一、演出:杉原邦生[KUNIO])
- 現行の歌舞伎上演ではカットされることの多い場面や登場人物を含む、上演時間6時間の通し上演。
- 漫画作品
- ^ “歌舞伎座「九月大歌舞伎」 四谷怪談の決定版”. 産経ニュース (2021年9月16日). 2021年9月16日閲覧。
- ^ a b 『新・トンデモ超常現象56の真相』
- ^ 小池壮彦「お岩」『幽霊の本』学研、1999年(平成11年)
- ^ 岡本綺堂 著、岸井良衞 編『江戸に就いての話(新装版)』青蛙房、2010年(平成22年)
- ^ 二代目竹田出雲・三好松洛・並木千柳の合作『仮名手本忠臣蔵』の設定。「東海道四谷怪談 歌舞伎脚本集」 (夕陽亭文庫) など
- ^ 陽運寺公式サイト
- ^ 『書上』では発狂の後に失踪とあるので墓の建てようがなく、三田村鳶魚は「供養塔なら不審もないが、墓所なのだからお話にならぬ」と切って捨てている。また、妙行寺は赤坂・四谷と転々としており、お岩の墓も巣鴨から移ってきたが、墓の中には遺骨もなにも入ってなかったといわれている(『新・トンデモ超常現象56の真相』)。
四谷怪談と同じ種類の言葉
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