アダルトチルドレン アルコール問題家族で育った人(ACOA)の印象の類型

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アダルトチルドレン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/20 00:40 UTC 版)

アルコール問題家族で育った人(ACOA)の印象の類型

クラウディア・ブラックは1982年の著作で、ACOAの挫折や障害を、彼らが子供時代に行っていた機能不全家庭でのふるまいに遡って分析し、アルコール問題家族の子供たちは暗黙のルールとして「しゃべるな。信じるな。感じるな」という信念を持っていることが多いと述べている。またブラックは、ACOAの子供時代の家庭での役割を「責任を背負いこむ者」、「順応者」、「なだめ役」、「行動化する子供」の4タイプに分けて[15]、アメリカのセラピスト、W.クリッツバーグは、6タイプに分けて分析している[37]。こうしたタイプ分けは、臨床におけるアダルトチルドレンの「印象」、当時のアメリカでアダルトチルドレンと呼ばれた人々の子供時代の性格の傾向をとりあえずまとめたものであり、これらの妥当性や信頼性を確認した研究は少なく、臨床における確認も不十分である[5][38]

  • ヒーロー(英雄)
家族の内外で評価され、家族がさらなる活躍を期待することで、それに過剰に応え続けようとする。自分の活躍で冷えた両親の関係が一時的に良くなったりするため、がんばりすぎてしまう[38]
  • スケープゴート(いけにえ)
関心を引くために好ましくない行動をとる。一家の負の部分を背負い込まされ、「この子さえいなければ、すべては丸く収まるのではないか」という幻想を他の家族が抱くことで、家族の崩壊を防ぐ役割となっている。非行に走っているように見えるが、実はこのタイプということもある。ヒーローの逆のタイプ[38]
  • ロスト・ワン(失われた子供、いない子)
目立たず静かにふるまい、普段はほとんど忘れられている。家族の人間関係から距離を取り、心を守るための行動である[38]
  • マスコット、クラン(道化師)
プラケーターの亜種。道化師のような行動で家族間の緊張を和ませる潤滑油的存在で、家族の目を問題からそらす。表層的にはペットのようにかわいがられる[38]
  • プラケーター(慰め役)
家族の中で暗い顔をしているものを慰め助け、カウンセラーのような役をする[38]
  • イネイブラー(支え手、援助者)
家族の他のメンバーに奉仕することで、自分の問題と向き合うことを避ける。家族の中で親のような役割をするため偽親とも呼ばれ、第一子がこうした役目になることが多く、第一子が別のタイプになった場合はその下の子供がイネイブラーとなることもよくある。ダメな母親の代わりをすることで、父親と情緒的近親相姦になることもある[38]

日本トラウマサバイバーズ・ユニオンは、クリッツバーグによる6タイプを、ACOAではなくACODの類型として紹介しているが、全タイプに共通して、自分の都合ではなく、親の機嫌や家の中の雰囲気を優先して行動すると述べている[38]


注釈

  1. ^ それ以前から『子供の愛し方がわからない親たち 児童虐待、何が起こっているか、どうすべきか』(講談社 1992)などでも関連する話題について著作がある。[要出典]
  2. ^ 小池靖は、精神科医とシャーマンの共通性を論じた論文には、精神科医のカリスマ性、クリニックという非日常空間、有名クリニックへの「巡礼」などが共通に論じられており、「遠くから押し寄せる支持者に「託宣」を下し、サイコドラマ(心理劇)的空間をつかさどるカリスマ精神科医は、まさに現代のシャーマンである」と述べている。(小池, 2003)
  3. ^ 竹村道夫はアルコール医療の関係者であり、アダルトチルドレンについて、「『酒害家庭に代表されるような機能不全家庭に育って、そこから何らかのネガティブな影響を受けて大人になった人』というほどの意味合い」で使っていると述べている。(竹村, 1999)
  4. ^ ただし、井村文音、松下姫歌は論文でアダルトチルドレンの定義を明確にしていない。

出典

  1. ^ a b c 柴田 1998.
  2. ^ アダルトチルドレン【adult children】 大辞林 第三版 コトバンク
  3. ^ a b c d e f g h i j 井藤亮、岡千恵子、吉川晶子、高木彩余、田中伸子、西原清子、藤原芳枝 「新阿武山クリニックでの自助グループにおける発言頻度からみたACOAとACODの比較 序論」 同志社大学社会学部 立木茂雄研究室、1997年
  4. ^ 塚原貴子、新山悦子、笹野友寿 2005.
  5. ^ a b c d e f g 井村、松下 2011.
  6. ^ a b c d 小池 2003, p. 109.
  7. ^ アダルト‐チルドレン(adult children) デジタル大辞泉 コトバンク
  8. ^ a b c d e 安藤 2003, pp. 17-180.
  9. ^ a b c d e 磯野 2002.
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  14. ^ 第93回目(2/4) 斎藤学先生 家族機能研究所 日本メンタルサービス研究所
  15. ^ a b c d e 竹村道夫 アダルトチルドレン 赤城高原ホスピタル、1999年執筆、2003年改訂
  16. ^ a b c d e f アダルトチルドレンの日本での展開 日本トラウマサバイバーズ・ユニオン
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  18. ^ a b c d e 安藤 2003, pp. 185-188.
  19. ^ 小池 2003, p. 106.
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  37. ^ 製作責任者:立岩真也 『アダルトチルドレン・シンドローム――自己発見と回復のためのステップ』
  38. ^ a b c d e f g h アダルトチルドレン6つの役割 日本トラウマサバイバーズ・ユニオン
  39. ^ a b c d e 諸井 2007.
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  44. ^ DC「セガガガ」製品内容の一部修正と発売延期を発表 Game Watch ニュース、2001年5月1日
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  52. ^ 斎藤 1998.
  53. ^ 小池 2003, pp. 128-129.
  54. ^ 親が「毒親」だからといってあなたが不幸になる必要はない 『「毒親」の子どもたちへ』著者・斎藤学氏インタビュー SYNODOS 2015年7月15日




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