家族療法とは? わかりやすく解説

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家族療法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/30 22:58 UTC 版)

家族療法
治療法
ICD-9-CM 94.42
MeSH D005196
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家族療法(かぞくりょうほう、family therapy)とは、家族を対象とした心理療法の総称。1950年代より欧米を中心に発展してきた精神療法・心理療法である[1]

理論

家族療法は、様々な治療効果研究の複合体であるが、次第に、一般システム理論の視点が取り入れられるようになった。ほか、ダブルバインド(二重拘束仮説)、サイバネティックスオートポイエーシスなどの理論からも影響を受けている。

現在では一般システム理論に基づいた(システムズ・アプローチという)家族療法が主流となっている。

システムズ・アプローチ

システムズアプローチによる家族療法では、家族を、個々の成員が互いに影響を与えあうひとつのシステムとして考える。そのため、家族成員に生じた問題は、単一の原因に起因するものではなく、互いに影響を与え合う中で、問題を維持する原因と結果の悪循環を描いていると考えていく。そこで、問題を抱えた家族成員を、従来のクライエントという呼び方ではなく、家族を代表して問題を表現している人という意味で、IP(Identified Patient;患者と見なされた人)と呼ぶ。

諸学派

  • コミュニケーション派家族療法 / MRI(Mental Research Insititute)グループ / パロアルトグループ
ドン・ジャクソン(Don Jackson)
リチャード・フィッシュ(Richard Fisch)
ポール・ワツラウィック(Paul Watzlawick)- 1974 Watzlawick, P., Weakland, J. H. & Fisch, R. 1974 Change : principles of problem formation and problem resolution. New York : Norton(ワツラウィックP.・ウィークランドJ.H.・フィッシュR.(著) 長谷川啓三(訳) 1992 変化の原理:問題の形成と解決 東京:法政大学出版局)、1983 The situation is hopeless, but not serious. New York : Norton(長谷川啓三(訳) 1987 希望の心理学:そのパラドキシカルアプローチ 東京:法政大学出版局)
ジョン・ウィークランド(John Weakland)
  • 戦略派家族療法 / 戦略的家族療法
ジェイ・ヘイリー(Jay Haley)
クロエ・マダネス(Cloe Madanes)
  • ミラノ派家族療法 / システミック派家族療法
セルヴィニー パラツォーリ(Mara Selvini-Palazzoli)
  • 精神力動的家族療法
ネーサン・アッカーマン(Nathan Ackerman)
  • 多世代派家族療法
マレー・ボーエン(Murray Bowen)
  • 構造派家族療法 / 構造的家族療法
サルバドール・ミニューチン(Salvador Minuchin)
英文のニュースレターで、年に2回、カップル・セラピーの研究に関する新しい研究について報告する。[2]

日本

技法

資格

  • 家族心理士・家族相談士資格認定機構
    • 家族心理士(family psychologist)
    • 家族相談士(family counselor)

脚注

  1. ^ 一般社団法人 日本家族療法学会”. 2019年5月3日閲覧。
  2. ^ News from Couples Therapy Research”. 2024年8月29日閲覧。

関連項目

外部リンク

国内の学会

海外の学会

家族相談士養成機関

研修機関


家族療法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 09:58 UTC 版)

境界性パーソナリティ障害」の記事における「家族療法」の解説

家族療法の起源1940年代 - 1950年代にかけて、アメリカベル(Bell.J)が行った合同面接起源とされている。その後全米各地さまざまな形発展していった。日本でも1960年代から導入されている。 BPD患者に、家族深く関与しているケースでは、家族療法は最も有効な心理療法のひとつである。家族療法では、個人問題家族システム全体問題としてとらえる。家族療法ではクライエントIPIdentified Patient - 患者みなされる人)と呼ばれるIP家族代表として問題症状という形で表出しているとし、家族という集合体システム変化起こすことで改善促すことを目的としている。したがって家族療法では、IP人格変容目標とはせず、家族の機能健全さ回復目指しその結果としての症状消失目指す

※この「家族療法」の解説は、「境界性パーソナリティ障害」の解説の一部です。
「家族療法」を含む「境界性パーソナリティ障害」の記事については、「境界性パーソナリティ障害」の概要を参照ください。

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